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【nano banana徹底検証】次世代の画像編集が可能に!「gemini 2.5 flash image」で何ができる?

Published 08/28/2025, 12:09:35 AM · Edited 11/05/2025, 12:21:51 PM

【nano banana徹底検証】次世代の画像編集が可能に!「gemini 2.5 flash image」で何ができる?









【2025/08/28更新:検証項目を11から14に増やしました。】

【2025/08/29更新:検証項目を14から17に増やし、全体を修正しました。】


こんばんは、スタジオ真榊です。今回は2025年8月26日にデビューしたGoogleの画像生成特化型マルチモーダルモデル「gemini 2.5 flash image」の実力検証です。コードネーム「nano banana」として知られてきたこのモデル、漫画生成や画像編集などの用途にかなりの高性能を示しており、自然言語指示でどこまでのことができるのか、もしくはできないのか、さまざまな検証を行ってみました。



前回、3月に「Gemini2.0Flash」が登場したときも同様の実力検証を実施したので、そこからどれくらい実力が伸長したのか、普段のAIイラストやAI漫画作りにどう活かせるのかーといった観点からレビューをしていきたいと思います。【記事内容は検証の進行と同時に随時追加・更新しています】


目次

nano banana改め「gemini 2.5 flash image」

  ・「世界知識」を持つモデル

gemini 2.5 flash imageを体験するには

  ・Google AI Studioを使う場合

  ・Google Geminiで利用する場合

  ・「はい、生成しました」イライラ現象の回避法 New!

  ・基本的な使い方とプロンプト記述

  ・生成テスト

検証1.ポーズ・表情・服装・背景を変更

  ・四面図はできない?

  ・生成やり直し

検証2.ストーリーボード作成

検証3.イラストの線画抽出

検証4.線画の着色

検証5.ラフの線画化

検証6.複数画像による指示

検証7.実写背景との合成

検証8.消しゴムマジック

検証9.写真を漫画調・アニメ調に変換

検証10.カメラ角度の変更 New!

  ・うまくいかないことも…

検証11.2コマ漫画生成

検証12.POSEMANIACSでポーズ指定

検証13.LoRA用画像バリエーション

検証14.破綻した手の修正

検証15.背景の削除・透過

検証16.画像内のテキスト編集 New!

  ・画像内の日本語を英訳する

検証17.イラストのスタイルチェンジ New!

終わりに

nano banana改め「gemini 2.5 flash image」

AIモデルの性能比較サイト「LMArena」に突如現れた謎の高性能モデルが、通称「nano banana」です。LMArenaはユーザーがモデル名を伏せた状態で2つの生成結果を比較し、性能をランキングする対戦アリーナ型のプラットフォームなのですが、nano bananaはキャラクターの一貫性を保ちながら指示通りの変化を加えたり、複数の画像を違和感なく融合させたりでき、従来モデルに大きな差をつけてランキング首位に躍り出ました。


関係者からの「匂わせ」もあり、nano bananaがGoogleの次世代モデルであろうということは当初からバレバレではありました。GoogleDeepmindは2025年8月26日、nano bananaが自社が開発したモデルであることを正式に認め、「Gemini 2.5 Flash Image」として発表。 ChatGPTと同様、どんな画像を生成してほしいか、どう編集してほしいかをAIとのチャットで頼むことができる画像生成特化のマルチモーダルモデルとなっています。


キャラクターのポーズや服装を変えたり、背景をチェンジしたりといった作業を、いちいち人間が細かく設定せず、AIに「丸投げ」できるのがマルチモーダルモデルの魅力。その代わり、ForgeやComfyUIのように細かくパラメータを操作したり、大量生成したりするようなことはできませんので、やや「お任せ感」の強いモデルと言えます。


・「世界知識」を持つモデル

マルチモーダルモデルと単体の画像生成モデルとの一番の違いは、LLMとしての「現実世界の知識(world knowledge)」を持っていることです。例えば、StableDiffusionなどの画像生成AIは、テキストと画像のペアからパターンを学習することでユーザーの指示に応える仕組みですので、学習した通りのものを生成することはできても、ユーザーの「意図を汲み取る」ようなことはできません。この点、マルチモーダルモデルは「りんごを手から離すと下に落ちる」ことや「地面に落ちたりんごがどう変化するか」を理解しているので、このような指示にも自然に応えることができます。


LLMの「世界知」と画像生成機能を同時に発揮できるマルチモーダルモデルは利便性が非常に高い一方、生成した画像は元画像からある程度変容してしまうのが普通で、人物の容姿や画風などの一貫性を保つことは難しいーというのがこれまでの常識でした。特にイラスト編集では、どうしても「ChatGPT風」や「Gemini風」に画風が変化してしまうのが当たり前だったのですが、Gemini2.5 Flash imageはかなり一貫性を保てるようになっており、実用性がぐっと向上しています。


Gemini 2.5 Flash Imageは、発表当日からGemini APIとGoogle AI Studioでプレビュー体験することができるようになり、さっそくSNS上で多くのユーザーが生成結果を投稿しています(▼)。「Adobe Firefly」などにも搭載されることが既に決まっており、今後数週間程度で正式版がリリースされる予定となっています。





gemini 2.5 flash imageを体験するには

さっそく、gemini 2.5 flash imageのプレビュー版を使ってみましょう。記事執筆時点では、Googleアカウントさえあれば「Google AI Studio」や「Google Gemini」上で誰でも無料で生成を行うことができます。Google AI Studioは商用などを想定した正式サービスではなく、Googleの最新AIで試験的に無料生成ができるAI開発者向けのプラットフォームであることを留意して利用してください。


・Google AI Studioを使う場合

初めての方は、まず上記のリンクからGoogleAIStudioにログイン。画面右側の「Model」からGemini 2.5 Flash Image Previewが選ばれていることを確認します。ページ上部には「現時点ではテスト用として一定回数無料で生成できるけど、制限を超えて画像を生成したい場合は、(従量課金制の)Gemini API経由で使ってね」ということが説明されています。


・Google Geminiで利用する場合

下記URLからGoogle Geminiにアクセスの上、画面左上のモデル選択メニューから「2.5 Flash」を選ぶだけです。あとは画像生成や画像編集をチャットで指示すれば、内部的にGemini2.5 Flash imageが動作しています。


基本的な使い方とプロンプト記述

Geminiでは、テキスト指示で画像を作ってもらう通常のtext to imageと、手元の画像を最大3枚まで読み込ませて指示通りの処理を行ってもらうimage editを行うことができます。まずはこちらからGoogle公式の画像生成・画像編集のコツを読むことができますので、ざっと目を通しておきましょう。

できた画像に「ソファの色を変えて、他の場所はそのままにして」「表情を笑顔にして」などと追加注文をしてどんどん画像を更新していくことももちろんできます。ちなみに、画像の中に英語のテキストを生成(レンダリング)してもらうこともできますが、日本語で書き込むのはChatGPTなどと同様、あまりうまくないようです。


・「はい、生成しました」イライラ現象の回避法

プロンプト入力はChatGPTと同様、日本語指示でも動作しますが、これまであれこれ試した感じでは、日本語で指示すると「はい、画像を生成しました」とだけ答えて何も生成されない現象が頻発しますので、Google翻訳などを使って英語指示することをおすすめします。

            ▲よくあるイライラ現象


いちいち英語化するのが面倒なら、日本語指示したあと、文末に「Start image generation」や「Generate the image」などと一文入れておくだけで,

かなり上記の現象は軽減されるようです(体感ですが)。全て日本語で指示したい場合は、「画像のみで回答して下さい」などと指示して、文字返答を始めないようにすることでもかなり改善するようです。


プロンプトの記述については、上記リンク先から下記のように説明されており、シンプルな依頼にするよりも具体的に、順を追って説明したほうが高品質な生成結果となります。写真や映画の用語を使ってカメラワークなどを制御することができるので、danbooru語知識を応用して指示するとよいでしょう。


また、下記のような制限事項があります。「7枚画像を生成して」といった指示も効くことはありますが、正確に守るとは限らないこと、SynthIDの「透かし」が入っていることなどが説明されています。Geminiの生成画像には、右下にGeminiの星形のマークが描画されます。

性的なニュアンスのある画像のほか、著名人・子どもに関する画像生成もできないようになっています。また、デマに利用されそうな爆発、武器、負傷といった要素についてもブロックされることが多いようです。(あまり試すとBANの恐れがありますので、できるだけそうした指示は行わないようにしましょう)



検証1.ポーズ・表情・服装・背景を変更

さっそく検証に入りましょう。nano bananaの強みは、人物の一貫性を保って任意の変化を加えられることです。こちらのミナちゃんのイラストを入力して、さまざまな変化を与えてみたいと思います。


まずはこの座っているイラストを直立させてみます。これ以降、記事中に登場する生成例は全て一発生成でガチャや手直しはしていません。(失敗した場合もそのまま載せています)


こちらが生成結果。生成にかかった時間は24.5秒でした。ChatGPTと同様、モデルは同じチャットルーム内の記憶を保っていますので、どんどん注文を繰り返して変化させていきましょう。また、一度入力した画像は「+ボタン▶MyDrive▶最近」から呼び出すことができます。


指示「ヘッドホンは同じ位置に残して。バッグは不要。」(生成まで29秒)

指示「この全身図を三面図にして。正面・横から・背後から。」(生成まで25.5秒)

指示「腕組みをさせて、呆れた表情にして。」(生成まで30.5秒)

指示「違う違う、三面図のままで、腕組みをさせて、呆れた表情にして。」(生成まで30.2秒)

指示「三面図のまま、バニーガールの服装にして。ポーズや表情はそのまま。」(生成まで31.6秒)

指示「このバニー姿の女の子が、最も魅力的だと思われるポーズや背景を考えて、一枚の完成イラストにして。」(生成まで31.6秒)


指示「この子がベッドの上で横たわってこちらを見ている主観イラストにして」


指示「画風がずれてきているので、このイラスト(※)と同じ画風にして。描かれているベッド上のバニー姿のイラストのままで。」(最初の座っているミナちゃんの画像を添付)

ここで、ようやくストップ(コンテンツブロック)が掛かりました。個人的には「バニーガール姿に変えて」のところでストップが掛かるかと思いましたが、結構頑張ってくれた印象ですね。


Gemini2.5Flash imageはこれまでのGoogle系AIサービスと同様、いわゆる日本の「18禁」のラインではなく、プロンプト指示に何らかの性的ニュアンスが感じられれば「ストップ」が掛かる仕様です。アカウントBANの恐れもありますので、あまりあれこれ言い回しを変えてチャレンジする(モデルをうまく騙そうとする)のは辞めておいたほうがよいでしょう。


・四面図はできない?

ところで、三面図は割と簡単にできるのですが、この画像で四面図(正面・左・右・背面)を作ろうとしたら、うまくおさまりませんでした。どうも、nano bananaは入力画像のアスペクト比を継承してしまう仕様があるようで、縦長のキャラクター画像を入力していると4人分をおさめるスペースが足りなくなってしまうために起こる現象かと思います。複数の画像を与えた場合は、最後の1枚の比率が参照されるようです(いずれも体感ですが)。


そこでこのように、画像ファイルを開いて左右を大きめにスクリーンショットし、無理矢理「横型」の画像として入力してみました。(左右の黒い部分も含めて、一枚の横長画像になっています)


指示「Please create four-view illustrations of this character wearing a sailor uniform, a ponytail, and red glasses. The gray sweater is slipping off her shoulders and nearly falling off. The standing illustrations should be arranged side-by-side: front view, right side view, left side view, and back view. The full-body illustrations should have a white background. No bag is needed.」(このセーラー服でポニーテール、赤い眼鏡のキャラクターの4面図を作成して下さい。グレーのセーターは肩からずり落ち、脱げかけています。横に並んだ立ち絵で、正面、右から、左から、背後から。全身図で、背景は白です。バッグは不要)

正式版ではNiji journeyのようにキャンバスサイズ指定などの仕様が整うかもしれませんが、Preview版では現状こうしたコツが必要なようです。入力画像のヨコタテにもちょっと気を払っておくと、より意図通りの生成結果が得られるかなと思います。


・生成やり直し

さて、さきほどエラーが出てしまったので部屋を新たに作ってゼロから生成をやり直します。右上の「+」ボタンを押すと、これまでの生成履歴をクリアして新たにチャットを始めることができます。これまでの生成履歴は、画面左の「History」タブから再度アクセスできます。


ちなみに、チャットを始める前の画面で表示されている帽子を被った紳士のようなボタンを押すと、「Temporary chat(シークレットモード)」となり、生成結果がドライブに記録されなくなります。Hな生成をしたい人向けではなく(そもそも無理)、個人の写真などが記録されないようにしたい需要かなと思います。


さて、「NewChat」を選んで新たにチャットを始めましょう。今度はこちらの指示をしてみます。


指示「白い背景を、コンビニの前に変更して。女の子は地面に座っている。」


指示「セブンイレブンはよくない…架空のコンビニにして。」

このように、背景変化も自然に行うことができました。コンビニの名前も自分で考え、英語で正確に描写できています。一方、日本語生成は全然ダメなようで、このあたりはchatGPTに軍配が上がるところかなと思います。


検証2.ストーリーボード作成

次はストーリーボードの検証です。Gemini2.0Flashでも、1枚のキャラクター画像から連続したストーリーを考え、連作イラストにすることはできました。画風の維持はさほど得意ではなかったために、漫画制作など通常の作品作りには活かしにくかった印象がありますが、2.5ではどうなったか試してみましょう。


ミナちゃんが座っている最初のイラストを読み込ませ、下記のように指示します。


指示「この女の子の普段の日常を、計7枚のビジュアルストーリーにして。」

(うまくいかないときは"Create a visual story depicting this girl's everyday life using a total of 7 images."を使ってみて下さい)

この生成結果はかなり驚きました。2.0Flash Experimentalでもこうした連続画像の一括指示はできたのですが、こちらはかなり一貫性が保たれており、このような7枚を一気にストーリー文章つきで生成してきました。


朝、目覚まし時計が鳴り、少し眠そうな表情でベッドから起き上がります。

登校中、お気に入りの音楽を聴きながら、バス停でバスを待ちます。

高校では友達とおしゃべりしたり、授業を受けたり。

放課後は図書館で勉強したり、本を読んだりして過ごします。

自宅に帰って、自分で夕食を作ります。


ができた後は(原文ママ)、リビングでくつろぎながら、テレビを見たり、本を読んだり。


(説明文なし)


というわけで、最後のほうはやや文章が怪しかったり、1枚目とほぼ同じ画像が生成されてしまったりしていますが、ちゃんと7枚、ストーリーを感じさせる連作ができました。


もちろん、細かく見ていくとおかしいところはいくつかあります。例えば、ソファで本を読んでいるイラストではローテーブルが足の上に描かれていますし、ベッドのイラストでは目覚まし時計が2時を指していたりします。とはいえ、たったこれだけの指示でここまで意図を汲んだイラストを連作できたのはびっくりです。ヘッドホンをしているキャラクターであることを汲んで、「音楽を聴きながら登校してそうだな」とか「ベッドやキッチンでは外すだろう」というところを想像してくれているのも、非常に高性能に感じます。


検証3.イラストの線画抽出

キャラクターの画風や容姿を維持しつつ、ポーズや背景を変更できることは分かったので、スタイル変更も試していきましょう。まずは定番の線画化から。


指示「線画にして」(英語なら:Convert to line art.)


これは定番の指示ですので、問題なくできました。


どれくらいの精度で線画化できているかチェックしてみましょう。ClipStudioの「輝度を透明度に変換」機能を使って透過し、レイヤーカラー機能で赤くしてみます。


元画像と重ねるとこのような感じ。


アップにしてみると、わずかに目の輪郭部分などにズレが確認できますが、おおむね正確に線画化できているようです。


検証4.線画の着色

今度は、さきほど得られた線画を入力して着色してもらいます。読み込ませたミナちゃんのカラー画像に引っ張られないよう、新たなチャットを開いて、次のように指示しました。


指示「この線画を着色して。背景は白、セーラー服は白、襟はピンクで眼鏡は緑、髪の毛は金髪。スカートは黒。バッグは黄色。髪留めはオレンジ。セーターはグレー。」


色を指示していない瞳やバッグ、靴などはなんとなく自分で判断して塗ってくれたようです。髪の毛の丸いハイライト部分はよく分からなかったようで、そのままになっていますね。セーラー服とセーターの境目は間違えてしまいました。


まだちょっと下塗り感の強い状態に見えましたので、さらに書き込みが増やせるか試します。


指示「これをベースカラーとして、もっと描き込んだ完成イラストにして。」

こちらはあまり差が分かりませんでした。影がついたくらいでしょうか。


今度はこちらの線画を着色してみます。


このような感じになりました。「塗り」についてはかなり元モデルの画風が前面に出てくるようですね。



線画着色については通常のローカル画像生成でそれぞれの好みのモデルがあるでしょうから、普通にControlnetなどで着色した方が理想に近いものを出せるかなと思います。下図はいつものillustrious系モデルで、Anytest v3を使用して線画を保持してカラー化したもの。PPは「1girl,black hair,blue eyes」。線画は上とほぼ同じですが、塗りだけで画風の印象は大きく変わります。


検証5.ラフの線画化

次はラフの線画化を試してみます。以前別の記事で使用した、こちらのラフを与えてみました。


指示「このラフを線画化して」

ここで、このように文字回答のみで線画化してくれない現象が起こりました(初日の実践ではこれが初めて)。Gemini2.5Flash imageではときどきこうした「短答だけして画像生成をサボる」現象がみられます。


体感ではプロンプトが日本語だったり、シンプルだったりすると比較的起こりやすいようで、こうなってしまったらこちらの「Rerun this turn(再生成)」ボタンを押しても、たいてい同じ結果になります。無料分のトークンを無駄に消費してしまうため、連打しないようにしましょう。

こういうときはペンの形をしたボタンでプロンプトを書き直し、Google翻訳などで英語に変換して指示し直したほうが安定します。「実行して」などと再指示すると生成してくれることもありましたが、成功率は体感5割くらいかな…。語尾に「Start image generation」などと入れるとやや成功率が上がりますが、完璧ではなかったです。


ここでは、このようにプロンプトを長く書き直すとちゃんと生成してくれました。


指示「これはセーラー服を着た女の子のラフ画です。これを線画にしてください。」


なんて低レベルな線画なんだ!と言いたいところですが、低レベルなのは私のラフですね…。とりあえず線をちゃんと拾ってくれているので、よしとしましょう。こちらも普段のモデルで image2imageしてしまったほうが思ったものに近くできそうです。


検証6.複数画像による指示

ここからは、複数の画像指示を行っていきます。これまでにアップした画像を再び使いたい場合は、こちらの「+」ボタンから「MyDrive▶最近」で読み込むことができます。新たにアップロードする場合は「UploadFile」で複数選択すればOKです。


今回はこのように、2枚の画像の合成を試してみます。



指示「1枚目のイラストの中に、2枚目のぬいぐるみを合成して。」



指示「1枚目の女の子が、2枚目のぬいぐるみを持っているイラスト」

うまくいきました。ただ、テーブルの上にやや謎のオブジェクトが増えたので、あとから指示して消す必要がありそうです。


次はこの2枚を読み込ませて、任意のイラストが作れるか試してみます。まずは、商店街で二人がバトルしている画像を作ってみましょう。

縦長の画像二枚を入力すると、できる画像も縦長になってしまいますので、上の画像のように結合して1枚の画像として読み込ませました。こちらのフォトコンバインさんを使うと非常に楽に結合できます。

https://photocombine.net/cb/


日本語「この二人のキャラクターが商店街で白熱したバトルを繰り広げている画像を生成して。通行人が驚いた表情を浮かべている。片方がジャンプキックを仕掛け、もう片方がそれをガードしている」

指示した通りになりましたが、ちょっとガードしている位置がおかしいのと、キャラクターの容姿もいまいちなような気がします。今度は英語翻訳したプロンプトで同じことをしてみます。


指示「Generate an image of these two characters engaged in a heated battle in a shopping district. Passersby have shocked looks on their faces. One character is launching a jump kick while the other blocks it.」

構図はほぼ同じですが、こちらの方がやや高品質に見えますね。格ゲー風にするとどうでしょうか。


指示「Fighting game screen. Generate an image of two characters engaged in a heated battle in a shopping district. One character launches a jump kick while the other blocks it. A health gauge and remaining time are displayed at the top of the screen, and a super combo gauge is displayed at the bottom. Hit effects are also displayed.」

いろいろ細部がおかしいですが、割と理解してくれました。もうちょっと詳しくしてみます。


指示「Fighting game screen. Generate an image of two characters engaged in a heated battle in a shopping district. One launches a jump kick, while the other blocks it. On the left is a character with glasses, and on the right is a character with thick eyebrows and a sweater. At the top of the screen are a health gauge, character face icon, and remaining time display, and at the bottom is a super combo gauge. The name displayed for the character on the left is "MINA," and the name displayed for the character on the right is "AYAKA." Hit effects are also drawn.」

(格闘ゲーム画面。この二人のキャラクターが商店街で白熱したバトルを繰り広げている画像を生成して。片方がジャンプキックを仕掛け、もう片方がそれをガードしている。左側に眼鏡のキャラクター、右側にセーターを着た眉の太めなキャラクターー。画面上部に体力ゲージやキャラクターの顔のアイコン、残り時間表示、画面下部にスーパーコンボゲージ。左のキャラの名前表示は「MINA」、右のキャラの名前表示は「AYAKA」。ヒットしたエフェクトも描画されている)

文字のレンダリングは指定通りにできましたが、顔のアイコンは混じってしまいましたね。このあたりはガチャでなんとかなるかもしれませんが、実力はこのあたりだということが伝わればよいかなと思います。(過度の期待は禁物)



今度はこの2枚を読み込ませて、このように指示してみました。


ところが、生成結果はこのようになってしまいました。


何度かプロンプトを工夫してガチャしてみましたが、あまり結果は変わりませんでした。


指示「1枚目の画像を着色してください。色見本として、2枚目の画像を参照してください。」


指示「ポーズが変わってしまっているので、ラフに忠実にしてください。」


色々試してみて分かったのは、画面奥の手が遠近法で小さくなっていることが理解されにくかったということと、2枚以上の画像を入力した場合、普段ほどの任意性は発揮できなくなるということでした。例えば、以下のように1枚だけの画像を渡すと、破綻なく塗ることができています。


指示「このラフ画像を着色してください。女の子は左右に手を伸ばしています。足は曲げています。遠近法で、奥の手は小さく描かれています。」


しかし、これを三面図のキャラクターの色に変更するよう後から指示しても、うまくできませんでした。このあたりはまだまだ「魔法の杖」ではないというか、あまり期待しすぎるとがっかりしてしまうポイントかなと思います。



検証7.実写背景との合成

今度は、実写背景の中にキャラクターを溶け込ませられるかを試してみます。こちらの、旅行先で私が撮影した海辺の写真を使用してみます。


指示「2枚目の画像の女の子を1枚目の海辺の写真に合成して。女の子は楽しそうに手を広げている。」

足元の反射も含めてかなり自然な合成ができていますね。海の写真部分の変容も最低限で、勝手な「描き直し」はされていません。バッグの裏べっちゃべちゃになってそう。


ここでも、合成すべき海の画像が横長だったのに対し、生成結果は勝手に縦長にトリミングされています。ぱっと見では全く分かりませんが、ミナちゃんの足元あたりから下は元写真にはない、新たに拡張・生成されたものです。「横長のキャンバスで」などといろいろ指示してみたのですが、少なくともPreview版ではプロンプトでのキャンバスサイズ変更はうまくできないようでした。

どうも最後に渡した画像のアスペクト比が優先されているように見えるので、こういうときは、入力画像の順番やトリムサイズに気を付ける必要がありそうです。


海の写真ではそのほか、時間帯などの変化も試してみました。


指示「夕方にして」



指示「女の子ははだしになって、カメラに背を向け、画面奥に向かって全速力で走って行く。」


指示:この女の子が、海水でべっちゃべちゃになったバッグの裏を見て「うげぇ…」という表情をしている画像を生成して。

かなり良い感じですね!


検証8.消しゴムマジック

今度はこちらの歩道橋の写真を使って、任意のオブジェクトを消す「消しゴムマジック」をしてみます。通常、こうした作業は消したいものを手動でマスクする必要がありますが、自然言語指示で意図を汲んでくれるか試してみます。


指示「男性を消して」

お見事…といいたいところですが、元画像とよく見比べるとなぜか画面右側にあった信号が消えてしまっています。GIF動画にして比較してみると、微妙にズームインしていることも分かりました。こうした変化はかなり怖いところですので、ちゃんとうまくいったかは人間が目視でしっかりチェックする必要があります。


指示「男性だけでなく、信号が消えてしまいました。人物だけを消してください。」

再注文すると、無事消したいところだけを編集できました。


今度は、さきほど作った三面図と歩道橋の写真を同時に与えて合成してみます。


指示「1枚目の画像の歩道橋の上を、2枚目の画像の女の子が歩いている画像を生成して。女の子は笑顔で、空を見上げています。」

うまく溶け込んではいますが、やはり最後に渡した縦長のイラストのアスペクト比が優先されたようです。入力する前後を入れ替えてもいいのですが、ここではこのように黒い余白部分を含めた横長のスクリーンショットを撮影することで、むりやり入力画像を横長にしてやり直してみました。


指示「2枚目の画像を加工して、1枚目の画像の女の子が歩道橋の上に立っている画像を生成して。」

このようにすると、意図しないトリミングを避けることができました。やはり、横型と縦型の画像を一緒に与えると、こうした無理なトリミングが起こりやすいようです。


ただ、生成範囲が小さすぎてキャラクターの品質は大きく下がってしまっていますね。このあたりは画像生成の仕組み上しょうがないところですので、普段のモデルでimage2imageしたり、ADetailerしたりといった手間が必要になるポイントかなと思います。

                ▲妖怪?


検証9.写真を漫画調・アニメ調に変換

では、さきほど人物を消した歩道橋の写真を漫画調に変換してみます。



指示「白黒の漫画調にして。」


指示「集中線はいらないので消して」


指示「俯瞰にして」

よく見るといろいろおかしくはあるのですが、このレベルの画像が十数秒でぽんぽん出てくるのは驚きますね。「八千代橋」の文字なども比較的きれいに残せていますし、元写真になかった部分の標識もそれらしく補えています。


今度は、漫画風にした一つ前の画像に着色させてみます。

指示「着色して、美しいアニメ調にして。青空、昼」

だいぶ写真感をなくすことができました。これをimage2imageするなど、いろいろと使い道がありそうですね。文字部分はどうしても変容が見えますので、ある程度人力による手直しが必要そうです。信号の色や標識の通りの色なども、我々の見慣れたものとは違いが見えます。


ちなみに、最初の写真をストレートに「アニメ調にして」だと、このようなのっぺりした感じになってしまいました。ガチャすると違うのかもしれませんが、ちょっとリアルさが残りすぎかなという感じがしますね。


普段のAIイラストで困ってしまうのが、機械や建物、車内風景といった無機物のイラスト生成です。キャラクターと違って細部がおかしいと不自然さが目立ってしまうんですよね。こうした任意の線画化・漫画化・イラスト風着色が容易にできるようになると、正確性を保ったまま、さまざまな小物や背景を活用できるようになりそうです。


検証10.カメラ角度の変更

今度は、こちらのリビングのイラストを加工してみます。


指示「夜にして」

これはちょっと驚いた変化です。ごくシンプルな指示をしたら、もともとの画像にないランプを持ち出してきて、明るく照らす工夫をしてきました。余計なお世話とも取れますし、気が利いているとも取れそう。


さきほどは「俯瞰にして」と指示してみましたが、今度は定番の回転系の指示を試してみます。


指示「横方向に回転させて」


「角度を変えて。ななめ45度からのショットにして。」

これは今回一番驚いたかもしれません。ピアノの配置などは間違っているんですが、かなりそれらしい。これまでは動画生成モデルを持ち出さないとこうした変化はなかなかできなかったんですが、15秒程度でこんなのが一発生成できるとは思いませんでした。


さらに、「もっと」と指示すると、このような感じにカメラが引いてしまいました。

より正確に、安定して指示するためのプロンプトを探ってみました。


指示「Rotate 45 degrees to the right」


こうすると、カメラをティルトする(傾ける)意味に取られてしまいました。英語力が足りない…。どう指示したらいいか困ったときは、そのままGeminiに聞いてみると教えてくれます。


指示「Rotate the image horizontally.」

おいおい、言ってることが違うじゃないか。これはこれですごいけど…。別の言い回しを試してみます。


指示「spin the room」

今度は横回転ではなく90度倒れてしまいました。先ほど日本語指示でうまくいった「角度を変えて」系を試してみます。


指示「Change the angle. Rotate it 45 degrees horizontally to the right.」

こうするとややうまくいきましたが、回転度合いは20度くらいに見えますね。


指示「camera rotate」

これはなかなかよさそう。「左方向に」と指示してみます。


指示「camera rotate to the left 45 degrees.」

これは割と安定したプロンプトのようですね。このような感じで、プロンプトによってかなり効きが違うので、ある程度試行回数を重ねると使い方が分かってくるような気がします。


人物でも試してみましたが…


このようにちゃんと横回転できました。


一貫性を保ったまま別角度の背景が生成できると、特に同じ舞台で進行する漫画では非常に助かります。以前、こちらの特集で動画生成AI(当時はKling)を使って画角変化を試したことがありました。


このような感じで、一貫性はばっちり保てるのですが、ちょっとした漫画の背景に使うにはやや手間と生成時間の掛かる作業でした。今ではWan2.2などでローカルでもこうしたことは可能かと思いますが、Gemini2.5Flash imageの場合は気軽さが段違いですね。


・うまくいかないことも…

ただ、さすがのnano bananaもそこまで万能なわけではなく、失敗もそれなりにありました。上の動画と同じ画像を使って「45度回転させて」「ベッドを正面から捉えたショットにして」「角度を変えた画像を4枚生成して」などとあれこれ頼んでみましたが、「はい、画像を生成します」とだけ答えて何もしなかったり、ほとんどカメラ位置が動いていない画像を生成したりすることも多かったです。

             ▲失敗例① 全く同じ


             ▲失敗例② 左下は惜しいかな…


うまくハマったときはかなりすごいのですが、自然言語ゆえの揺らぎや誤解などもあるようで、あと少しでツールとして完璧に使えるところまで来そう…というのが正直な感想。AdobeFireflyと連携することが既に発表されていますし、恐らく、いずれはPhotoshopの中身として統合されていく流れなのでしょう。iphoneも中身がGeminiになるそうですし、画像生成系は「Google独り勝ち」の様相を呈してきていますね。


回転以外に、存在しない「続き」を描いてもらうこともできました。


指示「これは寝室を斜めから描いたイラストです。カメラが左方向に移動します。」

これは、カメラを回転させるのではなく、そのまま一歩左側にずらしたものです。画面外からテレビが登場し、もともとあったティッシュの置かれたサイドテーブルが見切れました。一貫性が保たれており、アウトペイントのような処理が行われたものと思います。


カメラ操作についてはごく基本的なところなので、遠からず安定したプロンプト指示のやり方が分かってくるでしょう。


検証11.2コマ漫画生成

次のテストは、ChatGPT4oの得意技であるところの漫画生成です。こちらは、4oがデビューしたてのときにできたGPT漫画。これと同じことができるかどうか試しました。



指示:この女の子(※ミナちゃんの画像を入力)を使った漫画を画像生成して。1コマ目「野球場。スーツ姿のおっさんが無数にグラウンド内にいる。バットを持ったりグラブを着けたりしている」2コマ目「それを金網の外から眺める通りすがりの女の子。汗をたらりと垂らして、横に心の声「全員野球…!」」

というわけで、実力的には4oとさほど変わらない結果となりました。もちろん、ミナちゃんの一貫性についてはやはりnano bananaに軍配が上がりますが、漫画全体の印象としてはそこまで卓越した性能は感じられません。どちらかというとこれはLLM部分の理解力に差が出たようにも感じますね。特に、日本語生成についてはやはりまだまだといった感じで、4oの生成する日本語より読みにくい感じになってしまいました。


漫画生成についてはまだ深く試したわけではないので一概には言えませんが、ファーストインプレッションとしては「そこまですごくない」というのが正直なところ。ただ、1コマずつ生成させるのであれば、一貫性を保って任意の変化をさせられるnano bananaは強い味方になると思われます。


検証12.POSEMANIACSでポーズ指定(2025/08/28追加)

複数画像参照で、キャラクターの一貫性を保持しつつ複雑なポーズを取らせることができるかを検証しました。SNSでは簡単に描いた「棒人間」でポーズ指示する例を見掛けますが、ここではより人体解剖学的に美しいポーズを取らせることができるか、おなじみ「ポーズマニアックス」さんのポーズモデルを使わせて頂き、実験してみることにします。


ポーズマニアックスさんではこのように、さまざまなポーズを取った男女別の人体3Dモデルを閲覧・利用することができます。今回はこちらのバレエのポージングを参照することにしました。


ちなみに、画像生成AIでの使用許可を出してくださっていますので、安心してポーズ参照に使うことができます。(フェイクニュースやポルノ、既存のアーティストのコピー、手書きコミュニティの侮辱などに使わない限り)


この2枚を使用します。一度「このセーラー服の女の子を1枚目のバレエのポーズにして。」と指示しましたが、「はい、画像生成します」とだけ答えて「実行して」「生成して」などと促してもダメだったので、英語で指示し直しています。


指示「Put this sailor-suited girl in the first ballet pose.」

きれいなポーズができましたが、人体モデルのポーズとは全く違う「バレエのポーズ」になっています。それなのに、背景や足元の影は元画像を参照しており、ちぐはぐな感じに仕上がっていますね。修正を指示してみます。


指示「Fix the pose since it differs from the image. Shadows and backgrounds are unnecessary. Use a white background. Have the subject look at the camera.」(ポーズが画像と違うので直して。影や背景は不要です。白い背景にして。視線はカメラを見て)

影の消去と「こちらを見る」はできましたが、やはりポーズは違ってしまいました。ポーズの詳細を詳しく言語指示したほうがよいと考え、次のような指示をしました。


指示「最初にアップした人体模型の画像のアノテーションを作って。詳しくどういうポーズを取っているか、左右も含めて書き出して。」


このように、手足の左右などが詳しく書き出されました。これを使って再度最初の生成をやり直してもらいます。


指示「Using the current annotation, make this sailor-suited girl strike the first ballet pose.」(今のアノテーションを使って、このセーラー服の女の子を1枚目のバレエのポーズにして※最初と同じ2枚を再添付)

うーん、それでもまったく違う感じになってしまいました。「バレエのポーズ」という指示の印象が強すぎて、もともとモデルが知っているポワントのポーズに変更されてしまうのでしょうか。キャラクターの一貫性は文句なくすばらしいのですが、複雑なポーズを正確に取らせるのはまだ難しいのかもしれません。こちらは「全然違ってるから最初からやり直して」と指示して出てきたもの。どれも本当に素晴らしいポーズ…!指示したのと違うけど…!

今度はアイドル風ポーズで試します。ミナちゃんの画像も三面図に変更してみました。


指示「Have the girl in the sailor uniform strike the exact same pose as the mannequin in the first image.」(セーラー服の女の子に、1枚目の画像の人体模型と全く同じポーズを取らせてください)

これはそこそこ似ましたね。ただ、アイドルというよりはなんだか歌舞伎のポーズみたいに見えます。


内部的には、ポーズ画像から「右足を曲げて右手を平手でカメラに伸ばし、もう左手は上にあげて振っている」などとアノテーションをテキスト抽出して、その情報を元にポージングしているのではないかと感じる生成結果です。画像としてそのままポーズを引き写しているのではないため、細かな顔の向きや手のひらの方向などは抜け落ちています。SNSなどに投稿されている、棒人間やモデル画像を使ってポージングしている例を見ていても、おおむねそのような感じですね。


この「正確性はないが美しく一貫性のあるポーズ参照機能」の使い道を考えてみますと、絶対にそのポーズでなくてもよい場面で、「イメージはこういう感じ」とふんわり伝えたいときに使うのが良いのではないかと思います。ポーズの正確性が必要ないなら、ポーズマニアックスさんから引用させていただかなくても、それこそおおまかなラフや棒人間で指示する(ControlnetでいうScribble)か、文字情報としてプロンプト指示するのがよいのでしょう。


検証13.LoRA用画像バリエーション

「ストーリーボード作成」で7枚連続生成ができることが分かりましたので、キャラクターLoRAを作るための画像バリエーションもこれで作れるのではないかと考えました。


こちらの鬼怒川さんの画像を使って、白背景のさまざまなポージング画像を生成してもらおうと思います。


最初は「Please create three-view drawings for this character.」で三面図を作ってもらったのですが、このような感じでどうも画風が違っているように見えました。

鬼怒川さんは難しいキャラクターで、赤い眼鏡とかアホ毛とか記号的なものがほとんどないため、目のデザインや顔立ちのバランスが違うと別キャラに見えてしまいます。このままでビジュアルストーリーを作らせても全然違うものができてしまうことは目に見えていたので、次のように詳しいプロンプトを組んで生成してみました。


指示「Create a visual story depicting this girl's everyday life using a total of 7 images. Please use a white background for all images. The coffee cup is not required. Strictly adhere to the art style, especially the facial features and the distinctive eye design—do not alter them in any way.」(この女の子の普段の日常を、計7枚のビジュアルストーリーにして。背景は全て白にしてください。コーヒーカップは不要です。画風を厳格に守り、特に顔立ちや特徴的な瞳のデザインは一切変えないで下さい)







これはかなり上手にできていると思います。最後の一枚、組んだ指がきちんとしていて衝撃的ですね。


私から見るとまだちょっと違う(特に、正面ではなく角度がついたときの前髪のニュアンスが間違っている)のですが、それは元画像が一枚しかなく立体的な情報が得られなかったからで、元画像との一貫性は取れているように見えます。また、元画像がきちんとアップスケールしていない1408x1024pxの画像だったために、その低劣さまで継承している感じがします。


よく彼女の特徴を捉えた高品質な数枚を用意してテストを繰り返せば、よりよいデータセットが組めるはずです。そちらについては独立した別の特集でトライしてみたいと思います。LoRA作りも次世代に突入するかもしれませんね。


検証14.破綻した手の修正

鬼怒川さんのビジュアルストーリーを作ってもらったところ、非常に難しい組んだ手(interlocked hands)をきれいに描写できているのに気付いたので、破綻した手をインペイント的に修正できるのではないかと考えました。


指示「このキャラクターの左手をきれいに描き直してください。手以外の部分は変更しないでください。start image generation.」

おっと、意外にnanobananaくんでも六本指を出してきました。マニキュアもちょっと攻撃的すぎますね。また、このイラストはdoorwayなのですが、あまりに簡単すぎて意味不明なので、ドアも直してもらいたいところ。次のように指示します。


指示「六本指になっているので直して下さい。マニキュアは不要です。彼女はドアを開いて、ドアノブを握っています。ドアと手以外は変更しないでください。start image generation.」

手は周辺の荒々しいタッチと整合性がとれたかたちで修正されました。ただ、この角度だとどうしてもドアノブを握っているようには描けないようですね。


指示「この画像を加工して、女性キャラクターがドアノブを握ってドアを開いているイラストにしてください。ドアと手以外は極力変更しないようにお願いします。start image generation.」

全体が描き直されたので一貫性はやや落ちましたが、だいぶまともになりました。ただ、ドアの構造はやはりおかしいですね。入力画像があまりに雑なのが原因ですが、

ガチャすればある程度まともに見えるものが出せるかもしれません。


他にもいくつか破綻した手のイラストで試してみましたが、スムーズに修正できるときとそうでないときがありました。特に、二人の手がからみ合っている「恋人つなぎ」はうまくできませんでした。ややランダム性があるので過度な期待は禁物ですが、ちょっとした修正や消しゴムマジック的な用途なら試してみる価値があると思います。



検証15.背景の削除・透過

こちらのイラストから背景部分を削除して真っ白にしたり、透過pngにしたりすることができるかを試しました。


指示「Please make the background transparent.」

テーブルは背景と見られなかったようですが、かなりきれいに抜き出すことができました。ただ、背景は要求した透過pngではなく、ただ白くなっただけのようです。


指示「テーブルも消して下さい。背景が白くなっただけですので、透過してください。」

アアッ!有名なヤツが出た!!


一瞬透明になったかと思いましたが、白と灰色の市松模様が出ただけでした。マルチモーダルモデル黎明期によくジョークとしてSNSで見掛けたやつ…。コーヒーも一部カットされてしまい、やや残念な結果になってしまいました。


公式の説明では、transparentな背景が生成できるとの記述があるので、text to imageだとうまくいくのかもしれませんが、しばらくあれこれ試したところではこのような結果となりました。引き続き、うまく透過する方法がないか試してみたいと思いますが、海外ユーザーからも「Googleの説明と違って背景透過ができない」という声が上がっているので、厳しいのかもしれません。(うまくできた方いらしたら教えてください)


検証16.画像内のテキスト編集

nano bananaは英語のテキストレンダリング(画像内に文字を生成すること)ができるのですが、日本語の生成はかなり苦手で、基本的にAI文字になるか、うまくいってもところどころ漢字がおかしかったり、文字抜けが起きたりしてしまうので、あまり実用的とは言いにくいようです。


例えば、ミナちゃんの画像を渡して以下のように指示します。


指示「この女の子が胸の前でプラカードを持っている画像を生成して。プラカードには日本語で「こんにちは!私の名前は更木ミナです♡」と書いてあります。文字はフォントではなく手描きで、女の子らしい可愛い文字です。start image generation.」

このような感じで、正確性はかなり低いと言わざるをえません。


ただ、さきほど歩道橋の画像編集をした際は「八千代橋」「新橋」といった写真内の文字をそこそこ再現できていましたし、俯瞰に変換しても文字を維持できていました。キャラの一貫性と同様、画像として入力された日本語であれば、文字でなくデザインとして認識するためか、あまり動かさずに保持することができるようです。


こちらの画像を読み込ませて、プラカードの中に、この文字列を合成するよう指示してみます。


指示「プラカードの中に、この文字列を合成して下さい。」


読み込ませた文字列の画像が横長だったため、横長で生成されてしまいましたが、文字列自体は合成することができました。ただ、なぜか「私の名前は」が抜けたりと、なかなか一発で思った通りにはいきませんね。これなら、画像編集ソフトで自分で打ち込んだ方がずっと早いし、思った通りのものができそうです。



・ウィンドウ除去とテキストだけ除去

nano bananaを使って、我々日本人にとって実用性のあるテキスト編集をするならどのような作業か考えてみます。まず一つめは、このようなイラスト上に重なっているオーバーレイ表示をきれいに除去するやり方。試してみると、一発できれいに消すことができました。

上の例ではイラスト部分以外をすべて消してもらいましたが、ウィンドウも残して文字だけを消せるかも試しました。


指示「日本語の文字だけを消してください。右上のオレンジのウィンドウや、画面下の白黒のウィンドウは消さず、イラスト部分もいっさい変更しないでください。」

おお、これはすごい!需要もある作業ですし、お見事ですね。

もう一つ、少し無茶ぶりな注文してみましょう。


指示「右上のオレンジのウィンドウと、画面下の白黒のウィンドウを、もっと本物のADVゲームのように優れたデザインにしてください。」

おお、これもできてしまいますか…。これが「優れたデザイン」かどうかは分かりませんが、Google公式説明によれば、もっと詳しくどんなモチーフでどんな欄があるか、色合いなども含めて細かくプロンプト指示するとクオリティが上がるようです。


・画像内の日本語を英訳する

ここまでは「引き算」方向のテキストレンダリングでしたが、「足し算」のほうはどうか気になります。nano bananaは英語のテキストレンダリングなら、さきほどコンビニの店名を変えられたようにかなり高性能にこなせるように見えます。そこで、上の画像のテキスト部分を日本語から英語に入れ替えられるか試しました。


指示「ゲーム画面の日本語の文字を読み取って、英訳してください。start image generation.」

画像生成はしてくれず、文字列の抽出確認だけをしてきました。「メイソルーム」となっているのは変ですが、きちんと伝えると直してくれました。


指示「MasonRoomでなくMainroomです。あとはOKですので、画像に合成してください。」


これは驚きました…。こんなこと、これまでできたモデルは聞いたことがありません。もしかすると、商業漫画の自動AI英訳ももうほとんどすぐそこまで来ているのではないかと感じさせられます。右上の文字色やシャドウ、テキストの16bit風フォントスタイルまで模倣できていますね。


びっくりして他の文字入り画像もいろいろと変換してもらいましたが、日本語テキスト部分が手書きだとかなり認識力は落ちるようで、そこまで完璧には行きませんでした。ただ、一般的なフォントの写植であれば非常にレベル高く読み取り・英訳し、吹き出しなどのサイズを踏まえておさまるべき位置に配置してくるので、さすが天下のGoogleだと舌を巻きました。


検証17.イラストのスタイルチェンジ

今度は、こちらのAIイラストをさまざまなスタイルにチェンジしてみます。プロンプト大辞典の画材の章などを参考に、線画から水彩画、アクリル画など、さまざまなスタイルにできるか試してみましょう。

スタイルチェンジには「Convert to 〇〇」のプロンプトがよく効くようです。


線画

指示「Convert to line art」


ラフ

指示「Convert to rough image.」


水彩画

指示「convert to watercolor illust.」



アクリル画

指示「convert to acrylic paint.」


エアブラシ

指示「convert to airbrush paint.」


非常に品質よく、また、それぞれの画材の違いがよく出た生成結果になりました。illustrious系などの人気の画像生成モデルは、こうした画材の多様性を犠牲にして一定のイラストスタイルにファインチューンされていますから、LoRAを駆使しないとなかなかここまでバリエーションに富んだスタイルチェンジは難しいのですね。


ただ、ひたすら「convert〇〇」のプロンプト指示だけを続けたため、劣化コピーのようになって少し瞳のハイライトなどが変化してきました。これはConvertする際に「一つ前の生成結果」を参照していたためと思われますので、ここからは、最初の入力画像を毎回しつこく読み込ませて変化させてみます(▼)


カラーインク

指示「Convert to color ink illust.」


クレヨン

指示「Convert to crayon paint.」


油絵

指示「Convert to oil painting.」


古写真風

指示「Convert to old photograph.」


実写風

指示「Convert to photo.」


フィギュア風

指示「Convert to character figure.」


子供の落書き風

指示「Convert childlike doodle style.」


全部できるじゃねえか!!


ということで、「Convert to 〇〇」で全部できてしまうようです…。ここまでの作例で最も強力に安定した結果となりました。画風だけでなく、「Convert Hatsune Miku Style」などの指示もそのまま効いてしまう(▼)ので、実在する特定作家の名前を使うと非常にトラブルフルです。Grokで「ジブリ風」のスタイルチェンジが流行したときも、大して似ていないのにも関わらずおおいにSNSは荒れたので、それぞれで自己防衛しましょう。

用途としては、ある1枚のイラストを再現したい画材にスタイル変化させ、その2枚の差分をCoppyLoRAにして「画材LoRA」を抽出するようなやり方が効果的であろうと思います。


・線画を守ってしまう?

ところで、「子どもの落書き風」と指示しても、タッチはそれらしくても線画部分が非常に卓越しているので、とても子どもの絵に見えませんね。「Convert to a doodle drawn by a 5-year-old」と指示して「5歳児が描いたみたいに」と強調しても、やはりタッチが荒々しくなるだけで線画はちゃんと守られます。(汗の位置も守られています)


これは、convertという単語がConrolnetでいうLineart的な動作と強く紐付いて判断されるためのようで、「もっと何が描かれているか分からないくらい崩して」と指示しても、結局線画部分は維持されてしまいます。(ちょっと怖いですね)


入力画像の線画から離れるためには、次のような工夫をするとよいようです。


指示「Generate an image of what this woman would look like if drawn by a 5-year-old.」(=この女性を5歳児が描いたらどうなるか画像生成して)


このように指示すると、Geiminiは「この絵を変換するのではなく、5歳児の絵にするんだ」ということがすんなり理解でき、線画から離れることができます。このように、入力画像と一貫性を完璧に保とうとするnano bananaの特性が逆に働いてしまうことがよくあるので、一貫性を失ってよいのだと分かる形でプロンプトを工夫するのが効果的なようです。



終わりに

というわけで、思いつく限りさまざまな画像編集を一挙に試してみました。1枚だけの画像を読み込ませる場合はかなりの一貫性がみられ、「別角度」を数十秒程度で推論するなど、かなりの高性能であることが実体験できました。特に、漫画調にしたり、さらに俯瞰図にしたりした生成例は、Xに投稿したところかなり驚く人が多かったように思います。


一方で、複数キャラクターを読み込ませた場合に一貫性が抜け落ちてしまったり、「生成します」と言って全然画像生成してくれなかったり、キャンバスの横縦指示が入力画像に引っ張られたりと、弱点のようなものも垣間見られた気がします。nano bananaくん(Gemini 2.5 flash imageよりこの方が呼びやすいですね)にはnano bananaくんなりの強み・弱みがあるようで、数週間後にリリースされるという正式版(安定板)ではこれがどのように変化するか、期待して待ちたいところです。


1枚絵からキャラクターLoRAを作るのもかなり簡単になりそうですし、こうした任意の変化が可能になると、目下流行中のWan2.2と組み合わせることでより思った通りのイラストが作れるのではないかと思います。開始フレームから一貫性を保った最終フレームを生成して、その間をWan2.2で推論すればよいわけですからね。引き続き、より実用的な使い方を検証しつつ、得られた知見は随時書き加えていきたいと思います。


それでは今回はこのへんで。スタジオ真榊でした。




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