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【7日で50P】AI漫画「奪妻契約」制作記 サンプルのコツから売り上げ報告まで

Published 02/01/2025, 07:36:01 PM · Edited 04/19/2026, 06:14:09 PM

【7日で50P】AI漫画「奪妻契約」制作記 サンプルのコツから売り上げ報告まで

こんばんは、スタジオ真榊です。画像生成AIを使って1週間で計50ページのNTR漫画を制作し、初めてFANZA/DLsiteで販売してみたところ、いずれも無事目標の本数を達成することができました。改めて、ご購入頂いた皆さま、丁寧なレビューをくださった皆さま、ありがとうございました。今回は、AI作品のウェブ販売をやってみて初めて分かったこと、制作の経緯や作業のあらましなどを、売り上げ報告を兼ねて2万5000文字の制作記としてまとめました。


   ≪本編の一部を含め、男性向けR-18の画像がありますのでご注意ください≫



自作LoRAやControlnet、LLMやインペイント機能などを併用した漫画の作り方については既に順次記事にしていますが、できたものをプラットフォーム上で販売開始するまでに、パッケージやサンプルの作り方やサークル登録のポイントなど、AI操作以外の部分でさまざまな発見や学びがありました。これから同じように漫画を公開してみたい方にとって役立つ内容になるよう、FANZAとDLsiteそれぞれの審査や売上報告と併せて、できるだけ詳しく振り返りたいと思います。


目次

1.二年前に挫折した企画の「リブート」

2.ストーリーの練り直し

3.制作期間

4.7日間の内訳と「テーマ」

5.承「起」転結

6.生成画像は1万枚超!実際の作業内容

  ・外出中に生成を済ませる

7.補稿・修正作業

  ・手描きネームを切るべきか?

  ・43ページ▶49ページ

  ・「人間ADetailer」

8.どこに公開する?

  ・専売と併売の違いは?

9.サムネイルやサンプル作りのポイント

  ・パッケージについて分かったこと

  ・サンプル画像について分かったこと

  ・完成したパッケージとサンプル

  ・サイズや形式に注意

  ・作品サムネイルとサークルアイコン

10.センシティブ修正を掛ける

  ・どれくらいの太さがいい?

11.値段設定・申請から販売まで

  ・キャンペーン割引参加のメリットは?

  ・DLsiteは5日間で発売

  ・FANZAは倍の審査期間(11日間)

  ・自動ポスト機能は便利?

  ・先にFANZAに登録したほうがいい?

12.売り上げ報告

13.販売後に寄せられた評価・レビュー

14.作品制作を通じて得られた知見

終わりに



1.二年前に挫折した企画の「リブート」

今回作った「奪妻契約」はそもそも、2年前にお蔵入りしたオリジナルNTR漫画「寝取られ妻のビフォーアフター」のリブート企画です。当時作ったものを読み返してみると、73ページもあるのに大変稚拙な出来でして…当時は画像生成AI黎明期だったということもありますが、ひとえに私のAI操作技術・創作力・編集能力が低かったということに尽きるかなと思います。


事実上もう世に出すことはなくなってしまったので、供養も兼ねて全ページをzip公開します。目の描写が溶けていたり、キャラクターの一貫性が保てていなかったりと、今となっては残念な出来ですが、どういうものをやりたかったかは伝わるのではないかなと思います。


振り返れば2022年12月、NovelAIがなんとか使えるようになってきた私は、「これで絵が描けない自分にもNTR漫画が作れるかも!」と喜んで早速トライしたのでした。当時の経緯についてはこちらの記事で触れていますが、結論から言えば73ページの駄作ができあがってしまい、「これはとても販売するわけにはいかない」ということで、今に至るまで死蔵することになってしまったわけです。

当時はLoRAどころかControlnetも存在せず、モデル自体の実力も黎明期だったため、プロンプトのみで各コマの登場人物の一貫性を保つのは無理がありました。連日夢中で画像を生成しては単純なコマ割りに並べていたのですが(すごく楽しかった)、結果的には漫画というよりは紙芝居かパワポのようなものになってしまい、「これは技術研究を先にしなければダメだ」と思い立って始めたのが、このスタジオ真榊FANBOXだったわけですね。


あれから2年たち、AI絵のレタッチをやっているうちに、いつの間にかスケッチブックが1冊埋まるくらいには手描き絵を楽しめるようになりましたし、二次創作ギャグまんがをやってるうちになんとなくコマ割りの基礎知識がつきました。モデル自体の実力向上とともに、LoRAやcontrolnetも充実してきたため、もういい加減「創作するには技術研究が足りない」とは言っていられない状況になっており、初志貫徹のけじめをつけるためにも、あらためて当時の企画に再挑戦することにしたわけです。


2.ストーリーの練り直し


リブートにあたって当時作ったものを見直したのですが、AI作画技術はともかくプロットやネーム自体が稚拙・冗長で、ほぼ全ボツに。当時はなかったChatGPT4oと壁打ちしながら、40~50ページ程度の漫画作品で表現可能なプロットを考え直すことにしました。2年前との違いは、ストーリーを考えるときに文字の脚本でなくコマ割りで考えられるようになったので、そのプロットだと何ページくらいかかるか事前に想像できるようになったことでしょうか。


前作は「小説家志望の妻が、高校時代密かに思いを寄せていた家庭教師と再会、しかも彼は大ファンだった小説家だった」という流れで、そんなことを全く知らない主人公がスマホのやりとりを盗み見てそれを悟っていく…というストーリーだったのですが、この設定ではともかく本格的なHシーンに至るまでが長い。長すぎる。お金を取ってひとにお見せするものとしてはいかがなものかと感じ、イチから作り直しました。


最初に思いついたのは、「主人公が小説家で、嫉妬をテーマに新作を書いているがどうしてもリアルな感覚が分からず、その感情を味わうために奥さんに既婚者用マッチングアプリに登録してもらう」というストーリー。最初は男性たちとの淫らなDMを見せてもらうだけで満足していたが、だんだんエスカレートして…というものでした。ボツにした前作と同様「ヒロインと知らない男とのLINEのやりとりを盗み見たい」というNTRファン心理(というか自分の願望)を満たすものを最初は考えていたんですね。


当時のGPTくんとのやりとりはこんな感じ。






「こういうのはどうかな」と提案すると、GPTくんは話を最後まで聞かず、非常にクリシェ(陳腐・ありきたり)なストーリーをすらすらと提案してくれます。もちろんそのまま採用はできないのですが、そのつまらなさがそのまま自分が提案したプロットの欠点として伝わってくるので、つまらない要素をそぎ落とすのに大変役に立ちました。






「こんなストーリーはどうでしょう!」とGPTくんが出してくれるクリシェを読んでみて、面白くする改善案が思いつかない場合、そのアイデア自体が袋小路になっている可能性が高いので、早めに軌道修正できるのがありがたかったです。やりとりをしていくうちに、やっぱりこのストーリーだとどうやっても「ヒロインがただの浮気性に見える」「導入部にページと作画カロリーが掛かりすぎる」ことが分かってきました。



「エロシーンにすぐ入る必要があり、キャラ紹介やストーリー説明部分はできるだけ短くなくてはならないのに、NTRのじりじりした焦燥感は成立させたい」…という条件を満たすストーリーはなかなか難しいものです。ただ、こういうやりとりの間にも、採用できるアイデアはいくつか思いつきました。





上のアイデアは、このような形で最終作品に残りました。GPTくんが提案したわけではなく、AIとのやりとりの中で自分で思いついたものですが、AIと壁打ちしていなければこのページはなかったわけです。壁打ちは非常にアイデアを思いつきやすい状態に自分を置けるので、0から1を生み出すのには非常に優れた手法だと感じます。


ちょっと脱線しますが、AI漫画と手描き漫画の違いは、こういう「1枚絵やぶち抜き、扉絵の作業カロリーが低い」こと。手描き漫画はむしろキャラが簡略化されたストーリーコマの方が簡単で、たくさん描き込まないといけない魅せゴマの方に時間がかかるわけですが、AI漫画の場合それが真逆で、むしろ人物が大きく映り、背景も細かく描かれる魅せゴマの方が作業工程が少ないわけです。

つまり、リッチな1枚絵や人物が背景付きでどーんと描かれたページを多めに入れられるのがAI漫画の利点なのですが、やりすぎると引き延ばし(ページ数の水増し)になってしまうし、逆にあっという間に読み飛ばせてしまって、同じ枚数でもボリューム感がなく感じる漫画になってしまいます。このあたりの加減がなかなか難しいなと感じました。


さて、「嫉妬を体験したい小説家」プロットは導入までが長いのと、「旦那の勧め通り特に理由なくさらっと浮気してしまう妻」という感じで背徳感がなくなってしまうこと、「竿役を睨みながら卑猥な要求に応じているヒロイン」という個人的に好きなシチュエーションがやりにくいことに気づき、結局ボツに。もっとシンプル化して「ゲス上司に弱みを握られて妻を差し出す」という形に落着しました。


ちなみにこれが「なぜヒロインが寝取られるかを、ストーリー上のメリデメと一緒に考えて」と尋ねたときのGPT4oの回答です。


1. 高校時代に憧れていた先輩が相手だった(過去の未練を活用)

2. 催眠や洗脳(コントロールの喪失)

3. お酒や薬物の影響(曖昧な記憶と罪悪感)

4. 夫を試す気持ちが裏目に出た(綾香の内面ドラマ)

5. 綾香が夫のために犠牲になる(愛情が裏目に出る展開)

6. 綾香が「心の弱さ」を抱えていた(夫婦の隙間を描く)


どれもクリシェですが、エロ漫画の導入はその方がずっと良いようです。時代劇のようなもので、あまりオリジナリティや奇抜さを求める必要はなく、長いR-18の歴史の中で愛されてきた(逆に言えば手垢がついた)シチュエーションの中から組み合わせる程度のほうが読みやすい作品になる…という風に考えるようになりました。オリジナリティを出すならエロシーンの方で、ということですね。


上の6つのクリシェの中から、「5.夫のための犠牲」をベースに、「3.薬物」を補強材料として使うことで、「なんぼなんでもこんなおっさんに幼馴染元気娘がなびかないだろ」となりがちな違和感を弱めることにしました。


ここで重要なのは、「エモ」や心理描写が重要なキャラクター二次創作と違って、エロはともかく読者にとって都合がよくないといけないということです。トンデモ展開だったとしてもホスピタリティが優先されるので、「そうはならんやろ」となる強引な展開でも、ともかくポンポン話が進むように心がけました。


今回の作品は、寝取られジャンルの分類では、「寝取らせからの寝取られ」と言えるジャンルです。ヒロインが主人公同意のもとで貸し出されているうち、次第に本気になってしまうタイプのものですね。「寝取られは不本意・不意だから良い」と感じるファンは多く、主人公がある程度同意している寝取らせやスワップ要素が少しでも入ると嫌いな人もいるかと思いますが、まずはこだわりすぎるより「必ず完成させられるもの」であることを優先してストーリーラインを作りました。


          ▲話の分かるGPTくん。たまに正気に戻るけど



自分は名作NTR漫画「彼女のスマホを覗いただけなのに」のように、デバイスを通じてパートナーの不貞を知ってしまうじりじりしたシチュエーションが大好きで、「寝取られ妻のビフォーアフター」でも似たシチュエーションに挑戦していました。今回はストーリーの都合上、あそこまでじっくりはできませんでしたが、LINEやSNSで間接的に状況を知るというエッセンスだけは残すことにしました。

今作の主人公は自分から妻を差し出しているので、「いつの間にか」「まさか」という演出ができません。このシチュエーションについては次回作以降の課題かなと思っています。



3.制作期間

そんなわけで、ChatGPTとのやりとりでストーリーの大枠が固まり、制作開始したのは1月7日のこと。「寝取られ妻のビフォーアフター」はNovelAIでもキャラの一貫性を保てるよう、左右対称で没個性的な「冒険していない」キャラクターデザインを強いられていたので、今回は趣味全開で好きなキャラクター作りをプロフィール設定から始めることにしました。(詳しい考え方や手順はこちらの記事で紹介しています)


GPTくんとのやりとりは移動時間中にスマホで行ったので、プロット決定にかけた時間はだいたい半日というところ。実際にコマ割りを作り始めてから完成(作品登録)まで、制作期間はちょうど1週間でした。


最後に成人の日の三連休がありましたし、昼間フルタイムの仕事をしながら主に家族が寝た午後10時~午前3時半ごろまでを主な作業時間としていたので、これを単純に「1週間で49ページできた」と言っていいかは少し悩むところですが、何はともあれ1月7日に思い立って14日に作業終了したのは確か。外出中も必要なLoRA学習や画像の大量生成を回しておくグラボフル回転状態でベストタイムをたたき出した感がありますが、連日寝不足だったので、体力的にはかなり消耗しました。

       ▲50ページのために生成した画像はヒロインだけで8641枚


4.7日間の内訳と「テーマ」

7日間をどのような作業で進めたかというと、最初の1日はヒロインのLoRA作りから初めて、昼間スマホでプロットをさくっと決め、夜いきなり1ページ目からどんどん作っていきました。2日目以降は昼間PCに画像生成をさせておき、家族が寝たらコマ割りを作って並べていく…という作業の繰り返し。進めていくうちに「主人公と竿役のLoRAもあったほうがいいな」と感じ、2日目にLoRAを追加で作りました。


ヒロイン・主人公・上司のLoRAについては、それぞれ数十枚の設定画をまずAI生成して、容姿を追加学習させました。データセットの準備と学習に掛かった時間はヒロイン数時間、主人公20分、上司30分という感じ。


「おじさんLoRA」の記事でも触れていますが、ネームが具体化もしていないのにいきなりヒロインのLoRAから作り始めてしまったため、ストーリー上一貫性が必要なコート姿やメイド服を学習できず、非効率的になってしまいました。本当は、先にもっとネームを具体化させて、登場する服装を固めておく必要があったわけです。(制作期間を更に縮めるならここかと思います)


私は水星の魔女やアウラちゃんが好きなので、Xにぼちぼち投稿してきた短編の二次創作漫画でコマ割りについては多少体験していましたが、10ページを大きく超えるしっかりした漫画はほぼ初めて。しかも今回は、49ページのネームを先にノートなどに描いていたわけではなく、「手元にある生成画像を俯瞰して、その場でコマ割りをリアルタイムに1pずつ決めていく」という特殊な方法で進めていきました。(なぜこういう形式にしたかについては、あとで詳しく振り返ります)


それともう一つ、「寝取られ妻のビフォーアフター」の失敗を踏まえて「まず最終ページまで作らないと絶対に頓挫する」ということも念頭にありました。


AI漫画は作っている途中で「指の数が多い」「ボタンの位置が違う」「服の色が違う」といったミスが頻出します。これを気付いた時点で直し始めてしまうと、いつまでたっても最終ページにたどり着けず、心が折れてしまいがち。時間を掛けて直したコマを、あとから「やっぱり違う展開にしよう」となってボツらざるを得なくなることもありますので、そうなると作業時間がまるまるムダになります。これは絶対に避けなくてはならないポイントです。


間違いだらけでいいので、「まずは終幕までたどり着くことを何よりも優先し、通して読んでみて足りないところを補った上で、最後に一斉修正する」という方法で進めることにしました。つまり、AI絵をコマ割りに並べてみる行為が、今作のネーム段階に当たると言い換えられるかもしれません。



5.承「起」転結

「奪妻契約」はおおむね承「起」転結の4幕構成になっています。起承転結の「起」つまり状況説明(イントロ)の部分を後に回して、サビのチラ見せから始めている形ですね。アクション映画でもエロ漫画でもハデなシーンから始まるのはよくあるスタイルと思いますし、承起転結というよりもはやスタンダードな起承転結の一種と言えるかもしれません。(ミッション・インポッシブルや映画ルパン3世の冒頭なんかも、事件の経緯説明からではなくいきなり緊迫&爽快なアクションシーンから始まりますね)



承(プロローグ):どういう物語かを時系列抜き出しで伝える。前作の失敗で「起」から始めるとH漫画はダレることが分かったので、「これは好きな奴だな」と同じ趣味の人に分かるよう、サンプル代わりのプロローグを先に作りました。(このプロローグ自体がサンプル代わりの起承転でできています。ヒロインがコートを脱ぐところが"転"です)

起:既に「週末妻」生活が始まっているプロローグから始まったので、経緯を説明するために時間を巻き戻しました。これは説明部分なので、先に「面白そうだ」と思ってもらえていないとまともに読んでもらえないパート。「短く・都合良く・どっかで見たような展開」で構わないので、ともかくスピーディに済ませつつ、その中にキャラクター同士の関係性と個性の紹介を詰め込みます。

転:寝取られ漫画は「心変わり」を描くものだと思っているので、「転」が重要かなと思います。ヒロインの心情・態度が大きく変化するパートです。最初は丁寧にヒロインの心変わりを描くストーリーを考えていたのですが、実用的ではないと思い立ち、大幅にカット。多少都合がよくても、ポルノとしての使い勝手を優先しました。

結:結末です。ページ数でいうと、動画配信が始まる39ページ(▽)からラストまでが「結」に当たります。

NTR漫画は本当によく「そこからだろ!」という良いところで終わるので、「そこから」に尺をちゃんと取ることを心がけました。やってみると分かるのですが、「ヒロインはかくして寝取られたのである」を描くまでに全力を費やしてしまうと、もう疲れ果ててしまって、その後の創作パワーが続かないということなのかなと思います。


6.生成画像は1万枚超!実際の作業内容

LoRA学習はそれなりにうまくいき、いわゆる「ガチャ」を繰り返さなくてもキャラクターの一貫性を保てるようになりました。実際に試してみると、学習データにないさまざまなコスプレをさせることも普通にできたので、これを生かして「竿役おじさんに命じられて毎回異なる卑猥なコスプレをさせられる」シーンを入れることを思いつきました。


・外出中に生成を済ませる

3つのキャラLoRAを使って、Hシーンやぶちぬきなど大量生成できるコマは外出中や就寝中にたくさん生成しておくようにし、それらをつなぐ説明コマ(ポーズや表情、背景などがかなり限定される難しいコマ)はその都度自分で生成(オーダーメード)するという2段構成で進めていきました。


例えば「パソコンを見て落ち込む主人公」「コート姿で浮かない顔で電車に乗るヒロイン」「メイド服を持って微笑む上司」といったストーリー用のコマは、偶然性に任せるより自分で作り込んだ方が早いので、オーダーメード向き。Hシーンなどは色んな画角・表情で何百枚もあればあるほど良いので、大量生成向きということになります。


これはH漫画を作る上ではなかなか効率的で良かったと思います。アップスケールなしでともかく「タネ画像」をたくさん作っておき、Eagleでデータベース化しておくことで、実際に使う際はそのタネをもとにバリエーション生成+ADetailer+アップスケールを掛ければよいのですね。(有償のファイル管理アプリEagleについてはこちらの記事を参照)


Eagleを使えば、タグを入れるだけで大量の生成画像から1秒で一覧ソートできるので、「次のコマにはこういう画角・プレイ・衣装の画像がほしいな」と検索すると外出中に既にできている、という状態になれるわけです。逆に言うと、「必要になりそうなコマ画像を外出中にいかにバリエーション多く用意しておくか」というテクニックが求められます。さきほども触れた通り、生成した画像はヒロインだけで8641枚、主人公217枚、竿役1222枚(重複あり)でした。


「適当に大量生成したものからチェリーピックしただけなのに、あたかも最初からそれを作ろうとしていたかのように装ってお出しする」やり方は、なんだか見てくれる人を騙しているようで不誠実に感じていたのですが、きちんと意図や一貫性を込めて大量生成し、AIの力を最大化して少しでも作品全体のクォリティを上げることは、むしろ必要な態度だと感じます。AIが勝手に作ったものを並べているのか、それとも意図通り「作らせた」ものなのかは自分しか分からないことですが…。


Hシーンの大量生成には、いつもどおりダイナミックプロンプトを使って画角や表情、服装パターンをランダム化して生成しました。


嬉しかったのは、技術の向上で背景の一貫性も保てるようになったので、寝取られH漫画では定番である「定点カメラ」表現ができるようになったことです。

これは2年前も挑戦していたのですが、当時と比べると格段に品質が上がりました。これは一部FLUXを使うちょっと変わった手法でやったので、詳しいやり方は別途記事にまとめたいと思います。


7.補稿・修正作業

さて、当初の目標通り最終ページまでたどり着いたのは、完成前日の6日目でした。指の本数やコマ送りごとに細かく変わる衣装は無視して通しで読んでみると、コマ間やページ間でややジャンプしている(飛躍がある)部分が見つかりましたので、まずはそこを補うことにしました。


例えば、ヒロインが奉仕を受け入れるシーンは、あまりサクッと決断しすぎていて説得力がなかったので、逡巡する心理描写を1ページ足しました。前後のページとの整合性はあとから整えればよいので、やはり初心者は最終ページまで先に作ってバランスを見るのが大事ですね。

こうした作業をやっていると、ある意味「AI絵をコマに並べている段階」がもはやネーム作業になっていたような感覚があり、「あ、自分はAI絵を使ってネームを切っていたのか」と思ったものです。手描きでネームを切るのをスキップしたけれども、結局AI絵を並べることはネーム作りと同じようなものなのですね。


・手描きネームを切るべきか?

さきほども少し触れましたが、あらかじめノートに手描きネームを切った方がよいか、いきなりAI絵を並べ始めたほうがいいかはケースバイケースな気がします。手描きでネームを切ってみると、「ジャンプしている部分」「説明不足な部分」「不自然な部分」がその段階で補えるし、どんな画像が必要なのかあらかじめ俯瞰できるメリットがありますが、その分制作時間は伸びてしまいます。また、いざその通りに生成画像を並べようとすると、「こんなコマAIで生成するの難しすぎるよ!」となって、結局想定と違うコマに変更してしまうこともありそうですね。


         ▲1年前に二次創作まんがで描いたネーム


今回手描きネームを書かなかったのは、制作時間の短縮のためだけでなく、「生成画像を見てから、どういうネームが効果的か決めたほうがいい」と考えたのも理由の一つ。先にガチガチに決まったコマ割りに沿う画像を1コマ1コマ生成しようとなると、非常に精度の高い画像生成が求められるため、制作スピードが落ちてしまいますし、たまたま生まれた「奇跡の一枚」があってもうまく生かせなくなります。


そこで、ある程度たるみを持たせたストーリーとせりふの流れだけをテキストで作ってしまって、コマ割りはあらかじめ生成しておいた画像の「手持ちデッキ」を見て、その場で決めていくやり方を採用したわけです。よくできたものはEagleで★★★★★をつけて、それを眺めながら効果的な展開やコマ割りを決めていきます。漫画原作者が、作画担当さんから上がってきたイメージボードを見てイメージを膨らませるような感じでしょうか。


今回に限って言えば「スピード優先、ともかく完成させる」がテーマだったので、手描きネームはすっ飛ばしてどんどん最終ページを目指したのが正解だったように思います。手描きネームがあった方がよいかは、個々人の習熟度によっても変わりそうですね。


・43ページ▶49ページ

さて、AIネームが終わったので、説明不足な部分には1ページ加えたり、唐突感のある場面チェンジには扉ページを挟んだりといった補稿作業を進めた結果、総ページ数は43ページから49ページに伸びました。(ちょうど50ページにしたかったので、最後に後書きを1枚足して50ページとしました)


続いて、ようやく修正作業です。詳しい修正作業の手順はこちらの記事にまとめた通りで、3つのキャラクターLoRAやイペイント、IPAdapterを組み合わせつつ、手描き修正と半々で進めていきました。


49ページもあるとどうしてもミスは膨大な量になってしまいますので、チェックする部位やテーマを決めて何周も確認しました。「ヒロインのデザインが左右反転してないか」「指の本数チェック」「衣装のデザイン一貫性チェック」「誤字脱字はないか」…などなど。「四宮亮介」とすべきところが「亮一」になっていたり、メイド服の半袖が長袖になっていたりするミスが多々あり、目を皿のようにして直していきました。絵のクォリティが低い、えっちでないと感じたコマは生成し直したり、アップスケールやインペイントで品質を高めることも同時に行いました。


・「人間ADetailer」

今回の作品では「挫折せず絶対に完成させる」のがテーマでしたが、もう一つの重要テーマとして「AIに任せて大量生産するところと、人間のオーダーメードで細かく作り込むところを分ける」ことも心がけていました。「一見すごいものをぱっと出せるが、どこか必ず間違えて出してくるポンコツロボ」を相棒にしていると考え、上手に作業分担するのがコツかなと。

言ってみれば「人間ADetailer」みたいなもので、これができていないと、挫折した前作のような「AI紙芝居」になってしまうのでしょう。


8.どこに公開する?

こうした紆余曲折を経て、とりあえず本編49ページ+あとがき1ページが完成したのですが、今回は「一度挫折して放置していた企画をちゃんと世に出す・けじめを付ける」ということの方が目的でしたので、公開先をどうするかはあまりきちんと決めていませんでした。


皆さんご存じの通り、2024年5月にPixivFANBOXやCi-enなどおおかたの支援系プラットフォームでAI生成物の投稿が禁止もしくは制限され、FANZAやDLsiteでも「AIフロア」が新設されました。大量生成した画像をあまりキュレーションせず大量に放出するユーザーが増加し、手描き作品と玉石混淆してしまったのが原因です。(詳しい経緯は当時の記事参照)


個人製作物の販売先としてはBOOTHなども選択肢になるので、どうしようかなと思っていたのですが、お友達のAIユーザーさんと話しているときに、FANZAのAIフロアは意外としっかりとした売り上げが上がっているということを知りました。私は「AIフロアをわざわざ見に来る人なんて、好事家以外ほとんどいないのじゃないか」と思い込んでいたのですが、FANZAのランキングを見てみると、きちんとキュレーションされたものはAIの使用・未使用関係なくきちんと見てもらえているし、売れているのですね。


売上がしっかり上がったものは、手描き作品も含めた全体ランキングにも普通に表示されており、上位にもちらほら見られるようになりました(忌避感のある人はAIフィルターをONにすると非表示になりますが、デフォルトではOFFになっている)


FANZAやDLsiteのAIランキングを見ていてなんとなくうかがえたのは、AI生成画像をコマに並べて吹き出しをつけた「AI漫画」っぽい作品が多い中で、「R-18作品の経験者が、AIを使ってハイクオリティなものを量産するようになった」サークルが無双しているケースもあることです。そうした作品はもはや「AI漫画」と呼ぶのが躊躇われる高いレベルに達しており、売り上げが1万本を超えるものも珍しくないようでした。また、「売れている」サークルには基本的に継続性があり、一発目でいきなり売れるというよりは、何本も作品を出す中で各作品ページが互いに補強し合ってファンを獲得している感じもみられました。


そうした作品に私の作品で太刀打ちできるかは分かりませんが、「せっかく世に出すのならそういうレベルの高いランキングに載ってみたいし、100本は売れてほしい!」と強く感じたので、FANZAとDLsite両方に作品登録をすることに決めました。



・専売と併売の違いは?

ちなみに、FANZAとDLsiteどちらかでしか作品を公開しない「専売」という形にすると、そのプラットフォームによって違法DL対策をしてもらいやすいというメリットがあります。ただ、まず読んでもらわないと違法DL対策もなにもないので、無名サークルのうちは併売でよいのではないかと思います。

           ▲FANZA同人「よくある質問」より


フォロワーさんの意見を聞いていると、「普段使っているプラットフォームの方で買いたい」という人が多く、FANZA派とDLsite派に分かれていました。専売にするともう片方のユーザーさんを取りこぼしてしまうことになってしまうので、特に理由がなければ併売でよいのではないかと。大手サークルの場合は「一つのプラットフォームに購入者を集中させることでランキング上位に載りやすい」とか、「バナーを作って目立つ位置に掲載してもらえたり、メールなどで作品紹介してもらえる」といった、見えないメリットもあるのかと想像します。


個人的印象ですが、DLsiteのほうのAIフロアはFANZAに比べ、先ほど述べたような「同人経験者によるAI使用漫画」はあまり見当たりませんでした。そうした作品はだいたいFANZA専売となっており、やはりそうしたサークルにはそれなりに専売の恩恵があるのではないかなあと思います。


9.サムネイルやサンプル作りのポイント

FANZAやDLsiteで販売するには、まず各プラットフォームに「サークル登録」をします。メールアドレスや個人情報、売上金の振り込んでもらう口座などを指定するだけですので、これはすぐにできます。作品販売の申請には、本編の画像をまとめたzipファイルを用意するだけでなく、規定サイズの「パッケージ」や「サンプル画像」を作る必要があり、むしろ大変なのはこちらでです。


さすがに何も知識なく作ったパッケージでいきなり販売しても誰の目にも止まらないことは明らかなので、ある程度時間を作ってFANZAランキング上位の皆さんが心がけているであろう手法を観察することにしました。

しばらく観察してなんとなく見えてきたのは、以下のような特徴です。


・パッケージについて分かったこと

ごちゃごちゃしすぎてはいけないし、シンプルすぎてもいけない。ぱっと見て「魅力的なメインヒロインが卑猥な姿・表情で大きく映っている」のは必須条件で、かなり小さく表示されていても魅力が伝わらないといけない。可愛い・明るい作品ならポップな色使いに、凌辱系なら黒や赤、ダークピンクを使った暗い色使いにする。

パッケージはターゲット層に「自分向けのジャンルだな」ということが伝わり、かつ局部は映らない程度にエロいものである必要がある(局部を映しているパッケージの作品もあるが、上位にはあまり見えない)。定番のデザインは、画面左にメインヒロイン、右側にコンテンツの中身のサンプルが並ぶ形で、かつタイトルが浮き上がって目立つタイプ。タイトルは、読むだけで中身もほぼ分かる「なろう」スタイルが理想。("ああなってこうなって~しちゃった話"とか、"〇〇な××が寝取られるわけがない!"とか)


タイトル文字の「あしらい」は非常に重要。ランキング上位にある作品は、総じてタイトルの装飾にこだわっている。あしらいがたどたどしいと素人作品っぽく感じられ、購入が躊躇われるものと思われる。文字の大きさにメリハリをつけたり、左右に揺らしたりすると良い。話によると、タイトルのデザインだけ外部委託する同人作家さんもいるとか。

アオリ文章もセンスが問われる。「こういう作品ですよ、これが見られますよ」ということをできるだけ魅力的に表現するキャッチコピーのようなもの。周囲に溶け込まないよう、目立たせるあしらいも必要。このあたりはむしろAVのパッケージの方が優れており、参考になる気がする。


・サンプル画像について分かったこと

サンプル画像は10枚程度まで付けられる。本編画像をそのまま載せるケースはあまりなく、漫画の場合はコマを抜き出して再構成し、上にカラーのアオリを入れるケースがスタンダードのよう。

大事なのは、「この作品にはあなたの好きなこういうシチュエーションが描かれていますよ」ということは伝えつつ、「サムネでだいたい分かってしまった感」までは至らない、ということかなと。セールスポイントをしっかり文字で伝えて、食べ足りない感があるくらいがちょうどよいと感じました。サンプルはちょっと読みにくい方がいいということなので、例えばフキダシの中を消してしまうとか、そういう工夫をしているサークルもみられました。


あとから気づいたことですが、上手なサークルは、サンプル画像の最後の一枚をパッケージ画像にしています。パッケージ▶サンプル1▶サンプル2▶…▶パッケージと、もう一度タイトルに戻ってくることで、「買おうかな」ともう一度考えさせるつくりになっているのですね(それがなくても右ボタンを押すとパッケージに戻ってはくるのですが)。リンク先のサークルさんは値引き情報をサンプルに混ぜ込むなど工夫をこらしており、非常に参考になります。


・完成したパッケージとサンプル

これらの気づきを踏まえて、完成したパッケージはこのようなものです。サンプルはこちらの商品ページからご確認ください。

文字は通常のフォントを並べたあとに「ラスタライズ」し、その上から同色の♥や✨マークのスタンプで装飾し、最後にグラデーションをかけています。(あらかじめえっちに見えるピンク~ダークピンクのグラデーションを作って登録しておき、作品全体のテーマカラーとして使用しました)

フォントのカラーはスタンダードな凌辱系に多い「白黒赤」でまとめつつ、全体にダークピンクが目立つ配色にして背徳的なNTR作品であることを強調しました。

ページ数も右下に大きめに入れるのがお作法のようですが、AIフロアには50ページどころか100ページを超える作品も多いので、ページ数が少なめだと逆効果になりそうです。


サンプルはこのような感じで表示されます。

サンプルの枚数は多めがよさそうですが、興味を抱いてもらえるような宣伝をしたい=「サンプルでは読み足りない」と感じてほしいので、フルカラーの漫画ページを一色に変換し、大きめの文字を加えました。意味が通らなくても構わないので、訴求力の強そうなコマを切り出してダイジェスト形式でコラージュするやり方もスタンダードのようです。(フラッシュカットが続くドラマの次回予告そのものですね)


・サイズや形式に注意

本編画像やパッケージ、サンプルはサイズ・形式に細かな規定があるので、よく公式の説明を確認した上で作るようにしました。FANZAの場合、基本的にどの画像も2MB以内のjpgにする必要があり、パッケージ画像は「横560×縦420ピクセル以内」です。これはDLsiteでも同じものを使い回せるサイズでした。

https://dojin.dmm.co.jp/help/picture


・作品サムネイルとサークルアイコン

そのほか、FANZAでは横60×縦60ピクセルのサークルアイコン画像と横100×縦100ピクセルの作品サムネイル画像が必要です。素材だけは豊富にあるので、これも規定サイズ通りに作りました。


サークルアイコンはこんな感じ(▼)でサークル名に合わせてちょこっと表示されるだけのものなので、さほど作品の訴求とは関係ありません。普段使っているXアイコンなどをそのまま使ってよいと思いますが、ミナちゃんの画像は制服姿でR-18サイトでは問題になるかもしれないので、綾香さんのちびキャラ画像にしました。


一方、100ピクセルの作品サムネの方は作品ページへのリンクに使われるので、重要な「広告」です。ごく小さいスペースでも「こういうやつですよ」とNTRファンにアピールできる内容を心がけて、しっかり作り込みました。




10.センシティブ修正を掛ける

本編のモザイク修正についても全く知見がなかったので、いろいろと解説動画を見たり、自分のこれまで購入してきたNTR漫画を見直したりして検証しました。おおむね、「黒海苔」「白海苔(白ヌキ)」「モザイク」「モザイク+海苔」あたりが主流のようです。「モザイクは局部をしっかり描いていない場合ごまかせて楽」+「局部をしっかり描ける人は黒海苔で勝負する」という雰囲気なのかなと。


FANZAにおける「販売倫理規定」もしっかり確認しました。モザイク処理に関わる部分は主に5~6条。以下のように「最低条件」が定められており、これを守っていないと審査が通りません。


AI絵は基本的に無修正で生成されますが、やろうと思えば「bar censored」タグで黒海苔状態で生成することも可能です。ただ、今回は既に無修正の完成作品が手元にあるわけですので、黒海苔修正で販売することにしました。


・どれくらいの太さがいい?

実際に黒海苔処理をやってみると、海苔の太さ・本数が非常に悩ましい。「本数が多すぎると集合体恐怖のように気持ち悪く見える」「本数が少ないと審査が通らなそう(多分)」ということが分かり、「海苔は一箇所に最大6本まで」「それで隠せる太さに調整する」「鈴口・陰核・カリはできるだけ隠す」という結論に至りました。

49ページにセンシティブ修正を施すのは多少面倒ですが、Clipstudioの「直線ペン」でぱっぱと引いていけば15分ほどあればできました。「修正用ノリブラシ」など専用のアセットもあるので、好みで決めればよいかと思います。初めてで加減が分からないので、まずは申請してみて、突き返されたら修正度を高めてやり直せばよいと決め、作品登録してみることにしました。


ちなみに、「本編とサンプル画像では修正基準が異なる」ということがよく言われています。確たるソースがあるわけではありませんが、多くの人の目の触れるサンプルは厳しめで、本編はそこまでではないーということのようです。修正が甘い場合、いちいち突き返すのではなくサイト側に「勝手に修正してよいですよ」と許可を出すこともできます。私はとにかく早く販売したかったので、「勝手に修正可」と指定して申請しました。


ちなみに、結果的にはFANZAにもDLsiteにも何も言われず、そのまま審査が通りました。もしかするともっと修正度が低くても通ったかもしれません。初心者なのでちょっと日和ってしまいましたが、お客さんのためにギリギリを攻めるのも大事なことですね。


11.値段設定・申請から販売まで

販売前に決めなくてはいけないことの一つに、値段設定があります。ここは難しいところなのですが、AI販売ランキングにある諸作品と見比べて、相場よりも安い値段にすることにしました。お金儲け目的ではないので、できれば収益よりも販売本数を優先したいし、かといって連日連夜頑張って作ったものに捨て値を付けるのも忍びない…という判断で、販売価格は700円(消費税込み770円)としました。


ちなみに、売り上げからはプラットフォーム手数料が差し引かれるので、1本売れるごとに700円が入ってくるわけではありません。参考までに、FANZAではこのような販売価格と卸価格となっています。例えば、販売価格を700円とすると、消費税込み10%でDL価格は770円となり、1本売れるごとにサークルに入る収益は431円ということになります。(DLsiteも同じです)

        ▲FANZA同人「販売について」より画像引用


ただ、実際に販売されているところを見てみると、50%OFFや30%OFFキャンペーンを利用しているサークルがほとんどで、定価については「あってないようなもの」という印象を持ちました。


・キャンペーン割引参加のメリットは?

キャンペーン適用で販売価格が安くなった場合、収益の差額をプラットフォームが肩代わりしてくれるわけではなく、そのままサークルの取り分も減ります。例えば、770円で販売している「奪妻契約」の通常の収益が431円なので、仮に50%OFFキャンペーンを適用すると収益は1本あたり215円前後に減るわけです。

あざとい話ですが、定価500円で売るなら、2倍の定価1000円にしておいて、始めから50%オフキャンペーンに参加して「500円」と表示したほうが「お得感」が出る…ということは言えると思います。実際に、ランキングを見ると割引キャンペーン適用を示すバッジがほとんどについており、これがついていないと割高感があることに後から気付きました。

個人的には、あとから値段が激しく上下するとせっかく初動で買って下さったフォロワーさんに失礼な気がしたので、キャンペーンには参加せず税抜700円で統一しましたが、このあたりにも利益を最大化するコツが存在するのでしょうね。


FANZAでは特定サークルのみに勧誘がくる「10円キャンペーン」もあります。せっかく作った物を利益数円で配るようなものなので、サークルからすると大損かのように見えますが、これに参加できるとともかく物凄いDL数が稼げるようです。10円キャンペーンで仮に1万本売り上げると、FANZA上で知名度が上がり、ファンやフォロワーが増えますし、ランキング上も有利になります。さらに「ちりも積もれば…」で4万円くらいの収益は手元に残るわけですから、販売から時間がたって新規売り上げがほぼなくなった作品の場合はメリットなようです。


このあたりのマネタイズについては、やりすぎるとファンの信頼を失う感じがするので、あまりハックを考えない方がよいかなと個人的には思っています。初めての作品がいきなり売れるというのはなかなかなさそうですので、安価な小作品でいいので継続的に販売して、自分の性癖や作風を同好の士に広く知ってもらい、フォロワーや「お気に入り」を増やすのが常道なのかなと。


・DLsiteは5日間で発売

AI作品の審査にはともかく時間が掛かると聞いてはいましたが、DLsiteのほうは申請から5日間で公開してもらえました。1月14日(火)に登録して、1月19日(日)に事前予告なく自動公開、という流れです。AI生成作品は日々大量に投稿されており、それら全てにサークルの希望する公開日を調整していると作業が非常に煩雑になるため、審査が終わり次第自動公開というのが慣例になっているようです。

DLsiteでは3日間で目標だった100本販売を達成し、AIフロアの24時間総合ランキングで1位を取ることができました。パッケージの工夫が功を奏したというよりは、このFANBOXの支援者の皆さまや、Xのフォロワーさんを中心にお買い求め頂けたのだと思います。自分が作った創作が売れたのは初めてのことで、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。


・FANZAは倍の審査期間(11日間)

一方、FANZAはかなり審査に時間が掛かり、1月14日(火)に登録して、販売開始は1月25日(土)でした。周囲の販売経験がある方に聞いてみても、いまは時間が掛かる時期のようで、「うちは25日かかった」という人もいました。ちなみにFANZAも公開日の事前予告はなく自動公開。販売開始の十数分後にメールで「販売開始しましたのでお知らせします」という連絡が来ました。

私の作品の場合、初動の売上速度は後発となったFANZAの方が明らかによく、かなりの速さで先行販売したDLsiteを追いかけています。ちなみに、FANZAにはDLsiteのような「AI作品ランキング」が存在せず、AI作品一覧がおすすめ順や人気順に並ぶだけ。「奪妻契約」は記事執筆現在、「おすすめ順」の11位に表示されています。


・自動ポスト機能は便利?

各プラットフォームとXアカウントを連携しておくと、販売開始や販売本数〇〇本達成のタイミングで、自動でポストしてくれる機能があります。面白そうだなと思って登録していたのですが、不意なタイミングで販売開始が勝手に告知されたりするので、あまり使い勝手はよくないように思いました。

販売の節目では、自分の言葉で告知・感謝したほうがフォロワーさんの印象もよいように思います。


・先にFANZAに登録したほうがいい?

FANZA・DLsiteで併売してみて分かったのは、「どちらもいつ公開されるのか全く見通しが分からないので、とてもやきもきする」ということです(笑)。あまりFANZAとDLsiteで公開日に時間差が生じてしまうと、フォロワーさんも「いつになったら買えるの?」とお待たせしてしまうので、なかなか難しいポイントです。

両プラットフォームの配信日をできるだけ同じタイミングに近づけたいなら、FANZAに先に登録しておき、3~5日後くらい遅らせてからDLsiteに登録するなど、タイミングを計ると良いのかもしれませんが、どれくらい時間差が生じるかはケースバイケースですので、何とも言えませんね。


逆に「時間差があったほうが売れる」という考え方もあるようです。片方のプラットフォームが先行販売という形になることで、今すぐ読みたいファンはそちらで買って貰えますし、初動の勢いが同時公開で二分しないので、長い目でみると総販売数は増えるーと考えるサークルさんもあるようでした。このあたりはまだよく検証できていないので、詳しいweb動画やnoteなどに譲ります。


12.売り上げ報告

1月27日17時時点の売上報告は以下の通りです。DLsiteは13日間で219本、FANZAは7日間で220本の売り上げがありました。(販売開始日は午前0時公開ではないため販売本数が少なくなること、FANZAのグラフは当日分が未集計であることにご注意ください)


【DLsite】


【FANZA】※未集計の27日分も入れると、総売り上げは146本


グラフを見れば分かる通り、初日は(午前0時公開でない場合)販売本数が少なくなるため、一番多い売り上げが見込めるのは2日目ということになります。そこの初速でランキングに食い込めると、その後もランキングから流入したユーザーに売れ続けることができますが、初速が振るわないとそのまま低迷するパターンが多いのかなと想像します。


プラットフォームに支払う手数料がありますので、スタジオ真榊が受け取る額はだいたい総販売金額の6割程度。売上はそれぞれ16万円弱で、手取り額は「DLsite:219本94,389円」「FANZA:220本94,820円」となりました。

BOOTHなどど直接販売サイトではより手取り分が大きくできますので、フォロワーさんや支援者、身内が多い方は一見その方がいいように思えますが、本格的に売り上げを伸ばすにはFANZAやDLsiteのような人流のあるプラットフォームに売り上げ本数をしっかりまとめ、ランキング上位に食い込むことが重要かなと思います。BOOTHなどに本数をばらけさせてしまうよりは、FANZAやDLsiteに集中させたほうがよさそうですね。


13.販売後に寄せられた評価・レビュー

ありがたいことに、購入していただいた方からレビューを複数頂くことができました。どれも丁寧に作品を見てくださって、本当に励みになりました。


どなたも作品の中身について熱心にフィードバックしてくださり、大変に参考になりましたが、特に嬉しかったのがこちらのレビュー。AIについてというよりは私の創作性、作品の出来についての真っ向からのレビューで、シコリティの観点で率直に見てもらえているのが本当に嬉しかったです。

特に後段のご指摘はまさにその通りで、私も「奪妻契約」を他人の作品として読んだら全く同じ感想を抱く気がします。この記事でも縷々書いてきた通り、完成させるんだ、今度こそ挫折しないんだという気持ちが強すぎたのと、そもそも今私に完成できるMAXがこのあたりだったと言えるのかもしれません。

読んでくださった方に「100ページあると良かった」と思って頂けるのは本当に嬉しいことで、「100ページ作ればよかった!!」となりました。次の章で書きますが、せっかくAIを使っているなら、手描きにはできない物量で圧倒することも必要だったという学びが得られたのも大きかったです。


このほかにも、こうしたレビューをそれぞれのプラットフォームで頂きました。おおむね過分に高い評価を頂いたと思っていますが、低評価だった方には大変申し訳ない限りです。実力が足らず、自分のヘキを届けられなかったと反省しております。





14.作品制作を通じて得られた知見

「思い立ってから1週間でAI漫画を作って販売」という体験を通じて得られた知見をまとめると、以下のようになります。


・「まず完成させる。絶対に挫折しないことを最優先に計画を立てる」

最も大切なことです。完成品として世に出すにはどうしたらいいかを最初に徹底して考え、「そのストーリーをAI作画するのは大変」「途中で飽きそう」と思ったら回避する。作品は死蔵するより完成させて批評された方が絶対にスキルアップにつながるので、自分に必ず完成させられるくらいのタスクにするのが肝要です。作業のカロリーと得られる効果を常に天秤に掛けて、自分の実力なら絶対に完成できるギリギリの範囲で、一番上のクォリティを目指しました。


・「完成の期限を決める」「勢いがなくなってきたらまとめる」

ここまでで時間切れ、というのを決めておいたのもよかったです。私の場合は「1月中に必ず販売開始できるようにする」と決めて作業を進めました。最初はノリノリで作れるのですが、同じ作業の繰り返しになり、グダってきたら引き時です。「グダってきたのに作業の結末が見えない」というのはかなり危険で、プロジェクト放棄につながりやすいポイント。グダる前にともかく終幕までストーリーを作ってしまえば、これまでに支払ったコストをムダにしたくない心理が働くので、あとの修正は創作力が萎えていてもできます。


・「完成したら1日おく」

チェックは基本、サイゼリヤの間違い探しみたいなものなので、まっさらな頭でないと見落としまくります。指が6本になっているとかなら疲れていても見抜けますが、「1コマ目では袖についているフリルが2コマ目ではなくなっている」「襟の色が3コマ目だけ白でなく黒になっている」クラスの間違い探しになると、集中力がなければ無理です。作者の目でなく「読者の目」で見られるようになってから修正しましょう。(PC画面でなくスマホなどの別デバイスで見ると、ミスに気付きやすいです)

ちなみに、販売申請後・販売開始後もzipやサムネイルなどを差し替えることは可能です。


・「整合性より実用性」「読者がさほど気にしない所に執着しない」

1コマ目では袖についているフリルが2コマ目ではなくなっている、というミスを全て撲滅しようとしたり、ちょっとした整合性のためにセリフを全改変したりしようとすることがあるのですが、H漫画においては「実用性」が、エモ系二次創作においては「丁寧な心理描写」が重要なので、細部よりは「趣旨」に力を入れたほうがよいと思いました。一貫性は大事ですが、重箱の隅をつつくような作業に時間を使うより、エロパワー(二次創作なら"尊さ")を増す作業に時間を使ったほうが有意義です。

もちろん、漫画の趣旨がおかしくなってしまうような致命的なミスや、読者が「どういう意味か分からない」といったミスは絶対に直さないといけないので、「どのミスを修正すべきかは優先順位が重要」と言い換えられそうですね。


・絵に「作家性」は必要ないかも…?

今回の画風は、普段遣いの自分モデルで「白い瞳孔・タテ目」のほどよい情報量で作ったのですが、情報量をやや落としすぎたかもしれません。保ちたいのは1作品の間の一貫性であって、次回作は全く違う画風でも実は問題ないわけです。自分の好みの「賢木らしい画風」を押し出すより、「Hさ」が最大になる目線でチューニングしたほうがよいかも…と感じました。

もちろん、一見してわかる「マスピ顔」は避けるべきです。SD1.5系やAnimagine、NovelAIなどの人気モデルを使用したと一発で分かるようなマスピ顔で作品を作ると、お客さんに「マスピ顔の陳腐さを客観視できていないAI初心者」と判断される可能性が高く、実際にランキング上でもほぼそうした作品は見かけません。画風をしっかりオリジナルなものに統一できることは大前提で「その上でどのような画風を選ぶべきだろうか?」というのが上記の趣旨です。


・「not for me」なお客さんのことを気にしない

寝取られ好きじゃない人が誤って買わないよう「これは寝取られ作品です」などと書いたり、トガった内容をゆるくしてもしょうがないので、ターゲットをごく絞って、その人だけに向けて作るようにしました。つまり、「自分が好きなものを好きな人」に向けて作ることを心掛け、not for meの人に配慮して作品を無難にしていくことはしない、ということです。

二次創作の場合「このキャラのエロパロならなんでも買います!」というお客さんもいるかと思いますが、オリジナル創作の場合はヒロインのデザインとシチュエーション優先なので、パッケージを見て期待してくれたものを裏切らないことを大事にしました。


・本編をモノクロ漫画にしてみても良いのでは?

ストーリーの導入部分をカラーにするメリットが、今作ではそこまで感じられなかったように思います。一貫性と修正の面倒くささを考えると、スピード的には白黒の方がはるかに楽。Hシーンはカラーの方が読者も嬉しいと思うのですが、ストーリー部分は何というか、進研ゼミの漫画や学習漫画っぽくなるというか…普段読み慣れていない余計なカラー情報やディティールが気になって、むしろ読みにくくなる気がします。

カラー原稿だと集中線やスピード線、効果線なども馴染ませづらく、(私のような素人には)使いにくいと感じました。表情や動きの加筆も、カラーよりモノクロのほうがスムーズにできるはず。かといって導入はモノクロでHシーンで急にカラーになるというのも不自然になりそうですし、このあたりは悩ましいですね。リッチな扉絵だけカラーにするとか、いろいろな手法はありそうですが…。

今作のようにオールカラーでやるなら、漫画よりせりふつきCG集スタイルの方が良いように思います。次回作があるなら、カラー扉絵交じりのモノクロベースで、より漫画らしく作ってみようかなと考えています。(※余談ですが、FANZA同人の人気ランキングで上位にあるAI漫画も白黒のものがかなりあります。このあたりはその人の作風や画風が、カラーとモノクロのどちらにフィットしているかも関わってきそうですね)


・「動き」と表情のバリエーションが課題

AI絵のデメリットとして、どうしてもカラー生成だとイラストらしい「止め絵」になってしまい、Hシーンでも動きのない静止画に見えてしまうということがあります。また、表情についてもあまりバリエーションが出せず、そのモデル由来の「ahegao」や「glaring」になりがち。また、今回はキャラLoRAを作って容姿を固定したがために、複数のコマでキャラクターが全く同じ表情をしているように見える弊害もありました。容姿だけでなく表情にも「一貫性」が出てしまったのですね。

同じ表情の画像を数百枚生成して厳選していると、あっという間に見慣れてしまって、自分ではそうした違和感に気づきづらくなってしまいます。キャラの表情バリエーションがきちんと出せているか、特に注意して修正する必要があると感じました。ここを回避するためにはいろいろと考え方があるのですが、イラストベースで学習したカラー画像より、漫画をきちんと学習しているモデルでmonochrome生成したほうがずっとそれらしいコマが出せるはずですので、やはり次回作があるならモノクロ漫画で挑戦してみたい気持ちが深まりました。


・「おまけ」と「物量」を充実させたほうがよかった

せりふや擬音のない差分や、キャラクターの立ち絵・衣装一覧などが見たかったというご感想を頂きました。ともかく完成させなければ!挫折だけは避けたい!と思っていたので、そのあたりのサービス精神に気が回りませんでしたが、そうしたおまけはAI作品独自の訴求力につながると思い、やっておけばよかった!と思いました。(台詞なし差分は、フキダシで隠した部分をきちんと補わないといけないので結構面倒ですが…)

変な話ですが、漫画に盛り込めなかった生成画像を1枚絵として数百枚くらい添付することはぶっちゃけさほど大変ではありません。そういう物量で押す部分はAIにしかできないメリットなので、「おまけ」部分や物量部分で手描き作品と差異をつける発想が必要だなと痛感しました。




終わりに

というわけで、2025年最初の大テーマだった2年越しの悲願は無事成就しました。モデル性能、LoRA追加学習の習熟、Controlnetの充実、そして基礎的な漫画技術が揃ったことで、「ある程度漫画に見えるもの」が作れるようになってきたということかと思います。

一方で、「作品制作を通じて得られた知見」の項目に並べたように、次の課題もいろいろと見えました。「もっとAIの暴力的物量を生かせばよかった!」「表情にも一貫性が出てしまい、ハンコ絵になってしまっていることに気づけなかった!」というのは、やってみないと分からなかった発見でしたので、ぜひ次回作に生かしたいと思います。


しばらくNTR漫画漬けだった反動で、このところは全年齢二次創作ばかりやっていますが、やっぱり漫画素人としてはモノクロ漫画(正確にはグレースケール)の方がいろいろと演出がしやすいように感じます。この2枚を見比べると、1枚絵だとカラーの方が、まんがだと白黒の方が明らかにやりやすいんですよね。

振り返ってみると、カラー生成画像の加筆には慣れていても、白黒の漫画の描き方やトーンを使うやり方を全然習得していなかったことに気付きましたので、二次創作を通じて白黒漫画のスキルを磨いて、オリジナル漫画をまたやりたいなと思っています。次回作は催眠NTRものができるといいですね…


大変長くなってしまいましたが、本日はこのへんで。スタジオ真榊でした。



おまけ

プリミティブな漫画テクニック的なことを書きそびれたので、忘れないようにこのツリーに残しておきました。次回作はこれを読んでから作るようにします…



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寝取られ妻のビフォーアフター.zip

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