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NanoBananaProで漫画を作ろう!【第1回】脚本の書き方と「7つの活用法」

Published 11/30/2025, 04:20:58 PM · Edited 01/03/2026, 02:54:07 PM

NanoBananaProで漫画を作ろう!【第1回】脚本の書き方と「7つの活用法」







こんばんは、スタジオ真榊です。こちらの記事は、Googleの画像編集AI「NanoBananaPro」(以下プロバナナ)を使った漫画作りに関する連載特集の第1回です。


今年8月末に登場した通常版のNanoBanana(無印バナナ)では、「1pまるまるの生成もできるけど、ちょっと不自然かな」という感じでしたが、プロバナナではGemini 3 Proに根差した「文脈を読む力」と日本語レンダリング能力の向上によって、かなり意図に近い漫画を生成できるようになっています。一方で、よく注意すべき点や不得意なこともあり、プロバナナがいまいち感想を持ちづらい「虚無漫画」を量産しがちな理由も段々と見えてきました。


連載第1回では、こうしたプロバナナの得手不得手を踏まえて、効果的に漫画を作るための「7つの活用法」を整理しました。一つ一つ、順を追って詳しく見ていきたいと思います。【約2万5000字】


無印バナナでの漫画制作記事はこちら。今回の記事と見比べていただくと、プロバナナの進歩具合がより分かりやすく伝わると思います。


目次

はじめに プロバナナ漫画のリアルな実力

プロバナナへの「頼み方」

  ・プロバナナの「思考プロセス」

  ・「あいまい指示」で漫画を作れる?

  ・プロバナナは「これができるようになった」

  ・プロバナナは「これがまだできない」

得意不得意を踏まえた「7つの活用法」

  ①おおまかお題指示

  ②セリフや構図を詳しく文章指示

  ③コマ割り・セリフを画像で指示

  ④ネーム指示

  ⑤空白部分や「続き」の生成

  ⑥漫画の一部修正(漫画インペイント)

  ⑦最終調整(描写のパワーアップ・エフェクト等)

実践1.キャラ画像+脚本指示

実践2.漫画インペイント

実践3.コマ割り・セリフを画像指示

実践4.4コマ漫画を脚本から作る

  <AI漫画脚本のコツ>

実践5.H漫画のドラマパートを作る

  <プロバナナ漫画を"自分画風"に戻す>

  <画面全体の画風をそろえられるか>

  <NanoBananaProは画風を寄せられる?>

小括 ーAI漫画と「虚無」ー

はじめに プロバナナ漫画のリアルな実力

プロバナナが1p漫画が生成できるようになっているのは既に前回の特集で検証済みですので、今回はより実践的に「どのように指示するとスムーズに漫画作りができるか」を考えるところから始めたいと思います。


AI漫画と言えば、以前は1コマずつキャラクターを白背景で生成して、自分でコマ割りしたキャンバス上に配置し、文字入れをしていく作り方が一般的でした。つまり漫画の設計図に当たるネームは自分で作る必要があるため、どうしても経験者でないとコマ割りや文字の配置、表情変化などの文脈作りに不自然さが出てしまうのがネックだったわけです。


プロバナナはこの点、コマ割りや人物の配置、表情も含めてかなり「正解」に近いものを出せるようになってきています。前回の特集で生成したのはこちらの漫画。


これはほぼプロバナナの出力物そのまま。最初の吹き出し部分でミスしていた「やべてやべーらしい」の部分を3文字消しただけで、ほぼ自然に読むことができる漫画に仕上がっています。(生成プラットフォームはFreepikを使用)

プロンプト指示などに特に変わった部分はなく、「キャラクターの容姿が分かる画像を1枚与えて、コマ割りもしくはセリフの流れを自然な日本語文で指示する」というスタンダードなやり方で生成しています。


例えばこのような感じ。


指示:この女の子のコミカルな1ページのカラー漫画を作って下さい。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かってください。「ナノバナナなんたら言うのがやばいらしい!私もAI美人にしてもらお!」 「えっこれ私!?」(赤眼鏡をかけたブサイクがPC画面に映る)「これだからメリケンのプロダクトは-!」「えーとボンキュッボンのムチムチで…」カチャカチャ…「もうやだー!」(オチ。画面にムキムキのボディビルダーの体に顔だけこの女の子のキャラクターが出る。パチンコ画面の金色激アツ文字で「フルアーマームチムチミナちゃん」と書かれている)

特に難しいことをしているわけではなく、ごく自然に日本語でやってほしいことを伝えているだけですね。いちいち「全体を三段に分けて、一段目を左右に割ります。一番下のコマはオチなので大きくして…」とか、「キーボードのまわりに『カチャカチャ』と擬音を入れて」などと細かく指示しなくても、プロバナナは学習してきた「正解」の漫画の特徴量に従って、自然なコマ割りを考案してくれています。また、集中線や漫符、ミニキャラやtrembling(震え線)、^^^(驚いたことを示すライン)なども自分で適切な演出を考えて加えてくれていますね。


ただ、そうした演出を「ありがたい」と感じるか、「おせっかい」と感じるかはユーザー次第です。また、1コマ目にスニーカーが映り込むなど、AIらしいミスはまだまだ起こりがち。「無印から大きく進化はしているけれど、まだまだ人間がやらなくてはならない仕事はある」ということを確認しつつ、今回はもう少し踏み込んで、実践的な漫画活用法をあれこれ検証してみたいと思います。



プロバナナへの「頼み方」

プロバナナの進化によって、AI漫画の作り方は「生成画像をコマの中に並べる」とか「キャラクターの容姿が分かる画像を1枚与えて、コマ割りもしくはセリフの流れを文章で指示する」といったもののほかにも、さまざまなやり方が可能になったはずです。例えば、絵のないコマ割りだけの画像を与えて展開を固定したり、完成した漫画の一部を差し替えてもらったり、まだ存在しない「続き」を自分で考えてもらったりと、多様な使い方が思いつきます。

    ▲指定したコマ割りをしっかり守ってコマごとの画像を生成した例



・プロバナナの「思考プロセス」

プロバナナにユーザーが指示すると、内部的にはいったんGemini 3 Proが依頼の仲立ちをして、ユーザーが何を望んでいるか、どうしたら実現できるかをあれこれ思考し、画像生成モデルが読み取りやすい英語プロンプトに改変してくれているようです。その思考過程は、Gemini 3 Proに画像生成を指示して「思考プロセスを表示」することで垣間見ることができます。


上記のスクリーンショットは、こちらのAI漫画を製作する際の思考プロセスです。夕暮れをバックにタバコを吸う武装メイドの画像を渡して、「この画像が最終コマになる漫画を生成してください」と指示しただけなのですが、非常に広範な検討を行ってから画像生成に取りかかっていることが分かります。

プロバナナの「文脈を読む力」はこうしたGemini 3 Proの作業に裏打ちされているので、無印時代にはできなかったさまざまな無茶ぶりが通じるようになっています。


・「あいまい指示」で漫画を作れる?

例えばこのような、「なんか面白いことやって」式のかなりあいまいな指示をしてみます。


こちらが一発で出てきたもの。

…。


言いたいことは山ほどあると思いますが、まずそれらをごくりと飲み込んでいただいて、「これができるようになった」と「まだこれはできない」の両方をこの漫画から読み取ってみましょう。


・プロバナナは「これができるようになった」

まず、NanoBananaProは指示されたコマ割りをそれなりにきちんと守ることができ、1コマ目で読者に状況を伝える力があり、起承転結とオチの概念を理解することができます。キャラクターの表情を描き分けることができますし、土煙で走っていることを表現するなどの「漫符」や集中線などもそこそこ使いこなすことができます。キャラクターの一貫性を1ページの中で保つことができ、主要キャラクターの画風に合わせつつ、情報量の少ない「モブ」を描画することもできています。

     ▲モブの情報量が適度に落とされていて、視聴を邪魔しない


これらは、どれも無印バナナやSDXLを使った従来のAI漫画作りでは難しかったことです。以前スタジオ真榊でR-18作品を作ったときは、脇役キャラまでわざわざLoRAを作って一貫性を保ったわけですが、やはり全部のコマが均一の描き込み量になってしまうきらいがありましたし、ネームや写植、集中線などの作業は自分で行わなければなりませんでした。

もちろんプロバナナでも、漫画の根幹部分はニンゲンが作らないとなかなか面白くならないわけですが、こうした強みを生かすことで、作画の苦労は大幅に削減できるはずです。


では、「弱点」のほうはどうでしょうか。


・プロバナナは「これがまだできない」

もう一度さきほどの遅刻4コマを観察してみると、プロバナナの苦手部分もあれこれ見えてきます。まず、我々日本人がぱっと読むと時系列がおかしく感じますね。これはプロバナナが「漫画のコマは左から右へ読むもの」と思い込んでいることが原因です。

日本語話者が普通に読むと4コマ目のリアクション「えっ?」が「今日、日曜日だよ…」というオチより先に目に入ってしまいますが、英語圏で学習されたプロバナナにとっては、これが正しい順に見えているということです(つまり3コマ目も、"学校まであと1分"が「間に合った!」よりも先に読まれると誤解しています。1コマ目の時計の位置も同じ)。4コマの場合も「コマは上から下へ、コマ内では右上から左下へ読むもの」という定義を与えるか、コマごとに細かな配置を指示してあげる必要があり、こうしたNanoBanana特有の「文化の違い」が、日本のユーザーにとってあれこれ創作の障壁になることをまず認識しておきましょう。


次に、ネタの内容です。プロバナナは文脈のある表現がかなりできるようになっていますが、どうしても「遅刻」と言えば「日曜日なのに学校に行ってしまった」という古典的なネタを「正解」として選んでしまいますし、それなら教室に誰もいないはずなのに、なぜかクラスメイトが突っ込むという妙な展開にも気づけません。

プロバナナは優秀な漫画生成AIですが、その実力は「典型的な正解」を考えるレベルにとどまっており、一般読者をひとりで納得させられるストーリーテリング力はまだないと思ったほうがいいでしょう。何度も試行を繰り返せばたまたまそれなりに見られるものができることもありますが、ストーリーや展開、セリフ回しはニンゲンが手綱を握って作らないと、なんともいえない微妙な作品を大量生産してしまうことになります。


これはどちらかというと、生成の仲立ちをしてくれているGemini 3 Proの性質かなと思います。Geminiと創作の壁打ちをしてみると分かるのですが、モデルとしての精度や実力が足りなくてありきたりなアイデアを出してくるというより、「ユーザーは理路整然として整った"正解漫画"を望んでいる」と判断しがちなところがあるようです。つまり、教科書通りの古典的なネタや展開が「正解」だと思い込んでいて、突飛な展開や描画は「良くない」ものとして選びたがらないんですね。


下図はぶるぺん(@blue_pen5805)さんのプロンプト例ですが、このようにちゃんと超展開を出すよう指示すれば、プロバナナもこのような漫画を出すことができます。要するに、プロバナナはユーザーに指示されない限り、極力「マスピ漫画」(展開や絵柄、タッチ、描画などが平均的な正解漫画)を出そうとしてくる性質がある、ということを理解しておかなければいけません。



さらにもう一つの弱点は、Gemini 3 Proとの「伝言ゲーム」による作画ミスがしばしば起きうることです。前回の特集でも少し触れましたが、プロンプト指示があいまいだったり、英訳しにくいニュアンスの日本語だったりすると、その部分で誤解が生じがち。例えば下図のように、Geminiは「やべー」という日本語表現を上手に画像生成モデルに伝えられず、何度生成してもその部分で誤植が生じる現象が確認できました。

            ▲何度やってもここで誤字るが…


        ▲セリフを「やばいらしい」に変えると無事通る


さきほどの遅刻漫画でも、タイトルが「遅刻RTA(Any%)」となっており、ネタを考案したLLMとの橋渡しがどこかでうまくいかなかったことがうかがえますね。


また、キャラクターの一貫性保持力もかなりのものではありますが、服装や髪型といった外見的特徴はしっかり保持できても、顔立ちやタッチの印象は変わってしまうことが多いです。さきほどの漫画はこちらの画像を参照させて生成したものですが、見比べるとやはりタッチが異なります。

     ▲「ムキムキミナちゃん」漫画で参照させたキャラデザ画像


「画風は@img1を厳密に再現してください。現代的な日本の2Dアニメイラスト調で、グラデーションを使わないフラットなセルシェーディングでお願いします」などと念押し指示すると、一貫性の保持力はある程度向上するときもありますが、そこまで安定しないようです。よって、普段自分が生成している画風と統一したければ、プロバナナの生成物をさらにimage2imageするなどの「ひと手間」が必要ということになります。




得意不得意を踏まえた「7つの活用法」

ここまで見てきたプロバナナの得意・不得意を踏まえて、漫画制作にどのように使うと効果的かをざっと考えてみると、以下のような活用法があるかと思います。


①おおまかお題指示

キャラクター画像やおおまかなお題だけを与えて1ページ漫画を作ってもらう手法。例えば、「このキャラが〇〇している4コマ漫画を作って」と指示して、細かいことは全部AIに丸投げする。

プロバナナお任せだと、基本的に「なんとなく整っているが、当たり前すぎてなんだかおもしろくない」ものになりがちだが、導入や場面設定はところどころ面白いことが結構ある。4コマの次のアイデアに詰まっているときに、こうしていくつか案出ししてもらうことで、インスピレーションをもらえるかもしれない。


②セリフや構図を詳しく文章指示

キャラ容姿を画像で、コマ割り・セリフ・ポーズ・擬音などを文章でそれぞれ伝えることで、完成した1ページを意図通りに生成する手法。吹き出しだけでなく、擬音や漫符なども指示可能。指示が細かくなるほど作画ミスしやすくなり、アバウトになるほど「一見整っているが退屈」になる傾向がうかがえる。コマの読み順も指定しないと、英語圏の読み順になってしまいがち。


③コマ割り・セリフを画像で指示

キャラ容姿だけでなく、コマ割りやセリフまで画像で指示してしまうスタイル。絵が入っていない「カラのコマ割り」を作って、プロンプト指示通り絵で埋めてもらう。読者の目に入る情報の順序や視線誘導まで考えてネームが切れる人向け。

応用として、漫画としての流れは問題ないのに絵が「惜しい」漫画が生成できたときに、いったん絵の部分だけをプロバナナに消してもらって「カラのコマ割り」を入手し、それを入力して「絵だけガチャを引き直す」ような手法も可能。


④ネーム指示

キャラクター位置や表情、吹き出し位置などを描き込んだネームをそのままNanoBananaProに与えて、キャラクター画像と合わせて完成漫画にしてもらう手法。「AIお任せ」部分がぐっと減るので、より意図通りになるが、操作者が漫画素人の場合はむしろ品質が上がってしまう。AIを使わないで、きちんと漫画作画ができる層向け。


⑤空白部分や「続き」の生成

あるページやコマを読み込ませて「この続きを生成して」とAIに指示する手法。コマの一部だけを空白にして、ふさわしい内容を埋めてもらったり、背景だけ、小物だけ、群衆だけを描いてもらったりすることもできる。


⑥漫画の一部修正(漫画インペイント)

「バッグをここに移動させて」「これを消して」「ここにこれを描いて」といった自然言語指示で漫画を修正してもらうインペイント的な手法。ミスが全くない漫画が生成されるまでガチャを繰り返すより、こちらのほうが効率的。うまくいかなかったところを白く塗りつぶして「空白部分にこれを描いて」と指示したり、下図のように赤ペンを使って任意の指示をしたりできる。


⑦最終調整(描写のパワーアップ・エフェクト等)

こちらは漫画の修正ではなく、描画の「パワーアップ」をはかる手法。「この漫画、間違いはないんだけれど、何かパンチが足りないなあ」と思ったとき、その画像を入力して「ここの表情をもっと大げさにして」「パンチの迫力を10倍にして」などと指示することで、描かれている内容の大筋はそのままに、描写をパワーアップさせることができます。

描かれている内容はそっくりそのままで、水彩画風にしたり、モノクロをカラーにしたりといったスタイル変更ももちろん可能。アイデア次第で、さらにさまざまな活用法が広がりそうに思えます。


以上、7つの活用法でした。


今後あれこれ実践を重ねる中でまだまだ思いつくかもしれませんが、とりあえずはこんなところでしょうか。今回の特集ではこれらの手法を順番に試して、有用な使い方やコツ、失敗しやすいポイントなどを明らかにしたいと思います。



実践1.キャラ画像+脚本指示

7つの活用法のうち、①の「おおまか指示」はさきほど遅刻4コマで試したので、②の「キャラの容姿を画像で与えて、文章で漫画作りを指示する」スタンダードな漫画生成から試していきます。題材はこちらの有名2chコピペ。


A:煙草吸ってもよろしいですか?

B:どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?

A:ふた箱くらいですね。

B:喫煙年数はどれくらいですか?

A:30年くらいですね。

B:なるほど。あそこにベンツが停まってますね。

A:停まってますね。

B:もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ。

A:あれは私のベンツですけど。


どこまで指示で縛るかどうかも含めて、あれこれ検証してみましょう。


<GeminiとFreepikの違い>

ちなみに、生成には前回の特集同様Freepikを使っていますが、Gemini上でも同じことができるはずです。ただ、アクセス殺到のせいか、プロバナナの生成はこのところあまり安定しておらず、特にGemini上では画像生成をなかなかしてくれないことがあるようです。Geminiでは従来通り「画像のみで返答して」「すぐに画像生成を開始して」と頼むなどしてごまかしていますが、個人的にはFreepikで生成するほうがスムーズに作業が進んでいます。

また、Freepikでは画像サイズ(1K~4K)とアスペクト比を選ぶことができますが、Geminiではプロンプトで指示する必要があります。(例:4:3の縦長で、4Kサイズで生成して)

Freepikでは1~2Kに比べて4Kの方がユーザー負担が大きくなるルール(月1000回まで高速生成できるUnlimitedモードが使えずクレジットを消費)ですが、Geminiでは特にこうした制限が明示されていません。ただ、プランによって使用上限が掛かる早さに違いがあり、4K生成を行うと内部的に早く上限に掛かる可能性がある点に留意が必要です。




1.丸投げ

まずはこの2chコピペのやりとりを、コマ割りなどはオールお任せでNanoBananaProに漫画化してもらいます。プロンプト指示は最低限で、非常にシンプル。


指示:このキャラクターともう一人の紳士の会話を題材にした1ページ漫画を生成してください。Aが紳士、Bがこのキャラクターです。

A:煙草吸ってもよろしいですか? B:どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?A:ふた箱くらいですね。B:喫煙年数はどれくらいですか?A:30年くらいですね。B:なるほど。あそこにベンツが停まってますね。A:停まってますね。B:もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ。A:あれは私のベンツですけど。


こちらが生成結果。

最後のミナちゃんの表情は特に指示していないのに、よく「オチ」を理解していますね。ただ、やはり全体に見るとイマイチなポイントが多いです。表情やアクションが平板で面白味に欠けますし、「一日に何本くい」「そんたらかあれくらい」などとセリフを複数間違えています。「どうぞ」の吹き出しがミナちゃんではなく紳士に向いていたり、コマの読み順が英語式に左上から右下へ向かっているのも気になります。


そこで、プロンプトに「コマは右上から左下に向かって読む順にしてください」という一文を加えてあと2枚生成してみました。同じプロンプトで出てきた2例がこちら。

ところが、今度はあれこれ別の問題が出てきてしまいましたね。


「タバコ吸ってよろしいですか?」の時点で既に吸っていたり、モノクロとカラーが混じったり、オチのミナちゃんの表情がカットされていたり、紳士のセリフを横取りしたり、セリフの冒頭に「A:」「B:」とついてしまったり…。プロバナナは英語ベースのモデルですから、コマ順を変えるとやはり混乱してしまうのでしょうか?


事故を避けるために、次のようにプロンプトをより詳細にしてみました。


指示:このキャラクターともう一人の紳士の会話を題材にした1ページのカラー漫画を生成してください。コマは右上から左下に向かって読む順にしてください。「」はセリフ、()はコマに描かれている内容です。

紳士「煙草吸ってもよろしいですか?」 (タバコを取り出す)

女の子「どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?」

紳士「ふた箱くらいですね」

女の子「喫煙年数はどれくらいですか?」

紳士「30年くらいですね」

女の子「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」紳士「停まってますね」(画面奥のベンツを指さす女の子とそれを眺める紳士)

女の子「ムフフ…もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ!」(決めポーズでドヤ顔する女の子)

紳士「あれは私のベンツですけど」(女の子が衝撃を受けてオチ)


()内にコマ内の動きを加えて、A・Bではなく紳士・女の子に変えたことで取り違えやミスを抑えるのが狙いですが、改善されるでしょうか。


こちらが生成結果。

うーん、最初に生成したときのほうが自然に読めたので、むしろ悪化しているように見えますね…。個別に見ると生成画像は正しいのですが、セリフやコマ割りの位置が的確でなく、漫画として成立していません。


右上から左下に読む読み順にさせたことで、NanoBananaPro的にはむしろ情報整理の難易度が上がった可能性を疑ってみます。無理に画像生成段階で完璧を目指すより、むしろ手綱を緩めてあげて、間違っている部分を手作業で直したほうがうまく生成できるのかもしれません。今度は最低限これだけは守ってほしい部分を除いて、ふたたび最初の単純な指示に戻しました。


指示:このキャラクターともう一人の紳士の会話を題材にした1ページのカラー漫画を生成してください。紳士「煙草吸ってもよろしいですか?」 (タバコを取り出す)

女の子「どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?」

紳士「ふた箱くらいですね」

女の子「喫煙年数はどれくらいですか?」

紳士「30年くらいですね」

女の子「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」紳士「停まってますね」

女の子「ムフフ…もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ!」(決めポーズでドヤ顔する女の子)

紳士「あれは私のベンツですけど」(白黒になって衝撃を受ける女の子でオチ)

下段の2コマは多少ましですが、全く改善していないように見えます。指示が詳しくなったからミスしたというよりも、全体を何コマで割るかや、各コマ目に何の絵とセリフが入るかなどを具体的に指示していないために混乱が起きている可能性がありそうです。


そこで、うまくいかなかった生成例とプロンプトをGemini 3 Proに投げて、このようにアドバイスを求めました。


この質問に対してNanoBananaProが提案したのは、いわゆる「Yaml形式」での生成指示でした。

これはセリフのト書きと内容、コマの内容をより機械可読的に整理する手法で、以前無印版の特集「NanoBananaで漫画を作ろう!」でも検証したもの。「以下のyamlプロンプトを作成して」と前置きしてストーリーを伝えれば、その場で作ってくれます。(FreepikはGeminiよりプロンプト上限が短いようですので、あまり長いと受け付けてくれないことがある点に注意)


無印ではひと手間かかる割に生成結果がさほど変わらなかったのですが、NanoBananaProではどうでしょうか。


Geminiが提案してきたプロンプト改善案は以下の通り。


指示:## 生成したい画像の概要

タイトル: 喫煙とベンツのジョーク

スタイル: 日本のカラー漫画形式、1ページ、6コマ構成

読む順番: 右上のコマから始まり、左上、右中、左中、右下、最後に左下のコマへと進む。

## キャラクター設定

* **紳士**: スーツを着た落ち着いた雰囲気の中年男性。短髪。

* **女子高生**: 眼鏡をかけた、表情豊かな女子高生。セーラー服、ポニーテール。 @img1 を参照。## 各コマの詳細指示

### コマ1(右上)

* **状況**: 紳士が女子高生に喫煙の許可を求めている。

* **描写**: 紳士がスーツのポケットからタバコの箱を取り出そうとしている。女子高生はそれを見ている。

* **セリフ(紳士の吹き出し)**: 「煙草吸ってもよろしいですか?」

* **セリフ(女子高生の吹き出し)**: 「どうぞ。」

### コマ2(左上)

* **状況**: 女子高生が紳士に質問をする。

* **描写**: 女子高生のバストアップ。少し首をかしげて興味深そうに質問している。

* **セリフ(女子高生の吹き出し)**: 「ところで一日に何本くらいお吸いに?」

### コマ3(右中)

* **状況**: 紳士が質問に答え、女子高生がさらに質問する。

* **描写**: 紳士が落ち着いた様子で答えている。女子高生はそれを聞きながら次の質問をしている。

* **セリフ(紳士の吹き出し)**: 「ふた箱くらいですね」

* **セリフ(女子高生の吹き出し)**: 「喫煙年数はどれくらいですか?」

### コマ4(左中)

* **状況**: 紳士の回答と、女子高生が背景の車に気づく。

* **描写**: 背景の路上に高級車のベンツが停まっている。紳士が答えている間に、女子高生がそのベンツに気づき、指をさしている。

* **セリフ(紳士の吹き出し)**: 「30年くらいですね」

* **セリフ(女子高生の吹き出し)**: 「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」

### コマ5(右下)

* **状況**: 女子高生の決めゼリフとドヤ顔。

* **描写**: 女子高生が自信満々の「ドヤ顔」で、ビシッと紳士に向かって指をさし、勝ち誇ったポーズをとっている。背景にはキラキラした効果。

* **セリフ(女子高生の吹き出し、強調)**: 「ムフフ…もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ!」

### コマ6(左下)

* **状況**: 紳士のオチと、女子高生の衝撃。

* **描写**: 紳士が涼しい顔で、車のキー(ベンツのロゴ入り)を女子高生に見せている。女子高生は予想外の事実に目を見開いて驚愕し、顔が真っ白になったり、石化しているようなコミカルな衝撃の表情。

* **セリフ(紳士の吹き出し)**: 「あれは私のベンツですけど」


これをそのまま読み込ませ、ミナちゃんの画像を与えて生成させると、こちらが出力されました。

中段だけ惜しいですが、何コマで割るか、それぞれのコマには何が描かれるかが具体化したことで、精度はぐっと上がったように見えますね。無印版ではわざわざLLMに頼んで脚本をYaml形式にする手間ほどの精度向上が見込めなかったのですが、プロバナナでは十分実用性がありそうです。


これくらいのミスであれば、ClipStudioを使って3コマ目を左右反転して、吹き出し内を入れ替えてしまえば、割と成立するように思えます(下図参照)。ただ、4コマ目にはそもそも紳士が描かれていないため、結構手を掛けないと加筆で修正するのは面倒そうですね。


実践2.漫画インペイント

これを直す手法として、以下のように間違えた部分を白く塗りつぶしてしまい、プロバナナに「穴埋め」を依頼する手法を試してみます。

これはさきほどの分類で行くと、⑥漫画の一部修正(漫画インペイント)に当たる手法。SDXLでも、Anytestなどを使って背景を埋めてもらいたいときなどに有効でしたね。


本当は「この漫画の中段、3コマ目と4コマ目を差し替えてください」などと指示すべきなのでしょうが、まずはさきほどGemini 3 Proが生成したYaml形式の指示文をそのまま使ってみます。ミス部分を空白にした画像と、ミナちゃんの容姿を渡して、そのまま生成してみました。



こちらが生成結果。

台詞が「どれくらいか?」とタメ口になっていたり、4コマ目にキャラがいなかったりと不具合はあるのですが、「空白埋め合わせ」はそれなりに実用性がありそうに見えます。


この時点でも下図のように誤字を手で直し、吹き出しの方向やミニキャラで補うことで、多少の引っかかりはありますが最低限漫画として流して読める程度にはできるかなと思います。


ちなみに、プロバナナが普通に生成するときのフキダシ文字はアンチック体、大声だとゴシック体です。一部ミスした部分を消して貼り直したいときは、フリーフォントならこちらの源瑛アンチック・源瑛Nuゴシック・源暎エムゴあたりがよいと思います。私は普段の漫画制作にこちらを使っています。


さて、今度はもっと分かりやすくなるよう「3コマ目と4コマ目を次のように差し替えてください」式の指示をしてみます。入力画像はさきほどと同じ、中段を白く塗りつぶした画像とミナちゃんのキャラ絵です。


指示:@img1の漫画の中段、3コマ目と4コマ目を次のように差し替えてください。コマは右上から左下に向かって読みます。女の子の容姿は @img2を参照してください。

コマ3(右中)状況: 紳士が質問に答え、女子高生がさらに質問する。描写: 右側で紳士が落ち着いた様子で答えている。紳士「ふた箱くらいですね」左側で女子高生がそれを聞きながら次の質問をしている。女子高生「喫煙年数はどれくらいですか?」

コマ4(左中)状況:前のコマを受けて、コマ右側で紳士が回答。紳士「30年くらいですね」女子高生がそれを受けて背景のベンツを指さす。女子高生「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」


こちらが生成結果。

紳士のセリフ「30年くらいですね」が消えてしまいましたが、おおむね期待した構図は守れました。これくらいのコマ密度だと、やはり画面全体で複数のミスが生じてしまうのはまだ避けられないようですが、ある程度のガチャや加筆で何とかなりそうですね。プロバナナによる漫画インペイント、実用レベルで使えそうです。


実践3.コマ割り・セリフを画像指示

ここまでは、スタンダードな「キャラ画像+文章指示」の漫画生成でしたが、ここからはコマ割りやセリフの位置を「カラのコマ画像」で指示して、それを守った生成ができるかどうかを試していきます。さきほどの分類では「③コマ割り・セリフを画像で指示」に当たる手法ですね。


最後に生成した画像を基に、こちらのコマ割りを作成しました。


Clipstudioなどを使って手作業でコマ割り+セリフを準備するのは面倒だったので、Gemini 3 Proにこのように指示して時短しています。簡単な日本語指示でこれができてしまうのは本当に凄い。


こちらの画像とミナちゃんの容姿を入力して、次のように指示します。文章はさきほどと同じ、Geminiに作ってもらったYaml形式のもの。ミナちゃんの容姿はミニキャラにしてみました。


プロンプトはまず、一番最初に読み込ませたごく単純なもので試してみます。


指示:@img1 のコマ割りをもとに漫画を生成してください。日本のカラー漫画形式、1ページ、6コマ構成。読む順番: 右上のコマから始まり、左上、右中、左中、右下、最後に左下のコマへと進む。女の子の容姿は @img2 を参照してください。紳士「煙草吸ってもよろしいですか?」 (タバコを取り出す)

女の子「どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?」

紳士「ふた箱くらいですね」

女の子「喫煙年数はどれくらいですか?」

紳士「30年くらいですね」

女の子「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」紳士「停まってますね」(画面奥のベンツを指さす女の子とそれを眺める紳士)

女の子「ムフフ…もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ!」(決めポーズでドヤ顔する女の子)

紳士「あれは私のベンツですけど」(女の子が衝撃を受けてオチ)


結果から言うと失敗です。こちらが生成結果。

Yaml形式の指示なしで生成すると、それぞれのコマに何が描かれているかがあやふやなまま生成が進んでしまって、このような取り違えが起きてしまうようですね。ミナちゃんの容姿はちびキャラに寄りましたが、画風はあまり再現されていないようです。


今度は、先ほどと同じYaml式の脚本スタイルで指示してみます。


指示:@img1 のコマ割りをもとに漫画を生成してください。日本のカラー漫画形式、1ページ、6コマ構成。読む順番: 右上のコマから始まり、左上、右中、左中、右下、最後に左下のコマへと進む。女の子の容姿は @img2 を参照してください。

【キャラクター】 ・紳士:スーツの中年男性 短髪 落ち着いた雰囲気 ・女子高生:眼鏡 ポニーテールで毛先が緑 ヘッドホン カーディガン セーラー服

【コマ1 右上】 絵:紳士がポケットからタバコを取り出す 女子高生が見ている 紳士:「煙草吸ってもよろしいですか?」 女子:「どうぞ。」

【コマ2 左上】 絵:女子高生のバストアップ 首をかしげて質問する 女子:「ところで一日に何本くらいお吸いに?」

【コマ3 右中】 絵:右側に落ち着いて答える紳士、左側に次の質問をする女子高生 紳士:「ふた箱くらいですね」 女子:「喫煙年数はどれくらいですか?」

【コマ4 左中】 絵:右に紳士、背景奥に停車したベンツ、左にベンツを指さす女の子。紳士:「30年くらいですね」 女子:「なるほど。あそこにベンツが停まってますね」

【コマ5 右下】 絵:女子高生が勝ち誇ったドヤ顔で指を一本立てる 背景にキラキラ効果 女子:「もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ!」顔の横に描き文字で「ムフフ…」

【コマ6 左下】 絵:紳士がベンツのロゴ入りキーを見せて微笑む 女子高生は白目になって衝撃を受けている 石化 紳士:「あれは私のベンツですけど」


こちらが生成結果。

というわけで、Xに投稿したものはこちらでした。4コマ目の左右の吹き出しの突き出す方向、「ムフフ」がダブルになっているところ、それとラストのコマのミナちゃんの赤眼鏡以外はおおむね成功ですね。1p6コマの一気生成はかなり情報過多で間違いやすいはずなので、このあたりがギリギリ正解できるかできないかの限界ラインではなかろうかと思います。


何度か同じ入力画像とプロンプトで生成してみましたが、安定してこの程度の生成が可能でした。

文章だけの指示よりも安定しており、多少手間はかかるものの、意図した通りの漫画を作るならスタンダードになってくるのではないかと思います。Yaml脚本も実用レベルと言えそうですね!


ここまでで分かったのは、


・文章だけで指示すると、発言者の取り違えが起こりやすい

・Yaml形式で各コマの内容や位置関係を指示すると改善するが、情報量が多いとむしろミスが増える(4~6コマ程度が限界?)

・空白コマの埋め合わせや、コマ割りや吹き出しを画像で与えて生成する手法は有効。ただし、Yaml形式で各コマの描画内容を説明する必要あり


ーといったところでしょうか。


ただ、読み込ませる「絵なしネーム」を自分で作るのはちょっと面倒ですし、漫画に慣れていないと読みにくくなってしまいそう。上の例で試したように、「セリフの流れをGemini 3 Proに与えてコマ割りを脚本化」「脚本をもとに1ページ漫画を生成」「吹き出しとコマ割りを残して"絵なしネーム"化(必要なら文字修正)」「キャラ容姿と絵なしネーム、脚本を与えて最終生成」という流れで作るのもよいでしょう。




実践4.4コマ漫画を脚本から作る

Yaml脚本の実用性が裏付けられましたので、今度は各コマの内容をきっちり脚本で指定した4コマ漫画を指示してみます。入力画像は先ほどと同様、ミナちゃん1枚のみ。縦に長い4コマ漫画を生成したいので、アスペクト比は9:16の縦長を指定します。


さきほどはGeminiに脚本を考えてもらいましたが、手打ちであれを全部打ち込むのはなかなか大変ですので、もう少しシンプル化させたいところですね。あれこれ試してみて個人的に効率が良いと感じたのは、<冒頭指示><登場人物><各コマの情報(登場人物の位置関係とセリフ、書き文字など)>の順に書く方法。それぞれ、以下のようなコツがあります。


<AI漫画脚本のコツ>

・冒頭指示では、これから生成する漫画の全体像がイメージできる情報を具体的に伝える。例:「白黒のタイトルつき4コマ漫画」「右上から左下に向かうカラー漫画」「2pの漫画の1p目を作ってもらいます」

・登場人物一覧にはキャラクター呼称と属性、最低限守ってほしい容姿条件を書く。容姿を画像で固定したい場合は、geminiなら「1枚目の画像を参照」、Freepikなら「@img1を参照」などと書く。

<例>あんな:黒いロングヘアの主婦。小柄だが鋭い目つきでクール。長袖のTシャツにデニムを履いていて、胸は小さめ。容姿は@img2を参照。

容姿条件を増やしすぎると再現されないものが出てくるので注意。容姿を画像で指示するキャラについても、「ポニーテールで眼鏡の女の子」などと特徴を書いておくと取り違えが減るようだ。

・キャラ容姿については、比喩が意外と重要。「いつも眠たそうな目をしている女性」「北斗の拳のような屈強な男」など、頭の中で描いたキャラの特徴を電話口でどう伝えるかイメージする。

・4コマのタイトルは"<タイトル>「〇〇」(横書き)"のように書いておけば再現されやすい。

・各コマではキャラ「セリフ」(説明)の順に書き分けると誤解が少ない。さきほど決めたキャラ呼称をここで使う。キャラの左右関係やポーズもできるだけ書くこと。セリフは普通、コマの右上から左下へ向かって読者の目に入るので、先に読まれる台詞をしゃべるキャラは右側に配置する必要がある。

<例>配達員「奥さん、ちょっといいですか?」あんな「はぁ?あんた誰?」(右ににやにやした表情の配達員、左にあんなのバストアップ。あんなは腕を組んで不機嫌な表情)

・指示を守ってくれるのはおそらく1生成あたり5~6コマが限界。それ以上なら2pに分けて生成したほうが効率がよくなる。


これらを踏まえ、次のような脚本を書いてみました。


指示:次の4コマ漫画を白黒で生成してください。ミナちゃんの容姿は@img1を参照してください。

登場人物 新人AI部員ミナちゃん、AI部部長(髪が長くいつも余裕そうな目つきの女の子)、AI部の皆さん(全員北斗の拳のような劇画調の屈強な男たち。額に「武威裸夢命」と書かれた白いはちまきをし、白いふんどし姿で、目の周りはマッドマックスのウォーボーイズのように黒く塗っている)

タイトル「AI部」(横書き)

1コマ目 相談するミナちゃん「部長…思った通りの画像がなかなか生成できないんです」 部長「ちゃんと『奉納』はした?」(奉納のみゴシック体で太字) ミナちゃん「奉納?」

2コマ目 部長「打鮑、勝栗、昆布の奉納…そして武威裸夢様へのニ礼二拍手は界隈では常識よ」吹き出しの外に手描きで小さく「ノイズに打ち勝つ☆」と書かれている ミナちゃん「武威裸夢様!?」

3コマ目 「武威裸夢様ァ〜ッ!!」 「「「英!愛!英!愛!英!愛!英!愛!」」」( 屈強な褌姿のAI部の皆さんが手を合わせ、大迫力で祈りを捧げている。リーダーは両手をV字に掲げ、横には「※VRAMを称えるポーズ」と小さく書かれている。神棚にはバナナがひとふさそなえられている。

4コマ目 部長「ね?」 (右に笑顔の部長、左に無言でビビるミナちゃん。ふんどし男が手で大きくバッテンのポーズをしている。横に「※RTXを称えるポーズ」と書かれている)

これは、漫画作りの手綱をしっかり自分で握るならどこまで詳しく脚本を書き込むべきか?を考えながら作った脚本です。さきほどの「タバコとベンツ」コピペは既存のネタそのままでひねりがなかったので、得体の知れない年上の「部長」に振り回されるミナちゃんを軸に、科学的なのかと思いきや超スピリチュアルなナゾのAI部ギャグを考えてみました。


こちらが生成結果。

せりふの誤植と最終コマの「大きく手を交差させ」の誤解(手が本当に大きくなってしまった)がみられるほかは、ほぼ完璧な出来となっています。誤植は"二礼二拍手"のひとつめの「ニ」が漢字ではなくカタカナになっていたのが原因だったようですね。やはり、英語翻訳がしにくい部分があるとプロバナナは写植をミスってしまうので、よく注意しましょう。


こちらが修正後。主な変更点は太字にしています。


修正:次の4コマ漫画を白黒で生成してください。ミナちゃんの容姿は @img1 を参照してください。 登場人物 新人AI部員ミナちゃん(ポニーテールで眼鏡、首にヘッドホン)、AI部部長(髪が長くいつも余裕そうな目つきの女の子。ミナちゃんと同じセーラー服)、AI部の皆さん(全員北斗の拳のような劇画調の屈強な男たち。額に「武威裸夢命」と書かれた白いはちまきをし、白いふんどし姿で、目の周りはマッドマックスのウォーボーイズのように黒く塗っている) タイトル「AI部」(横書き) 1コマ目 相談するミナちゃん「部長…思った通りの画像がなかなか生成できないんです」 部長「ちゃんと『奉納』はした?」(奉納のみゴシック体で太字) ミナちゃん「奉納?」 2コマ目 部長「打鮑、勝栗、バナナの奉納…そして生成中は武威裸夢様への二礼二拍手が界隈では常識よ」吹き出しの外に手描きで小さく「ノイズに打ち勝つ☆」と書かれている ミナちゃん「武威裸夢様!?」 3コマ目 「武威裸夢様ァ〜~~~~ッ!!」 「英!愛!英!愛!英!愛!英!愛!」( 屈強な褌姿のAI部の皆さんがパソコン本体に向かって大迫力で祈りを捧げている。リーダーは両手を上げてV字に掲げ、横には「※VRAMを称えるポーズ」と小さく書かれている。神棚にはバナナがひとふさそなえられている。 4コマ目 部長「ね?」 (笑顔の部長、真っ青で震えてドン引きしているミナちゃん。ふんどし男が手をクロスさせてXのポーズをしている。横に「※RTXを称えるポーズ」と書かれている)

これでほぼ完璧になりました。部長のキャラデザは何度かガチャをして、これが一番気に入ったので、私由来ではなくプロバナナがミナちゃんのキャラデザをもとに想像したサブキャラクターです。「いつも余裕そうな目つき」という比喩の意図がしっかり理解されていますね。


文字部分の修正はクリスタでささっと直すだけで問題なくできますね。意外だったのが、「奉納」以外の文字もゴシック体で目立つようにしてきたこと。「大声の吹き出しは太いゴシック体にするもの」と学習しているようですが、ミナちゃんがこれから突っ込む「武威裸夢様への二礼二拍手」をボケとして強調したところは、教科書的な基本をしっかり押さえているなと感じました。


AI部部長のキャラデザは画像指定していないので、生成するたびに変わりますが、気に入ったキャラデザが出たときはそこだけスクリーンショットで切り抜いて新たな入力画像にすれば固定することができます。下図のように文字が入ってしまっても、特に悪影響はないようでした。



実践5.H漫画のドラマパートを作る

さきほどは1ページで完結する漫画でしたが、複数ページにわたって続く漫画も同じ手法で作ることができるかを試してみます。こちらのページを例に、キャラクターの一貫性維持ができるかを検証しました。

こちらのページは以前、主にSDXLを使って作った漫画作品「奪妻契約」の冒頭です。当時はコマごとにコートやキャリーのデザインの一貫性を保つことが難しく、手だけのコマの生成が安定しなかったりもしました。(当時の作り方はこちらの制作記を参照)


もし当時NanoBananaProがあったら、このページをどう作っていたでしょうか。また、次ページ以降と違和感なく読める程度の一貫性は保てるでしょうか。


さきほどと同じやり方で、下図のような「カラのコマ割り画像」を作り、空白部分を埋めてもらうやり方を試してみてもいいのですが、それだと「答え」が先にあって確かめ算をしているような恰好になりますので、当時ゼロから漫画を作ったときと同様に、キャラクターデザインとセリフしか決まっていない段階を想定します。


上のようなコマ割り画像で指示することができませんので、次のような脚本を作りました。


指示:カラーの1ページ漫画を生成してください。縦長のキャンバスで、セリフは日本語の縦書きです。右上から左下に向かって読みます。

【キャラクター】黒いTシャツ姿の夫と白いコート姿の妻。夫の容姿は @img1  、妻の容姿は @img2 です。すべてのコマで必ず一貫性を保ってください。

【ページ全体の内容】望まない外出先に向かう妻。無理に明るく振る舞って家に残る夫に別れを告げ、抱擁する。

【コマ割り】1コマ目(画面右側ぶち抜き): 玄関でドアを開け、外光を背に振り返る妻。白いコートを着て青いキャリーケースを持っている。不安でいっぱいだが、夫を心配させまいと健気に微笑んでいる。 背景にはドアの向こうに広がる外の景色と光、手前は玄関の少し落ち着いた空気感。「じゃあ…行ってくるね…」2コマ目(左上): 玄関口で座り込み、うつむく夫。「俺のせいでこんなことに…! 綾香…ごめん、俺…ッ」自責の念、絶望、後悔の表情。3コマ目(左中):明るく振る舞う妻のバストアップ。 「あはっ… 私ね、亮くんのためならこんなの全然へーキだよ!」(無理をして明るく振る舞う、強がり)4コマ目(左下):立ったまま玄関で夫を抱きしめる妻。 「寂しがらないで、ちゃんと待っててね。大好きだよ、亮くん…」(愛おしさ、甘え、離れがたい気持ち)


入力画像はこちらの2枚です。


「右側ぶち抜き」が通じるかは心配ですが、とりあえず生成させてみましょう。Freepikの入力画面はこのような感じになります。


こちらが生成結果。

おお、「ぶち抜き」は普通に通じるようですね!完成図の参照をさせていないのに、ほとんど私が作ったページと似た構図が再現できました。

ただ、1コマ目は参照画像そのままなのでまだましですが、2コマ目以降の顔立ちは典型的な「NanoBanana顔」といった感じで、ページ内で一貫性を欠いているように思います。


キャラクターの顔立ちを固定するには、参照画像を増やしてみるとどうでしょうか。

このように枚数を増やしてみました。(プロンプトはそのままです)


こちらが生成結果。

うーん、多少はマシになりましたが、読み込ませたイラストの画風そのままとは言いづらいですね。プロバナナは服装や髪型などの外見的特徴は一貫性を保てるようですが、顔立ちや画風の再現についてはSeedream4に及ばない印象です。


<プロバナナ漫画を"自分画風"に戻す>

このままではページごとに顔立ちが変わってしまい、導入のドラマパートとしては使えません。何とかして、顔立ちだけでも普段のSDXLモデル画風に戻す必要があります。


画面全体を薄くimg2imgするとか、顔部分を塗りつぶして線画継承するなどのやり方がありますが、まず基本となるのは、やはりこのように顔だけをインペイントする手法。それも、ControlnetのNoobaiInpaintを使うやり方がよいと思います。


このやり方が優れているのは、コマごとに表情が違っても対応できる点です。例えば、画像全体の画風をいつもの画風に寄せたいからと画面全体をimage2imageしてしまうと、どうしても複数コマで「smile,sad,surprised」などの混じったプロンプトを適用することになり、コマごとに適切な表情にすることができません。インペイントなら一つずつ狙った表情にできますし、それ以外の部分で意図しない変化が起きるのを防ぐことができます。


やり方は簡単で、プロバナナで作った「構図完璧・画風イマイチ」な画像をimg2img欄のInpaintタブで読み込みます。プロンプト欄には、キャラクターの顔部分を生成できるプロンプトのみを記入します。その上で、このように画風を寄せたい部分をブラシで塗りつぶします。(Sキーを使うとキャンバスを拡大できます)


Controlnet画面はこんな感じ。Controlnetを使ったNoobaiインペイントの詳しいやり方については「インペイントが理解る!」をご参照ください。


i2i強度(ノイズ除去強度)は「1」にするとプロンプト通りの画像になります。ここでは、「1girl+キャラクター容姿タグ+sad smile,horrified」で不安げな笑顔を表現してみます。


こちらが生成結果。女の子の顔のみ3か所同時インペイントしています。

右のぶち抜きはあご部分に元画像の色と境目ができてしまいましたが、おおむね画風を寄せることができました。

ただ、3コマ目「こんなこと全然ヘーキだよ」の表情がやや不自然なのが分かるでしょうか。この表情は、夫を心配させないよう気丈にほほ笑んでいるシーンなのですが、これでは不安感が強すぎて文脈がそぐいません。むしろNanoBananaのほうがきちんと文脈を理解した表情になっています。(これだと明るすぎますが)

こういうときはノイズ除去強度を下げればOK。さきほどは最大の「1」(100%)だったので、image2imageではなくほぼ新規作画になっており、読み込ませたNanoBanana画像を無視していましたが、ここを「0.5」(50%)にすれば、半分くらい入力画像を参照してくれます。つまりこのように…

NanoBanana画像が目を閉じていたのを踏襲して、表情をふさわしいものにしてくれるというわけです。その分顔立ちを似せる力は弱まりますが、NanoBananaはかなり近いところまで寄せてくれているので、問題なく画風を一致させることができるわけですね。


これでも少し違和感は残るのですが、1ページをこんなに早く生成できるのはすごいですね。セリフの「こせなこと」や、そのコマの服装がコートでなくなっているなどの細かい間違い探し+修正はしなくてはなりませんが、ドラマパートの生成は各段にスムーズにできるようになっています。


当時はヒロインの着ているコートのデザインから、各コマごとに一貫性を保たなければならなかったので、ちまちまとボタンの数を数えてはインペイントや加筆で直していました。プロバナナでここをクリアできたなら、もっとずっと作業は楽だったでしょうし、その分もっと重要なパートの描写に力を入れられたと思います。


<画面全体の画風をそろえられるか>

ただ、さきほどのインペイント法では、顔以外の部分の画風・タッチをそろえることができません。当時のページといま作ったプロバナナ画像を見比べると、やはり画風の違いが目立ってしまいますね。当時の画風(左)はもっとフラットで明暗がはっきりしています。


「薄めにimage2imageすればよいだろう!」と思うところですが、実際にやるとこのようなさまざまな問題が生じてしまいます。

文字はともかくとして、せっかくNanoBananaに揃えてもらった細かいキャラデザや文脈が再びランダマイズされてしまうのですね。男性キャラの顔が変容したり、青いトロリーがバッグ化したり…。「faceless male」「rolling_suitcase」などと正確にプロンプト指示してなんとかしようとしても原理的に無理があるので、この手法はまず諦めましょう。


一つ可能性があるとすれば、線画部分を保持して塗りだけを変えるControlnet、Anytest v4です。ノイズ除去強度0.6-0.75程度、Controlnetの重み1で掛けてimage2imageしてみます。


するとこのように、線画部分はしっかり保持されつつ、塗り部分を普段のモデルに寄せることができます。ただ、男性キャラのお尻の下の板が青色に変色したり、女性の左手が手袋風になったりと、やはり望まない変容は起きてしまいますね。


個人的な感想としては、NanoBananaProを使ってせっかく正確性のある構図・描写を得たのに、全体image2imageを掛けてしまうのはやはりもったいないと思います。もしそこにこだわるなら、SDXLを使うよりも、NanoBananaProに最終レタッチをお願いしたほうがまだ何とかなる気がしますが、どうでしょうか。


<NanoBananaProは画風を寄せられる?>

せっかくカンタンに漫画が作れるNanoBananaProでここまで手間をかけるのはナンセンスかもしれませんが、要するにインペイントで顔立ちを普段の画風に揃えた後、最終レタッチをもう一度NanoBananaProに頼むということです。


このように指示することで、続きものとして見られる程度に塗りのタッチをそろえられるか試します。


ところが、残念ながら二つの画像が微妙に混じった画像になってしまいました。「img2のカラー」というだけでは具体的に何をどうすればよいのか伝わらなかったようですね。


今度はこのように、「フラットなアニメ塗りにしてください」と頼んでみましたが…。


やはりこのようになってしまいました。自然言語だけでタッチのニュアンスを伝えるのにはなかなか無理があるようですね。


今のところ一番良い結果になったのは、やはり正攻法でキャラ画像を読み込ませ、このタッチやデザインを厳密に守るよう念押しするやり方でした。


指示:@img1 のタッチを @img2 の画風に変えてください。特に重要なのは瞳のデザインや瞳孔の色、顔立ちなどを完璧に統一させることです。着色は徹底してフラットなセルシェーディングで行い、影の境界線はぼかしません。リッチすぎるグラデーションや厚塗りの要素は排除し、同一人物が描いたように画風を厳密に守ってください。


入力画像はこのように、できるだけ顔立ちや塗りの特徴が伝わるようなサンプルを3枚入れました。


並べて比較してみます。リッチすぎて統一感が失われていた塗りを、目標の塗りに近づけることができています。ただ、よく見ると3コマ目の表情が変更されてしまっていますね。確かにプロバナナの持つ「漫画力」をうまく生かしつつ、狙った画風に近づけることはできているのですが、ここまでに掛かる手間を考えるとなかなかなコストです。


漫画作品の全てのページをこのように一枚一枚プロバナナで最終レタッチするのはさすがにホネです。この段階でこだわるなら、そもそもプロバナナで最初に構図作りをした段階で、画風も厳密に守るよう細かくプロンプト指示したほうが楽そう。


NanoBananaProはこれまでできなかったことがかなり広範にできるようになっていますが、「完璧」を求めるとまだできないことや、面倒な作業を求められることもままあります。このあたりの実用性は次世代モデルであっさり解決されるような気もしますが、現状プロバナナを漫画に活用するなら、このようなフローが妥当ではないかと思います。


小括 ーAI漫画と「虚無」ー

というわけで、既に2万字を超えてしまったので、第1回はここまで。この一週間、これまでやりたくても試せなかったさまざまな漫画作りを試してみて、プロバナナの凄さを大いに味わうことができました。例えばこの作品は、創作ではなく自分がまさにその日体験してツイートしようと思った内容をそのまま漫画(エッセイ風挿絵)にしてみたもの。このようにモブキャラや背景、犬にまで一貫性を持たせ、しかも適切に配置することは、SDXLでは気軽にはできませんでした。

ただ、プロバナナを使ってあれこれものを作れば作るほどに、やはり漫画作りの中には、AIに手綱を任せてはならない「キモ」のような部分があることも感じるようになりました。


・AIによる「虚無化」

画像生成AIで漫画やイラストを作る仲間同士で「虚無」という言葉を使うことがよくあります。言語化がやや難しい概念なのですが、"一見整ってはいるんだけれども、投稿者が何を表現したかったのかピンとこない、AI創作によくある「目がすべる」感覚"を指す造語です。我々が初心者のころに作っていたAI絵はたいていカメラ目線のマスピ顔でupperbodyの1girlで、指やボタンやまつ毛などの細部がおかしかったりしたと思いますが、まさにああいったものを見たときに感じる「どういう感想を持ったらいいか分からない」感覚、それが「虚無」と思っていただければ近いです。


「どうなったら虚無で、どうしたら虚無でなくなるか」はぱっと言えないのですが、例えば、私はこのキャラ画像に「虚無」を感じます。

これは、キャラの容姿を固定するための入力画像としてプロバナナに作ってもらったもの。服の破れている部位まで指示したデザイン通りで、よく整っていますし、目立ったミスもないのですが、全体にトーンが一定で、目が滑るような感覚があります。ビールの宣伝で「丸くなるな、星になれ」というコピーがありますが、まさに丸すぎて引っかかるポイントがなく、なんとも印象に残らないのですね。要するにプロバナナは人一倍「星になるな、丸くなれ」と教育されているわけです。


プロバナナに漫画制作をお任せすると、この「丸くなれ」の影響が絵だけでなく、セリフ回しや構図にも見えにくいかたちで現れてきます。知らず知らずのうちに、プロバナナが手掛けるすべての要素が「マスピ」に整えられているのですね。特に、アオリや俯瞰が少なかったり、「漫画パース」と呼ばれる特有の遠近法などが活用されていないと、学習漫画や紙芝居風になってしまい、エンタメの命である臨場感が得られません。


原作者が同じで作画が異なる漫画を思い浮かべてみると、キャラクターの容姿が全然違っても、セリフ回しや展開、構図の見せ方などで「ああ、思いっきりあの人の漫画だな」と分かることって結構ありますよね。例えば、「僕たちがやりました」「ブルーロック」「ジャガーン」「神様の言うとおり」は同じ原作者さんで、作画が違ってもすごく共通した作風を感じることができます。あれと同じで、ネーム自体をAIに任せてしまうと、どうしても本来我々からにじむはずの作風が遮断されてしまい、伝えたいことがビジュアルから臭わない、薄い膜が張ったような「虚無」のもとになってしまうようなのです。


1pだけの作品、例えば4コマ漫画1作だけなら、人間がじっくり手を入れることで「虚無」をある程度取り払うことはできるようです。しかし、長いページの作品を作っていくと、ページごとにキャラクターや絵柄の差異が目立ってしまったり、AI任せの展開やコマ割り、セリフなどが増えたりして、「虚無度」が高まってしまうように感じます。上手に漫画作りをこなせるプロバナナによって、AI漫画の無個性化はさらに進んでしまう感触があるので、時短した分手を掛けて、自分の個性やこだわり、性癖、萌え、推し、好きを画面から匂わせていきたいなと思うところです。


長くなってしまいましたが、次回は第二回ということで、「存在しない続き」「存在しない導入」の生成や、「Geminiを使った作品批評と改善」などなどの手法を検証していきたいと思います。


それでは今回はこのへんで。もしこの記事が何かの役に立ちましたら、こちらのツイートをいいね・RPなどしていただけるとすごく嬉しいです。



スタジオ真榊でした。


<第2回に続く>




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