Pixiv Fanbox
画像生成AIユーザーのためのCLIPSTUDIO超入門【第4回①】仕上げ・フィルター編
Published 04/11/2026, 02:20:06 AM · Edited 05/11/2026, 11:48:34 AM

<記事内容の要約>
・AIイラストの仕上げ工程として、まず覚えたい「トリミング」や「色調補正」「グラデーションマップ」などの考え方と操作手順がまとめて分かる
・線をほとんど引かずに、クリスタでAIイラストの構図・明暗・彩度・雰囲気を調整する方法を網羅
・SNSで映える見せ方や、AI特有の色むら・背景の違和感などを整える実践的なTIPSも紹介
第4回は仕上げ編です。前回はAI生成画像に付きものの作画ミスを画像生成とCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)それぞれで分担して修正するやり方を紹介したので、今回はそれをさらに魅力的かつ自分好みに仕上げるやり方をまとめました。全部を紹介しようとしたら大変な量になってしまったので、①・②の前後編に分けて特集します。
今回は「トリミング」から「グロー効果」まで、主にAIイラストの色彩や明暗に関わるフィルター系の手法を紹介します。次回は、AI段階で出力されていないものを新たに加える追加エフェクト系。いずれも線をほぼ引かず、クリスタ上で機能をクリックしたりスライダーを調整したりするだけでできる簡単な作業ばかりです。【約1万4700字】
目次
はじめに:仕上げ段階でできること
1.トリミングとアウトペイント
<いろいろな構図>
<クリスタでの操作方法>
2.色調補正
これだけ覚えよう!色の基本知識
AIイラストの"明暗"調整
<トーンカーブ>
<二値化とレベル補正>
AIイラストの"彩度"調整
<色相・彩度・明度>
<TIPS:AI色むらの修正方法>
AI絵の"色相"調整
色調補正のポイント
3.グラデーションマップ
<色彩とイメージ>
<グラデーションセットをDLしよう>
<仕上げグラデーションを掛けよう>
4.カラーリファレンス
5.カラーフィルター
6.合成モード
<合成モードの使い方>
<AIイラストに影を付ける>
<AIイラストを光らせる>
<AIイラストの雰囲気を変える>
7.グロー効果
まとめ
はじめに:仕上げ段階でできること
今回の記事では、絵が描けないAIユーザーが手順を覚えるだけで簡単にできるものを中心に、さまざまな仕上げ工程を紹介していきます。より良く、正しく仕上げるためには絵のセンスや美術的理解が必要ですが、自分の好みになるようなんとなく適当にスライダーを動かしているだけでも、自分らしさを感じられるイラストにできて楽しい作業だと思います。
今回紹介する仕上げ工程は以下の通り。
トリミングとアウトペイント
トリミングは、画面の不要な部分を除いて構図を整えること。主に小さなスマホで見られるSNSにおいては、印象を左右する重要工程です。トリミングで主役を大きく写すだけでなく、AI絵ならアウトペイントで空間を足すことも簡単。
色調補正
AIイラストの色相・彩度・明度を調整して、理想に近づけること。明度が調整できていないと主役のシルエットが埋没してしまうし、全体に彩度が低かったりめりはりがない場合も印象の薄いイラストになりがちです。クリスタには「トーンカーブ」「色相・彩度・明度」など10の色調補正機能があり、AI絵に特化した使い方をまとめます。
グラデーションマップ
昼のイラストを夕方にしたり、エモい写真風にできたりと、スマホアプリでよくある「フィルター」的な使い方。キャンバス全体のカラー配置に対し、あるルールで変化を加えることで、統一感のある色合いに調整できます。
合成モード
そのレイヤーを、それより下のレイヤーに対してどのように重ねるかを設定できるモード。AIイラストに影を付けたり、光らせたり、グラデーションマップのように雰囲気を変えたりすることができます。
グロー効果
イラスト全体、または一部が光っているように見える効果。クリスタではオートアクションで簡単にできます。合成モードを使って一部を光らせられるようになるともっと楽しいです。(やりすぎ注意)
※なお、フキダシ入りのセリフを加えたり、背景に集中線を加えたりするのも広い意味では仕上げの一つですが、AI絵を使った漫画作りについては「第5回」で紹介するので、今回はいわゆる一枚絵の仕上げ加工について見ていきたいと思います。
1.トリミングとアウトペイント
画面の不要な部分を除いて構図を整えることを『トリミング』と言います。AIイラストをどこで見てもらうかにもよりますが、Xならほとんどの人がスマホ画面で閲覧していますので、作品を目に留めてもらうには、できるだけその絵の魅力のあるところを大きく、画面いっぱいに表示されるようトリミングするのが基本です。
▲どっちが魅力的?
とはいえ、画面内のどこに何を配置し、何を見切れさせるかはセンスの問われる判断です。常に画面内にみちみちに詰めればよいというわけではなく、余白が重要な仕事をしてくれる絵もありますし、魅力的な要素がトリミングで台無しになってしまうこともあります。上の例なら、インパクトや分かりやすさは右の方がよいですが、ミナちゃんのアイコンの一つであるルーズソックス+ミントカラーのコンバースが見切れてしまっているのはもったいないとも言えます。
でも、コンバースの紐やマークなどがちゃんと高精細に描画できているならともかく、ぐちゃぐちゃに溶けているなら画面外に追い出したほうがいいですよね。画像生成AI、特にSDXLがお出ししてくる構図は必ずしも正解ではないことを前提に、仕上げ段階で人間が取捨選択することが重要かなと思います。
<いろいろな構図>
イラストや写真には「日の丸構図」や「三角構図」「三分割構図」「対角線構図」といった基本の配置があります。ジョジョ第7部には「黄金螺旋(フィボナッチ螺旋)構図」がキーとして出てきますね。こちらの記事が非常に分かりやすいので、各構図の存在だけ頭に置いておくだけでも、絵の魅せ方が少し理解できるようになります。
AIは豊富なデータセットから自然と構図のメソッドを学習していますので、これらの基本構図に近いものが出力されることはよくあります。ユーザー自身が「このAI絵はこの構図をやろうとしているんだな」と理解できると、邪魔な部分をトリミングしたり、足りない部分をアウトペイントで補ったりして、さらに整えることができます。
▲こうトリミングすると対角線構図
<クリスタでの操作方法:トリミング>
クリスタでは、「編集▶キャンバスサイズを変更」からヨコタテを変更できますが、より自分の思い通りの構図にするには、このように選択ツールでトリミングしたい場所を囲って「編集▶キャンバスサイズを選択範囲に合わせる」の方がワンアクションで便利です。
このように、画面いっぱいにキャラクターを配置できました。これも先ほどと同じ右上から左下への対角線構図になっていますが、左上の余白が気になる(目がいく)ので何か置きたくなりますね。どこまでキャンバス内に収めるか、どの部分を見てほしいか、背景やエフェクトをどう加えるとそこに目が行くかを考えると、より魅力的に仕上げていくことができます。
オートアクションの「ワンクリック3分割」を使うと、このようにキャンバスを縦横三分割したガイドラインを表示できます。キャラクターをこのように三分割構図になるよう配置して…
NanoBananaProで「背景の白い部分に、美しい桜の風景を描いてください。女の子は芝生の上に座っています。昼、青空。キャラクター部分は変更しないこと」
と指示すれば、このように簡単に三分割構図のイラストを生成することができます。(元画像に加え光や影のエフェクトも加わっていますが、避けたい場合は「入力画像部分は変更しないこと」などと指示します)
三分割の左側には、川や道をS字構図かつ放射構図(画面奥の消失点に目を引く構図)にして奥行きを持たせてくれていますね。主役であるミナちゃんの顔も消失点へ向かう桜のラインの途中に置いてくれています。これが必ずしも「正解の構図」というわけではないのですが、NanoBananaProは理論を意識した画面作りをしてくれるので、SDXLに背景を任せるよりずっと頼りになります。
2.色調補正
クリスタでは、各レイヤーごと、もしくはイラスト全体の色調補正を行うことができます。「編集▶色調補正」の中には下図のような10の機能があり、AIイラストの補正では特に「トーンカーブ」「色相・彩度・明度」あたりが使いやすいと思います。
・表示レイヤーのコピーを結合▶色調補正
色調補正機能は現在選択しているレイヤーにのみ適用されるので、もし複数のレイヤー分けをしている状態でキャンバス全体を補正したい場合は、レイヤーパレットを右クリックして「表示レイヤーのコピーを結合」を選び、いま表示されているキャンバスの見た目と同じ「統合レイヤー」を一番上の階層に作ってから、それを「色調補正」するようにしましょう。(※ここで"表示レイヤーの結合"や"画像の統合"を選ぶと、それ以降レイヤー別の編集ができなくなってしまいます)
・色調補正レイヤー・
統合レイヤーを作らないで色調補正したいときは、「色調補正レイヤー」を使うのが便利です。これは、下にあるレイヤー全てに色調補正効果を掛けられて、後から何度でも補正内容を調整できる特殊なレイヤー。一番上に配置すれば、画像全体に色調補正を掛けたのと同じ効果が得られますし、「下のレイヤーでクリッピング」すれば一つのレイヤーだけを補正することもできます。
「レイヤー▶新規色調補正レイヤー」から、トーンカーブなど使いたい機能を選ぶだけですので簡単です。(詳しくはクリスタ公式のTIPS▽を参照のこと)
これだけ覚えよう!色の基本知識
色調補正のやり方に入っていく前に、AIイラストで最低限知っておくとはかどる「色の基本知識」について触れておきます。ここを押さえておくと、何を基準に色彩や明度を補正すればいいかはっきりします。
まず、色は一般に「色相(色合い)」「明度(明るさ)」「彩度(鮮やかさ)」の三つの属性で捉えられます。例えば、赤、黄、緑、青、紫といった色の名前は「色相」。赤色を選んだとしたら、鮮やかな赤かくすんだ赤かが「彩度」、明るい赤か暗い赤かが「明度」で決まります。その物体そのものの色(固有色)とは別に、照らしている光も色を持つことがあるので、描かれている物体の色は複雑に変化します。
色に関する書籍では、こちらの本がおすすめです。イラストレーター志望者向けのかなりレベルが高い内容ですが、最初の部分を読むだけでもAI絵の理解が全く変わってきます。
さて、色の三属性のうち「色相」を円のかたちで表したのが、クリスタの左下にある「色相環(カラーサークル)」です。(※デフォルト位置の場合)
この色相環で対面にある色を「補色」と呼び、並べて置くと彩度が高くなったように見えるので、互いを鮮やかに引き立てあう関係にあります。隣り合った色は「隣接色(近似色)」といい、一般に補色の多いイラストはにぎやか・華やかに、隣接色の多いイラストは落ち着いて・寂しく見えます。
こちらの色相環では右下のミントカラーが選択されていますが、対面の左上にあるのは赤色です。つまりミナちゃんのややくすんだ赤い眼鏡は、ビビッドなミントカラーの瞳や髪、衣装と互いに引き立てあう関係にあるわけですね。
中央の正方形は、右にいくほど「彩度」が、上に行くほど「明度」が上がる配置になっていますので、「彩度が小さくなるほどグレーに、明るさが小さくなるほど黒に近づく」ことがわかります。逆に、彩度が大きくなるとその色相そのものの「原色」に、明るさは大きくなると白に近づきます。この円と四角をそれぞれ使うことで、あらゆる色を表現することができます。
ただ、補色同士の彩度・明度・位置がそれぞれ近すぎるとケバくなったり、子供っぽく見えたり、目がチカチカしたりして、逆に見にくくなることがあります。片方の彩度を低くしたり、明度を下げて暗くしたり、二色のあいだに白や黒を配置したりすると落ち着いた印象にできることを覚えておきましょう。
▲ミナちゃんの隣にあるのは、「色相は補色関係だが明度・彩度が同じ」赤と緑。上の二色は鮮やかだが目がちかちかする。片方の明度を下げると、チョコミントのような落ち着いた取り合わせになる。(上と下のミントカラーは全く同じ色ですが、隣り合う色によって違って見えます)
AIイラストの"明暗"調整
「色相・彩度・明度」を基本とする色の基本知識を踏まえて、AIイラストを魅力的にする方法を考えてみましょう。まずは明度を操作できる「トーンカーブ」機能を見てみます。
<トーンカーブ>
これは、画像の明暗をグラフで調整する機能。キャンバス全体を明るくしたり暗くしたりすると見づらくなるだけですが、トーンカーブは現在の明暗配置を踏まえて、もともと明るい所をどうするか、暗い方はどうするかを別々に調整することができます。
下図をご覧ください。「グレースケール オートアクション」を使うと、このイラストを色相と彩度がないグレースケールで表示されるので、明暗の構成を分かりやすくチェックすることができます。(オートアクションパレットから「グレースケールレイヤー作成 ロック」を選んで「グレースケールレイヤー作成」をダブルクリックすると発動します)
明るいところ、暗いところのバランスはどうでしょうか?明暗のコントラストがある程度はっきりしていないと、全体に一様で見にくいイラストになってしまうので、「トーンカーブ」で調整することができます。
「編集▶色調補正▶トーンカーブ」もしくは「レイヤー▶新規色調補正レイヤー▶トーンカーブ」を開くと、このようなグラフが表示されます。グラフの横軸は現在の明暗、縦軸は加工後の明暗を示していますので、加工前は左下から右上への直線になっています。グラフ上でクリックすると、紫の「コントロールポイント」というドットが追加され、そのドットをドラッグして直線をカーブさせると、自由に明暗を調整することができます。
一番メジャーなのが、上の図のように2点のドットを打って、グラフ左側は下へ、右側は上へ引き上げる「コントラスト強調」のS字カーブ。こうすると、もともと暗かったところがより濃く、明るかったところはより明るくなるので、このようにコントラストがはっきりします。(GIF比較)
ただ、無闇にコントラストを強めると、肌色のような明るく繊細なカラーが真っ白になる「色飛び」が生じやすく、元々の色彩がぎらぎらしすぎることもありますので、調整はほどほどに。ちなみに、単純にコントラストだけを操作したいときは、「明るさとコントラスト」機能のほうがシンプルで分かりやすいです。
「トーンカーブ」はS字カーブでコントラストを付ける以外にも、あらゆる任意の明度調整ができるのがメリット。カーブを右下に引っ張ると暗く濃く、左上に引っ張ると明るく薄くなりますので、プレビューを見ながら適宜調整してみるのがよいでしょう。
<2値化とレベル補正>
いまトーンカーブで試した「明るいところを明るく、暗いところを暗くする」工程を極端にしたのが「2値化」です。ある閾値で区切って、それ以上の色は全て黒、それ以下のものは全て白に変換してしまう暴力的機能です。
画面内が白か黒だけの世界になるので、線画のゴミを取ったり、漫画を作ったりするときに使えます。ただ、グレーなど中間の色が存在しないとグラデーションが表現できないので、拡大するとドットのがたつきがモロ見えになってしまいます。トーンカーブに比べて使いどころを選ぶ機能です。
明暗調整ができる機能は他に、「レベル補正」があります。トーンカーブと違って「自動調整」機能がついており、選択したレイヤーの明暗をクリスタ任せで調整することができます。(一般的に見やすい明暗に調整されますが、イラストとしての"正解"に近づける機能ではありません)
AIイラストの"彩度"調整
明度だけでなく、色相と彩度も一括で調整できる機能が「色相・彩度・明度」です。このように三つのスライダーが出てきて、AIイラスト全体の色彩と明るさを調整できるので、「色調補正」の中で最もイージーで重要な仕上げ機能と言えます。
上図のように彩度を「+12」すると、一気にイラストの印象が華やいで見えます。ただ、AI絵には独特の「色むら」がありますので、軽率に彩度を上げるとモロ見えになってしまうことも覚えておきましょう。
このようにGIF比較で見ると、ミナちゃんのカーディガン部分の色むらの彩度差が強調されてしまっていることが分かります。(※髪のグラデーションが段に見えるのは、256色のGIFにした際にそうなっただけで関係ありません)
<TIPS:AI色むらの修正方法>
SNSでは彩度が高い絵のほうがにぎやかで目立つので、軽率に彩度を+10したくなるのですが、こうしたAI独特のおかしさを強調することもあります。こういうときは「選択範囲▶色域選択」機能を使って修正する方法があります。
これは、キャンバス内で同じ色があるところを一発で選択できる機能。ただ、「色の許容誤差」がデフォルトのままカーディガンをクリックすると、このように汚く選択されてしまいます。許容誤差が「2.00」しかないので、ほぼ厳格に同じグレーしか選択されないためです。
許容誤差を「4.00」まで広げると、きれいにカーディガンの明るい部分が選択できました。ただ、よく見ると左上の花びらの影なども近いグレーだったので、一緒に選択されてしまっています。
許容誤差だけで選択ミスが排除できないときは、いったんそのまま「OK」してしまって、選択範囲ツールにある「選択消し」を大きいブラシサイズでぐりぐりすれば消せます。(花びらの影がカーディガンと同じグレーに統一されても問題ないなら、この工程は必要ありません)
実際には色むらのあるグレーを、むらを無視(許容)していっしょくたに選択できたので、あとは「編集▶塗りつぶし」でグレーに塗りつぶせば色むらを退治できます。これで、彩度をここまで極端に上げても、カーディガンの色むらが全く見えなくなりました。(影や髪の毛はまだむらが目立ちますね)
ただし、これはフラットな塗りのAI絵でだけ使えるワザ。セミリアル(2.5D)なAI絵の場合はうまくいかないことも覚えておきましょう。
AI絵の"色相"調整
「明暗」と「彩度」の調整が分かったので、最後の一つは「色相」です。ただ、キャンバス全体の「色相」を軽率にいじると、このように奇妙な色遣いになってしまうことがほとんどですので、明度や彩度のように仕上げ段階でいじることはあまりありません。
「色相・彩度・明度」機能の色相スライダーは、キャンバスの全体ではなく、部分ごと・レイヤーごとの色を大胆に変更したいときに便利です。例えば白背景のAI絵にこのような緑色の背景を付けたとき…
色相スライダーを使えば、全体の調和や見栄えを確かめながら無段階でカラー調整することができます。いちいち色を塗り直すことなく、ワンアクションで色の取り合わせを明度・彩度も含めて調整できるので、非常に便利です。
▲一般に、主役が彩度控えめの場合、背景は彩度高めに、逆の場合は彩度低め(明るめ)にすると見やすくなります。
<カラーバランス>
色相を調整する機能としては、他に「カラーバランス」があります。これは、キャンバス内の色を「シャドウ」「中間調」「ハイライト」の3つに分け、それぞれの色合いを三原色のスライダーで調整できる機能。「明るい部分は青、暗い部分は赤方向にずらす」といった調整ができますが、色の理論をちゃんと理解していないと、これまた奇妙なカラーリングになりがちです。
色調補正のポイント
AI絵の仕上げ段階では、とりあえずキャンバス全体の彩度をぐいっと上げてみるのが簡単ですが、色合いがギラギラしてしまったり、色むらが目立ったりして、逆に見にくいイラストになってしまうことも多いです。手描きイラストの初心者も、「無闇に彩度ギラギラ、エフェクト盛り盛り」の絵に加工してしまうのはあるあるなのだそう。AIは大量の学習画像に由来する「それっぽい」色設計を出してくれることが多いので、我々初心者がいじるとしても微調整程度にとどめておいたほうがよさそうです。
さきほどの色の基本知識を踏まえると、「落ち着いた緑多めのイラストだからビビッドなピンクのハートを散らすとあざやかに見えそうだ」とか、「燃えるような彩度の高い赤を彩度の高い黄緑でハレーションなく引き立てるには、くすんだグリーンや白銀が役立つ」などと理解できて楽しいです。(↓)
3.グラデーションマップ
さて、「色相」のスライダーは画面全体の色合いを一律に「ずらす」ものでしたが、グラデーションマップ機能を使うと、あらかじめ用意した色合いに「統一する」ことができます。例えばさきほどの桜のイラスト全体に暗く青いグラデーションマップを重ねると、昼だったイラストを夜のように見せることができます。
「ゆめかわ」なグラデーションを掛けると、このような色彩に。こうしたカラーフィルターは、スマホアプリの画像編集でおなじみですね。
<色彩とイメージ>
色彩(色相と彩度)にはそれぞれ、人の持つ『イメージ』があります。暖色と寒色が代表的ですが、赤系の色はあたたかくにぎやかに、青系の色は冷たくクールな印象を与えます。夕焼けに照らされると一様に暖色に寄るので、あたたかくノスタルジーな雰囲気に包まれますし、夜になると寒色に寄るので、同じ絵でも冷たく落ち着いた雰囲気になります。
▲同じ絵でも、寒色系と暖色系のフィルターで印象が変わる
AIイラストの仕上げにおいては、上の例ほど極端に画面全体の色を変更するのではなく、わずかに雰囲気を温かくしたり、クールにしたりするのに使うのが良いと思います。また、普段から一貫したカラーフィルターを使っていると作品全体に個性や統一感を出すことができますし、背景とキャラクターの色遣いが不釣り合いで「コラージュ感」が出てしまったとき、統一感を出すのにもグラデーションマップは便利です。以下、具体的にやり方を説明していきます。
<グラデーションセットをDLしよう>
グラデーションは自分で複数色を選んで作り出すこともできますが、例によってCLIPSTUDIO ASSETSにさまざまな「グラデーションセット」が公開されてますので、まずはなんとなく好みのものをぽちぽちDLしておきましょう。(※あらかじめ素材パレットの左上の「Ξ」ボタンから「ダウンロード素材の自動登録設定」をオンにしておくと、DLしてきたグラデーションをクリスタ内に一発登録できます)
ちなみに、私はこちらの「空の色グラデーションセット」を仕上げによく使います。
<仕上げグラデーションを掛けよう>
グラデーションマップ自体は、トーンカーブなどと同様に「レイヤー▶新規色調補正レイヤー▶グラデーションマップ」か、レイヤーパレットで右クリックして「新規色調補正レイヤー▶グラデーションマップ」で呼び出すことができます。が、そのままだと効きが強すぎて使いづらいので、AI絵においては「第2回」で紹介した「究極オートアクションセット」を使うのがおすすめです。
このセットの中に、「仕上げグラデーション」というオートアクションが同梱されています。これをダブルクリックすると、このようにグラデーションマップ機能が起動するので、左側のプルダウンメニューからさきほどDLしてきたセットを選んで、各グラデーションをダブルクリックしてみましょう。
こちらは空の色グラデーションセットの「斜陽」。
同じく「マジックアワー」。
「暁光」です。
このように、元のAI絵の色合いを大きく損ねることなく、エモーショナルな雰囲気を加味することができます。「方向性はいいけど変化が強すぎる」と感じた場合は、グラデーションマップ画面でいったん「決定」をクリック。すると「ソフトライト」モードのグラデーションマップレイヤーができますので、このレイヤーの不透明度を下げたり色調補正したりして調整するとよいでしょう。
カラーリファレンス
ここまでの機能はPhotoshopなどたいていの画像編集ソフトに入っている基本の色調補正機能なのですが、次に紹介する「カラーリファレンス」はクリスタver3.0から搭載された独自機能です。
「画像」タブと「グラデーションタブ」の二つのモードがあり、画像タブからは選んだ画像のカラーリングを参照(リファレンス)して、似た色使いに変更することができます。デフォルトでは8枚のサンプル画像が読み込まれており、ファイルボタンから自分で画像を追加することも可能です。
「グラデーション」タブからは、さきほど「仕上げグラデーション」でやったのと同様に、クリスタにインストールしたグラデーションセットからグラデを選んで参照させることができます。セットの適用方法が異なるので、「仕上げグラデーション」とは少し印象の違う仕上がりになります。
▲「原宿グラデ」より「ターコイズ」をカラーリファレンス
カラーフィルター
イラストのカラー仕上げに使える簡単機能として、「カラーフィルター」というものもあります。こちらもver3.2.0から追加されたクリスタの独自機能。「フィルター▶カラーフィルター」から、いま選んでいるレイヤーだけに掛けるか、統合レイヤーを追加して画面全体に掛けるかを選ぶことができます。
画面を開くとこのような感じで、「ビビッド」「ウォーム」「オーロラ」「セピア」などのプリセットからフィルターを選ぶことができます。強すぎると感じたら、右下の「適用度」からフィルターを掛ける強さを弱めましょう。スマホの写真アプリでよく見る機能ですね。
合成モード
カラーの説明があらかた済んだので、ようやく「合成モード」について説明ができます。合成モードというのは、あるレイヤーを下のレイヤーに対して「どう重ねるか」を決める機能。「第3回」では、肌の影を塗り重ねるのに「焼き込みカラー」を使いましたね。
レイヤーパレット上部のプルダウンメニューから、「通常」「乗算」「スクリーン」「オーバーレイ」「ソフトライト」などが選べます。それぞれどのような計算で色相・彩度・明度を合成するかが違うのですが…ぶっちゃけ全然覚えていなくても、なんとなくそれらしい色を載せて、上から全部試していい感じなのを選ぶ感じで全然OKです。
最初のうちは、「下の絵を明るくする方向のモードと暗くする方向のモードがある」「乗算や焼き込みカラーは影付け、スクリーンや加算(発光)は光らせ、オーバーレイやソフトライトは雰囲気調整に便利」と覚えておくだけで十分です。各モードの意味を詳しく知りたい方はこちら。
<真面目な解説>
とはいえ最低限の知識は欲しいので、基本を少しだけ。例えば、桜のイラストの上に「通常」モードでこのような虹色グラデーションを上に重ねると、左側のようにただそのまま表示されて桜のイラストは隠れます。一方、画面右側は「オーバーレイ」モードで重ねたもの。このように、下のイラストにグラデーションを明るく合成することができます。
<AIイラストに影を付ける>
仕上げでよく使うのは、まず「乗算」です。これは下のレイヤーを暗くする方向に働く合成モードで、影を足したり、全体の色味を落ち着かせたりするときに便利です。例えばキャラクターの足元にうっすら影色を置きたいときや、背景の一部を暗くして主役を引き立てたいときなど、単純に色を塗るより自然になじみます。
▲エアブラシでグレーをキャラの下に塗ると、芝の緑が暗く乗算されて影になる
影を塗るとき、我々は直感的に黒やグレーといった無彩色(彩度のない色)を選んで「乗算」で塗ってしまいがちなのですが、どんな場所にどんな光が当たっているかやどんな印象にしたいかを考えて、色で影を塗るのも面白いです。また、「影といえばエアブラシ」と思ってしまうのですが、意外と境界のはっきりしたブラシで載せたほうがそれらしく(気持ちよく)見えることも多いです。
▲暗い緑のブラシで「乗算」した例
<AIイラストを光らせる>
逆に、「スクリーン」や「加算(発光)」「覆い焼き(発光)」は明るく光らせる方向の合成モードです。スクリーンはふんわり明るく、加算(発光)はもっと強く、覆い焼き(発光)はギラついて白飛びしたような発光感が出せます。瞳や髪、肌のハイライト、太陽などの光源などを軽率に光らせるときに使うと便利です。
このように、柔らかいエアブラシを使って明度の高い色でぐりぐりすると勝手にそこが光ります。
ストッキングは、肌色を選んで加算(発光)でぐりぐりするとこの通りです。
「覆い焼き(発光)」はよりギラついた感じにできます。
発光系のエフェクトは目を引きますし便利ですが、イラスト初心者も(私も)陥りやすいのが「光らせすぎ」。せっかくのディティールが白飛びして消えてしまったり、どこもかしこも光って主役が分からなくなったりしやすいので、不透明度を下げて使うのが基本です。AIイラストはもともと色数や情報量が多いので、クリスタ上で光らせるときは「少し物足りないかな」くらいで止めたほうが、投稿画面ではちょうどよく見えることが多いと思います。
▲白飛び注意!
冒頭で紹介したこちらの画像は、御覧の通り右側をピンク、左側をグリーンで塗ったレイヤーを「比較(明)」(不透明度65%)で重ねたものです。
中央は柔らかい消しゴムで消しているので、ミナちゃんの固有色が少し見えるようになっています。AI生成段階で苦心しなくても、合成モードや不透明度を理解すると簡単にこうした表現ができるようになります。
<AIイラストの雰囲気を変える>
元のイラストのカラーリングを大きく壊さずに色を載せられる「オーバーレイ」や「ソフトライト」も仕上げではよく使います。オーバーレイのほうが効きが強く、ソフトライトのほうが穏やかです。仕上げグラデーションを使ったときも、ソフトライトが使われていましたね。
例えば画面全体にほんのり夕焼け色を足したい、キャラクターの肌に少し赤みを足して血色よく見せたい、背景の空気感をまとめたい、といったときにはソフトライトが扱いやすいと思います。一律にグラデーションを乗せるだけでなく、「ここをもうちょっと緑色にしたい」「ここに差し色が欲しい」といったときも、自分で好きな場所に色を載せられるので便利です。
これは以前「ワークフロー紹介:AIイラストの着想・工程・生成・仕上げ」特集で紹介したAIイラストの背景です。上下に水玉グラデを入れてイラストらしくしましたが、このままではちょっと面白くないので、合成モード「オーバーレイ」で強めに色を重ねました。
背景の色配置を踏まえて、上からこのように塗っていきます。といっても、グラデーションツールで全体を塗ったあとに柔らかいエアブラシでちょんちょん・なでなでしただけです。
これをさきほどの背景に「オーバーレイ」で重ねると、このように色合いがカラフルになり、イラストらしさが増しました。前景にくるキャラクターより主役にならないよう、ぼかして明度の高い背景にしています。
7.グロー効果
合成モードを使った発光は自分の手で任意の場所を光らせる方法ですが、画面全体がうっすら光をまとっているように見せる「グロー効果」というものもあります。
ガウスぼかしなどを使って自分の手で掛けることもできますが、オートアクションの「デフォルト」セットの中に「明るい光が発光(グロー)」があるほか、先ほど紹介した「究極オートアクションセット」にも「グロー効果」として同梱されているので、どちらかを使うとラクです。
「究極~」を発動したときは、このように「ぼかし範囲」をどうするか尋ねられます。デフォルトより大きくぼかすと、光がより大きくにじんだように見えます。
このように、ぼやけた画像が「スクリーン」モードで元絵に合成された結果、画面全体が光ったように加工されました。ただ、このようにぼかしすぎるとせっかくの絵の印象もぼやけてしまうので、適宜不透明度で調整しましょう。合成モードを「加算(発光)」など別のモードに変えることでも風合いを調整できます。
このようにスクリーンモードで重ねられたレイヤーの一部を消しゴムで消すと、グローする場所を取捨選択することもできます。どこを目立たせたいか、どこに光が当たって反射している表現なのかを考えるとよいようです。
「デフォルト」セットの「明るい光が発光(グロー)」はもっと強烈で、これくらいド派手に光ります。こちらも適宜、レイヤーの不透明度を下げるなどしてちょうどいい具合に調整しましょう。
まとめ
こちらは、今回紹介した仕上げ方法をあらかた組み合わせた加工例です。
まず、グラデーションマップで暗い青を掛けて夜らしくし、青の補色である明るい月の黄色を中央に置きました。丸い「ベタ塗りペン」でクリックしただけです。発光を表現するため、合成モード「スクリーン」で月そのものや顔周辺、芝生の中央をエアブラシでぽんぽんしてぼやっと反射させています。
グラデーションマップの影響で桜や芝生の彩度が落ちて見えたので、赤や緑を上から「オーバーレイ」で乗せて、その部分だけ鮮やかにしました。
弱い月光がそこまで回り込むことはないでしょうし、できるだけ中央に視線を集めたいので、「乗算」で影を付けました。これもエアブラシをマウスでなでただけです。
最初は月光でできる影なので暗い黄色を乗算したのですが、あまりフィットしなかったので、「色相」スライダーで一番自然に見える色を探してみました。結果、芝生のグリーンを乗算するのが個人的に好きな色でした。このままでは暗すぎたので、不透明度を下げて調整しています。
月は「質感ぼかしブラシセット」の「質感ぼかし混 - ティッシュ」で上から質感を一応乗せています。ベタ塗りだと月に見えなくても、なんとなく情報量があれば月に見えるような気がしなくもない。
黄色い〇のレイヤーの一つ上に乗算レイヤーを作り、「下のレイヤーでクリッピング」してちょんと乗せただけです。ここまで線を一つも引いていません。
最後に、全体の色相・彩度・明度を調整して終わりです。
実際は仕上げでここまで大きく雰囲気を変えることはあまりなく、夜空にしたいなら生成段階で夜空にしてしまうので、あくまでデモンストレーションと思って頂ければありがたいです。絵心がなくても、機能を覚えるだけでこれくらい自由にイラストの雰囲気を変えられるところにクリスタの面白さがありますね。
自然な仕上がりのAI絵にしていくためには、イラストのどこを見てほしいのか考えて、色相・彩度・明度のバランスに気を付けることが重要かと思います。また、人間の目はすぐに錯覚を起こすので、あまり自分の目を信じすぎずに、時間を置いて加工前と見比べたほうが安心です。
ちなみに、ChatGPTなどのLLMに見てもらって指導を仰ぐと、意外とためになることを教えてくれます。お手柔らかに…
今回はカラーを中心に仕上げを見てきたので、次回は追加効果や線画加工などについて掘り下げていきます。こちらの二次創作は、線画をベクター化して自然な手書き調に寄せて、「色トレス」で輪郭を柔らかくしたり、焦点をぼかしたり、光線を足したりと、次回紹介する方法で仕上げました。NanoBananaProのおかげでかなり自然な仕上がりにできるようになってきたので、そのあたりを詳しく紹介できればと思います。
<第4回②「エフェクト・線画編」に続く>
Attachments (77)

PYGgXPAA4SFx1niZh0H1XyMU.png

XZqQUWOAPjyDoHSmAA5su97W.png

iNFddVaJdGv6ccdfKospQ5U9.png

vazzcuD7PlTrcbVK4oCPMv9i.png

i6USq4wIQNRfU6fVmO0Bf2Wg.png

PBmMssdVZonAGnkUkMBa2Wqm.png

B8E76Go60hoHIf9cv8LVAPNd.png

3nW63Mi53aCZVuHWbeK3S17r.png

n18W1DUyQgHbRRfd2ob9jbxS.png

AKa67sF7fDFbrGoz6Cop7zPq.png

tnwffYsItLmDKvXGJkKl1WFM.png

ViHolGqHFYbZTnHiNorVBb8Q.jpeg

RZhpjyp1uBoM2uj0UpC5dbDt.png

Hl007oDE2lSgApwrNr58gMpD.jpeg

432GiqA3XWGcDh6cUjrD0GCc.png

VHs4JfAlIDh43wB1riETe213.png

8IwAb3i4nSzgtoV3eXiF0xkz.png

lH5uByBtAk2CtGEfgrNmdfgi.png

ifuKcGCrw0PkS1bq3r5eAW09.png

Gy0eouu4JhHKto317Sm5tUnW.png

WRwowQyeka7FKQ7PEgmhaxR4.gif

Qk78ymf6eWWn15Vy26KxgWlN.png

RqoFRvLBnSK4wmkRmMC4BZ9W.jpeg

UKTGzL1NKK2eLBLtj16FwWHM.png

3ZvMxERNd1rAYy433Vxhqny2.png

igRSxsmtuzWfwcowiig6Re0L.png

pi75mfvEARNvMlpbBQbCwMG0.png

WK8GYMmvbZ9XEQa9ZM3awBQ3.gif

RwwLJMSI5nV5EfYiLUcqYSgo.png

a4f97sFb6uE942AwgqfI1qb1.png

ZbXDkrkl4qOTbmD1FoJPeeny.png

WIeFtPjmG4awsVA9795DXLuX.png

5LfwXQPeWNmOSHPgmd4hradH.png

et3DYX122hT9jSmwboYEhskq.png

15u7aZU1OT0dgPxhbtEKzUdY.png

rbw76xwJKEFnpq1BjWaicGMB.png

OSuJWhHNJ9gKYxf5YE4C2Zny.jpeg

GmrZyGNjs17Sj8vOqsgFDAm4.png

bdL93wg8Mkp0uPjCKS4d252N.png

q03pUfF7QuYVCOyt61kDqqkf.jpeg

kfnpdG12ReTU6zS7yfFiw5Ti.png

FZLNoSWEMm39tlWcdvuheIKf.png

65xPhCth0Tn6fmwf6QBGL4fF.png

LeJ6f9ZFlPPTn4hLhkLWsJdz.png

JVOnkMirUE1jGz4FPOuXS8eJ.png

8uejS4yB5h1YEO8E31dzlLd7.png

HgMJpGbq5VRa46YRJbFS4MB0.png

PIgdrFu3qmAGVO7BqSpxSgj1.png

NECVMJ6cfjckmWBCajA5lIxf.png

WopJ0ng78HPNrq4tKwltnWNj.png

mgUu9cJRCsxwDolEdiGys1fz.png

N5CtijufKeb208Rvo68bMSPQ.png

l0Lq115ZdRBj8nLTh5XsqRHf.png

8fZ6DC9B1eahxr33yhhsnY8O.png

JKC7p027bTexlhf0YtMJ161B.png

s6Iur0l8iqzB9431sky0crdk.png

LsUthbXOVkFhco2sWXbdjGO3.png

RLSEMwAi4KfNoNLBjE0Ncuoz.png

Y0W5MqOlc1Y4Z4w8CKpJ59mW.png

AZClHsUoexCyS0hTcJ5de3sE.png

yXhHAJ2SKboFbrc3vHzXxhAC.png

SaXyERDs6t4illYDqYrqIInl.png

B8UisE2C4Nx2wq1G8xJjt5Vh.png

dzq1nGrNYBh3vfVLsxbzO1XE.png

rFsYDWtnpZtL7R82vm3swjJQ.png

E9bWA8e5KpfjJ7RerTmOigoD.png

HpA6pfL9I7lY7C8Pwwzs65SQ.png

MekaBQlP1eij43ac1f1ZNQKR.png

3di6LFz2fvL9VyQmQ2u7HtWd.png

uudjhlNIRCD6iqjDjlbCfYWw.jpeg

rNeaYXIiQ5LQXYVLZkuGYg8l.png

BWvxwB3iSNUqIZHxfTmfw5qM.png

rU5DIXYuCrzq99Qk0CLyC9bc.png

BRzW1yhAznJbPIFfdKPkp8WZ.png

udYjZ4lhZNqYnWzdORwsbKLs.png

ndTQdz3ord5KeRx6fmbees51.png

maRh1aIHiIBWqdjECZUqSDQq.png
