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「NanoBananaPro」で創作はどう変わる?進化ポイントを徹底検証

Published 11/22/2025, 02:18:59 AM · Edited 11/23/2025, 02:53:42 PM

「NanoBananaPro」で創作はどう変わる?進化ポイントを徹底検証













こんばんは、スタジオ真榊です。2025年11月20日、Googleが画像生成AIの最新モデル「NanoBananaPro」(正式名称・Gemini 3 Pro Image)を公開しました。既にGeminiやGoogleAIStudioのほか、Freepikなどの生成プラットフォームでも生成可能になっており、Photoshopにも搭載済。旧モデル(以下、無印NanoBanana)とは比べものにならない精度と文脈理解、非常に高い日本語レンダリング機能を備えており、一夜にして景色が変わったレベルの衝撃を感じています。


こちらは左が無印、右がProで生成した同じストーリーの漫画。

画像編集ソフトによる文字入れはしておらず、吹き出し内も含めてすべて生成物です。これだけでも、「Pro」の文脈を理解する力と文字レンダリング機能の飛躍的向上が実感できます。


今回はデビュー初日の「最速レビュー」として、主に「無印」と「Pro」の違い、進化したポイントに重点を置き、何ができるようになったのか、まだできないところは何か、それによって創作のワークフローがどう変わるか、といったところをあれこれ検証してみました。


これまでの主なNanoBanana特集はこちら。


目次

「NanoBananaPro」とは

「NanoBananaPro」はどこで使える?

  ・FreepikにおけるNanoBananaPro

  ・PhotoshopにおけるNanoBananaPro

実践

  ・生成できない指示内容

検証1.文脈を理解した文字込みの生成

  <考察>

検証2.ポーズ・表情・服装・背景を変更

検証3.ストーリーボード・漫画作成

  <欧米式の読み順を直すには>

検証4.イラストの線画抽出・カラー化

検証5.ラフの線画化

検証6.複数画像による指示

  <多人数生成>

検証7.実写背景の加工・合成

検証8.任意のターゲットを編集

検証9.スタンプ作成

検証10.カメラ角度の変更

検証11.ポーズ指定

検証12.インフォグラフィック作成

検証13.記事サムネイル作成

検証14.破綻した手の修正 New!

終わりに

「NanoBananaPro」とは

まずは現状の整理から。Google DeepMindは2025年11月20日、最新の画像生成AIモデル「Nano Banana Pro」を発表しました。無印のNanoBanana(Gemini 2.5 Flash Image)が発表されたのは8月26日でしたので、約3カ月でフラッグシップモデルが更新されたことになります。無印登場の際は、あくまでNanoBananaは通称という扱いでしたが、現在はむしろ「Gemini 3 Pro Image」よりネームバリューが出てしまったので、公式もNanoBanana呼称を積極的に使うようになっています。


Googleはこれに先だって、最新LLMモデル「Gemini 3 Pro」を公表。体感でも各種ベンチマークでも、ChatGPT5.1を大きく上回る圧倒的性能を示しています。NanoBananaProはこのGemini 3 Proの「世界知」を利用することで、指示の文脈をより深く理解してキャラクターの一貫性を保つことができるようになったモデル。無印とは比べものにならないレベルで、複雑・広範な指示に対して柔軟に対応できるようになっています。



公式の説明やSNSなどで見られる実際の生成例をまとめると、主な性能向上ポイントは以下の通り。


・自然言語指示への対応力が飛躍的に向上し、操作者の意図や文脈をより深く理解できる

・最大14枚までの画像を入力可能。5人までのキャラクター容姿を一貫性保持できる(※プラットフォームによっては入力枚数制限あり)

・日本語レンダリング機能が飛躍的に向上。漫画1pを吹き出しつきで生成可能に

・文字装飾のバリエーションや一貫性も向上しており、場面に応じた字体を使用可能(※有償フォントを模倣すると権利問題になるので要注意です)

・定番のカメラアングル変更のほか、フォーカス、ライティング、カラーなどの調整がより高度に

・「右から3番目をこのキャラに差し替えて」「右上の鳥だけを消して」など、画像の一部を指定して変更する「インペイント」編集がより正確に

・高度な画像翻訳機能を備え、写真やスクリーンショット内の文字を別言語に変更可能

・1Kから最大4Kサイズでの画像生成が可能に

・いわゆる「インフォグラフィック(概要説明図)」やコンテンツのサムネイル画像が実用レベルで作成可能


いずれの機能も「無印」やSeedream4.0など既存モデルでもある程度可能ではありましたが、「Pro」はそれらと比較にならない利便性を実現していると感じます。とはいえ、生成ミスが全くないわけではなく、まだできないこともあるようですので、一つ一つ実際に検証してみたいと思います。

   ▲以上の文章をNanoBananaProに読ませて作らせたインフォグラフィック



「NanoBananaPro」はどこで使える?

Nano Banana Proは、Geminiアプリで「Thinking」モデル(つまりGemini 3 Pro)を選択した上で、ツールボタンから「🍌画像を作成」をオンにすることで無料ユーザーでも使用が可能です。

ただ、無料ユーザーでは生成量に制限があり、一定枚数を超えると無印版に戻ってしまうとのこと。Google AI Pro(月額2,900円)、Ultra(月額36,400円)といった有償ユーザーの場合は、より多くの枚数が生成可能ですが、Proは「上位」、Ultraは「最上位」とだけ書かれており、それぞれの具体的な制限枚数は不明です。(ちなみに最安価のGoogle AI Plusは日本では未展開)


Google AI Studioでも使用が可能ですが、無印と違い、NanoBananaProの利用には有償のAPIキーが必要。とりあえず体験してみたい方は、まずGeminiで触ってみるのが早いと思います。


このほかにも、スタジオ真榊でも年払い契約している「Freepik」や、「SousakuAI」などさまざまな画像生成系プラットフォームでNanoBananaProの実装が進んでいます。



・FreepikにおけるNanoBananaPro

「Freepik」では、Premium+とProの年間プランで利用が可能。1K・2K生成は無制限で、4K生成にはクレジットを消費しますが、本日から1週間は無制限とのことです。


Freepikでは競合モデルであるSeedream4も使用でき、速度やUIも満足しているのですが、高価なのが玉に瑕。また、当初は無制限に4枚同時生成を乱打できた「Premium+」プランもやや改悪され、月間一定量を超えると速度制限が掛かるようになっています。Freepikについてはこちらの記事も参照のこと。


実際の使用画面はこのような感じ。モデルを選び、入力画像を読み込ませて、日本語で指示すると、このように生成結果が表示されます。指示文章は右側からリユースする(呼び出す)こともでき、生成画像を新たな入力画像にするのもドラッグ一発です。ちなみに、無印NanobananaやSeedream4は4枚同時生成ができたのですが、NanoBananaProは1枚ずつの生成しかできない点に注意が必要です。


生成サイズやアスペクト比はこちらから指定可能。NanoBananaは無印時代からアスペクト比の忠実再現が苦手で、Proでも縦型を指示しているのに横型のキャンバスで出力されることが何度かありましたが、精度は上がっている印象です。画像サイズは1K~4Kが指定可能。先述した通り1K、2Kなら11月27日までの1週間、Premium+の「∞Unlimited」モードで使用できます。

このシステム、無制限なのか無制限じゃないのか分かりにくいのですが、一言でいうと「右側の∞ボタンをONにすると、月間一定量だけクレジット消費なしで高速画像生成ができますよ」というもの(公式説明参照)。つまり27日以降は、Premium+プランでも「NanoBananaProを使いたいなら毎回クレジット消費してね」となるわけですね。


Premium+プランで最高速度の生成がクレジット消費なしでできるのは、1カ月あたり1000枚まで。その後は鈍足になり、プランに応じてもらえるクレジットを消費すれば最速に戻せる(足りなくなれば追加購入)という仕組みです。クレジットについてはやや複雑なので、こちらの公式解説や消費クレジット一覧を熟読のこと。プランごとの料金表はこちらです。


簡単にまとめますと、月額5,850円、年払いで3,656円のPremium+プランは月払いプランなら月45,000クレジット(次月繰り越しなし)、年払いプランなら年540,000クレジットを自動付与され、NanoBananaProは1枚あたり250-500クレジット消費する仕組み。1K-2Kは1000枚まで無制限、それ以降は月180枚まで最速にできて、4Kは来週から無制限使用不可、月額クレジット換算だと月90枚までということですね。


・PhotoshopにおけるNanoBananaPro

Adobeの各製品にもNanoBananaProの実装が始まっていますので、Adobe税を納めている皆さまはさっそく使うことができます。FireflyのWebアプリ版で画像生成ができるほか、Photoshopでも「生成塗りつぶし」機能で使えるサードパーティAIにNanoBananaProが追加されていました。(Beta版からではなく、既に正式版に搭載されています)


選択範囲を指定すると出てくる「生成塗りつぶし」を選択し、右側のモデル選択ボタンを押せば、このように「Gemini3(NanoBananaPro)」が選択できるようになっています。

ちなみに記事執筆現在、AdobeはBlackFridayセール中(個人向け・法人向け50%OFF・11/28まで)ですので、加入を迷っている方は今がチャンスかもしれません。


Photoshopと連携できると、NanoBananaProの使い勝手はさらに向上します。例えば「被写体の選択」が一発でできるので、反転して背景だけを選択。


NanoBananaProの塗りつぶしで、「女の子が満開の桜の下で笑顔を浮かべています」とすると、キャラ部分を保持したままこのような画像変更ができます。キャラクターへの光の当たり具合を踏まえて、自然になじむよう背景も夕方のライティングになっていますね。


PhotoshopにおけるNanoBananaPro活用についてはこちらの記事を参照のこと。Freepikなどのプラットフォーム上で生成するのとは異なり、画像編集ソフト上でダイレクトに活用できる上、「調和」機能などと連携させることで全く新しい創作体験ができるようになっています。



実践

さて、ここからはさっそく各種検証を行っていきます。無印のレビューで行った17種の比較実験を軸に、どんな部分が進化したのか、まだできないのはどんなことなのか、さまざまな検証を行いました。せっかく1週間無制限生成ができるので、基本的に生成にはFreepikの1Kもしくは2K生成を使用しています。


Freepikでは、アスペクト比をこのような選択肢から選べます。autoにしておくと、指示に応じて自動的に適切な比率が選ばれます。(ときおり指示と異なるアスペクト比になることもありましたが、おおむね守ってくれました)



・生成できない指示内容

無印に引き続き、性的な指示や実在人物に関する生成はエラーが出て断られます。「胸が大きいことを強調してください」は通るのに「おっぱいが大きいことを~」などとすると引っかかることもあり、アウト・セーフのラインは言葉選びによってちょっと曖昧な感じもします。


Freepikにおいては、特に理由は示されずにこのようなエラーが出ます。特にHな指示をしていないのにこのエラーが出ることもあり、もしかするとアクセス過多などによって起こっていることもあるのかもしれません。

こうしたエラーが起きた場合はクレジット消費しないことになっていますので、指示損ということはありませんが、あまり規約違反の指示ばかりしているとBANなどになる恐れもありますので、いったんエラーが出たら文言を変えるなどしたほうがよさそうです。


前置きが長くなりましたが、さっそく実践例を見ていきましょう。



検証1.文脈を理解した文字込みの生成

「Pro」の進化が最も分かりやすいのがやはり漫画生成だと思います。既に商業作家さんからも活用例が出ていますが、日本語文字レンダリングの優秀さに加え、ユーザーが何を期待しているかを読み取るGemini3proベースの力量がしっかり感じられます。


「無印」との比較をしてみたのが、冒頭でも紹介したこちらの漫画です。左が無印、右がPro。比較にもならないほどの精度向上がしっかり実感できる仕上がりになっています。

「Pro」ではプロンプト応答力が飛躍的に向上したことと、利用プラットフォームが変わったことから、使用するプロンプトは一部変更しています。


<左:「無印」で使用したプロンプト>

指示:この2人の漫画を生成してください。3コマが3段になっています。ヘアピンをしている1枚目が綾香、腕組みをしている2枚目があんなと言います。画像のみで返答してください。

1コマ目:街でばったり出会った二人。驚いた様子でお互いを振り返り、「あれっ先輩?」「綾香じゃん。久しぶり」

2コマ目:綾香の上半身と笑顔「先輩、変わりませんね~!」胸がとても大きいことを強調

3コマ目:複雑な表情のあんなの顔アップ。視線はやや下。「あんたはだいぶ変わったわね…」横に中学時代の二人の卒業写真。綾香とあんなが映っているが、二人とも胸が小さい。


<右:「Pro」で使用したプロンプト>

指示:この2人の漫画を生成してください。3コマが3段になっています。@img1 が綾香、@img2 があんなと言います。

1コマ目:街でばったり出会った二人。驚いた様子でお互いを振り返り、「あれっ先輩?」「綾香じゃん。久しぶり」

2コマ目:綾香の上半身と笑顔「中学以来ですねっ!」「先輩、変わりませんね~!」胸が大きいことを強調。横書きで胸のあたりに「ばい~ん」

3コマ目:複雑な表情のあんなの顔アップ。視線は下。「あんたはだいぶ変わったわね…」横に中学時代の二人の卒業写真。綾香とあんなが映っているが、二人とも胸が小さい。写真の綾香の胸のあたりに目立つ赤い矢印マークをつける。


下の2枚は、全く同じプロンプトでProを使って再生成した2枚です。一コマ目で振り返る方向がミスっていたり、二コマ目のセリフがダブってしまっていたり、「BOING」なる謎の英訳が出てしまっていることなど、ミスもありますが、おおむねこのレベルの安定度であることが伝わるかと思います。


<考察>

まず凄いのが、やはり日本語吹き出しの正確性でしょう。一つの吹き出しにどのように文章をおさめるかというのはなかなか難しいのですが、折り返し位置やサイズ、「しっぽ」の向きなど、ごく自然に仕上がっています。背景の色もキャラクターの感情に合わせて明るい黄色や暗い紫をチョイスするなど、指示した文章に明示されていない文脈を考えて、適切に判断できていると感じました。個人的に驚いたのは、「胸が大きいことを強調」という指示を汲んで、コマ枠の上におっぱいが載っかる漫画表現をしっかり出してきたことですね。


同じプロンプトだと、生成するごとに細部は変わりますが、おおむね全体の構図やカラーなどはSeed値によってさほど左右されないようです。キャラクターの一貫性保持力はSeedream4と同じくらいの印象。勝手にNanoBanana画風に変えることなく、かなり入力画像を再現できているように感じました。


ちなみに、1枚あたりの生成時間は無印とさほど変わらず数十秒程度ですが、Proの場合は4枚同時生成ができないのがネックです。


検証2.ポーズ・表情・服装・背景を変更

次は無印の検証でも行った、ポーズや表情などの変更実験です。こちらのミナちゃんのイラスト1枚を入力画像として、さまざまな画像編集を試みます。


Freepikでは、入力画像を示すとき「@」ボタンを押すことで、@img1や@img2として入力画像のどれをどう使うか指示できますが、もちろんこの機能を使わなくても、「1枚目のキャラの服装を2枚目のキャラのものに変更して」のように指示すれば問題なく生成できます。


指示「@img1 を直立している全身図にして。正面から。」



指示「バッグを消して。」




指示「この全身図を三面図にして。正面・横から・背後から」



指示「腕組みをさせて、呆れた表情にして。」(※座っている画像を入力)



指示「バニーガールの服装にして。ポーズや表情はそのまま。」


指示「このバニー姿の女の子が、最も魅力的だと思われるポーズや背景を考えて、一枚の完成イラストにして。」



指示「この子がベッドの上で横たわってこちらを見ている主観イラストにして」



指示「このセーラー服でポニーテール、赤い眼鏡のキャラクターの4面図を作成して下さい。グレーのセーターは肩からずり落ち、脱げかけています。横に並んだ立ち絵で、正面、右から、左から、背後から。全身図で、背景は白です。バッグは不要」

(※左から、右から、は失敗)


指示「白い背景を、コンビニの前に変更して。女の子は地面に座っている。」



無印はできた4面図はなぜか「左から・右から」が一発で出せませんでしたが、おおむね、無印よりも高品質に仕上がっていたのではないかと思います。無印はいわゆる「NanoBanana顔」のようなマスピ顔に変更されがちだったのですが、Proはかなり抑制できていますね。


検証3.ストーリーボード・漫画作成

「無印」のNanoBananaには「この女の子の普段の日常を、計7枚のビジュアルストーリーにして」といった指示で7枚連続生成ができましたが、さすがに「Pro」でそれをやられると負担が大きいのか、連続生成は同じようにはできませんでした。代わりに「この女の子の普段の日常を、7つのコマで表現して」と指示してみると、このようにコマ割りのかたちでビジュアルストーリーを作ることができました。

ちなみに、少し指示を詳しくすると下図のようになりました。


指示「この女の子の平日の1日を描いた1ページのカラー漫画を作って下さい。起床から登校、授業風景やランチ、放課後、そして就寝までを描きます。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。」

こうして「NanoBananaお任せ」で作ってもらったAI漫画はなんとなくは整うのですが、平板で面白みのないものになりがち。やはり、ある程度は人間が意図や尖った展開を与えてあげないと、面白いものはなかなかできないようですね。


<欧米式の読み順を直すには>

AI漫画を1p生成したときの「あるある」ですが、普通に生成すると横書きの英語漫画を想定した「左上から右下へ」進む読み順になることが多いです。吹き出しが縦書きの日本人にとっては「右上から左下へ」読み進む方が自然なので、このようにプロンプトを変更してみました。


指示「この女の子のコミカルな1ページのカラー漫画を作って下さい。画像生成AIにちなんだネタで、きちんとオチも作って下さい。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かうようにしてください。」

このように、ちゃんと日本式になりました。ちゃんとカメラ位置も自然に移動していて、情報が目に入る順もコマごとによく整理されていますね。


ただ、ネタ的にはオチが意味不明で惜しい。本当は画面上に「ERROR ERROR ERROR…」と出したかったんでしょうが、ちゃんとかわいいミナちゃんが出てしまったのでよく分からないオチになってしまいました。


そこで、漫画として最低限成立するように、多少手助けをしてあげます。


指示:この女の子のコミカルな1ページのカラー漫画を作って下さい。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かってください。「ナノバナナなんたら言うのがやべーらしい!私もAI美人にしてもらお!」 「えっこれ私!?」(赤眼鏡をかけたブサイクがPC画面に映る)「キャラデザが令和にはポリコレすぎる!えーとボンキュッボンのムチムチボディで…」カチャカチャ…「もうやだー!」(オチ。画面にムキムキのボディビルダーの体に顔だけこの女の子のキャラクターが出る)

一コマ目の吹き出しがミスったくらいで、かなりきれいにできましたね。プロンプト内に「一コマ目:~ 二コマ目:~」と書いて表情や音などを入れるやり方も一般的ですが、全体の流れをセリフだけで伝えたほうがNanoBananaくん的には自由にやれて高品質になるようです。


こちらはNGカット。プロンプトが少し違います。


指示:この女の子のコミカルな1ページのカラー漫画を作って下さい。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かってください。「ナノバナナなんたら言うのがやべーらしい!私もAI美人にしてもらお!」 「えっこれ私!?」ガーン!(赤眼鏡をかけたブサイクがPC画面に映る)「プロンプト間違えたかもしれん!ボンキュッボンのムチムチボディで…」カチャカチャ…「もうやだー!」(オチ。画面にムキムキのボディビルダーの体に顔だけこの女の子のキャラクターが出る。パチンコ画面の金色激アツ文字で「フルアーマームチムチミナちゃん」と書かれている)

一コマ目のセリフや「ガーン!」がダブってしまったりと、やはりいくつかはミスが出てしまうようですね。とはいえ、これだけ複雑な指示で各コマの状況にぴたりと合った表情や仕草をきちんと出せているのは素晴らしい。操作者が意図している「フリ」と「オチ」の概念もかなり理解できているかのように見えます。


少し気になるのは、全く同じところでセリフをミスしたことです。想像ですが「やべーらしい」という口語表現を内部処理する際に、うまく英訳できず、意図を理解できなかったのが原因かもしれません。文語として正しい「やばいらしい」に直すと、このようにうまくできました。

今度は別のところがあれこれ混線していますが、チェリーピックなしだとこれくらいがNanoBananaProのリアルな実力という感じですね。とはいえ、無印からの飛躍的進歩には目を見張るばかりです。



検証4.イラストの線画抽出・カラー化

次は再び、無印でも行った実験をやってみます。イラストの線画化や着色のテストです。入力画像はさきほどと同じ、座っているミナちゃんのイラストです。


まずは線画化から。


指示「線画にして」



大して変わらないようにも見えますが、Proのほうが細部が正確で、明暗がはっきりしているように見えます。ただ、スカートの影部分をベタにしてくれるという、気が利いているのか利いていないのか分からない結果になりました。今度は、この線画を新たな入力画像にします。


指示「この線画を着色して。背景は白、セーラー服は白、襟はピンクで眼鏡は緑、髪の毛は金髪。スカートは黒。バッグは黄色。髪留めはオレンジ。セーターはグレー。」(※上の線画を入力)



指示「これをベースカラーとして、もっと描き込んだ完成イラストにして。」


こちらははっきりとした差がでました。無印ではほとんど変わらない結果となりましたが、「Pro」はしっかりと意図通りにリッチな塗りにしてくれていますね。


検証5.ラフの線画化

前の記事に引き続き、こちらのラフを線画化できるか試してみます。前回は無印Nanobananaはこれが何が描かれているのか理解できず(下手すぎて)、セーラー服の女の子がこうこう…と指示でヒントを出してあげてもうまくいかなかったのですが、今回はどうでしょうか。


指示「このラフを線画化して」


このように、おおむね理解してくれたようです。バッグが奇形なのはもはやラフが破綻しているのでしょうがないのですが、無印が理解できなかった被写体をよく理解して、不要な線を捨ててそれなりに整って見えるよう調整してくれています。


検証6.複数画像による指示

複数の入力画像を指示通りに合成してもらう検証です。例えばこのように2枚の画像を与えることで…


このように合成することは、無印でも問題なくできていました。今回はProを使って、同様の検証を各種行ってみます。



まずは前回も行った実験から。この2人の画像を入力して、以前と同じバトル画像を作ってみます。


指示:この二人のキャラクターが商店街で白熱したバトルを繰り広げている画像を生成して。通行人が驚いた表情を浮かべている。片方がジャンプキックを仕掛け、もう片方がそれをガードしている。


 

多少キャラクターデザインの精度やポーズ、日本語文字部分に改善はみられますが、そこまで劇的な改善というわけでもありませんでした。もう一つ、「無印」でも行ったプロンプトで比較してみます。


指示:格闘ゲーム画面。この二人のキャラクターが商店街で白熱したバトルを繰り広げている画像を生成して。片方がジャンプキックを仕掛け、もう片方がそれをガードしている。左側に眼鏡のキャラクター、右側にセーターを着た眉の太めなキャラクターー。画面上部に体力ゲージやキャラクターの顔のアイコン、残り時間表示、画面下部にスーパーコンボゲージ。左のキャラの名前表示は「MINA」、右のキャラの名前表示は「AYAKA」。ヒットしたエフェクトも描画されている

指示「白黒の漫画調にして。」


少し見えにくいので拡大しますが、Proの画像はこちら。特に画面表示の文字などは非常に精度が上がっていますね。細かいですが、ガードしているキャラクターが無表情なのがむしろレトロ格ゲーっぽい。

特に「レトロ格ゲーっぽく」と指示はしていないのですが、NanoBananaPro(というより内部的にはGemini 3 Pro)はプロンプト指示の全体の文脈から操作者の希望をできるだけ読み取ろうとするらしく、私の指示から「スト2っぽくしよう」と考えたのかもしれませんね。あとでも触れますが、こうした「空気読み」がよく働くこともあれば、余計なお世話に感じることもあり、良くも悪くもこれが「NanoBananaProらしさ」なのだろうと思います。



<多人数生成>

今回はより難しい、多人数の合成を試してみます。公式の説明では、入力画像14枚(14人)までの合成が可能で、一貫性は5人までなら保つことができるとされていますので、こちらの12人のキャラクター画像を用意しました。


プラットフォームによるかもしれませんが、Freepikではこのように12人分問題なく読み込ませることができます。


指示:12人の個性豊かなキャラクターたちが集合写真を撮っている。全員ぎゅうぎゅうに身を寄せて、楽しそうにポーズを取っている。


Google公式の説明によれば、14枚まで画像を読み込ませることができるものの、キャラクターの一貫性が保てるのは5人程度が限度のようです。何度か試しましたが、キャラクターの再現ができていることもあれば、このように混じってしまっていることもあり、人数が多すぎると安定はしないようでした。



そこで、今度はこのように、キャラクターの人数を5人に減らしてみました。


指示:5人のキャラクターたちが集合写真を撮っている。全員ぎゅうぎゅうに身を寄せて、楽しそうにポーズを取っている。俯瞰図で、それぞれほほを引っ張ったり肩を組んだりしている。背景はパーティー会場。

おお…なんだか、これまでの来し方を思い出して、胸が温かくなりますね。やはり5人までであれば、かなり正確にキャラクター容姿を再現できるようです。


もう一度同じプロンプトで生成してみますが、学習を伴わないただのリファレンス(参照)なのに、非常に高い精度で安定した容姿再現ができています。指など細部の破綻がないのもすごい。

ただ、画風はかなり「NanoBanana風」に寄りますね。これをベースに普段のSDモデルでControlnetするなどしないと、見る人が見ればnanobananaで作ったなと分かってしまう感じです。


検証7.実写背景の加工・合成

次は実写画像を使った生成です。写真にイラストを合成するのは、「無印」からかなり精巧にできていた例ですが、進歩しているか確かめます。


こちらの2枚を使って、このような指示で合成してもらいました。


こちらが生成結果。



特に時刻などの指定はしなかったのですが、「Pro」は背景がかなり元写真と違う風合いになっていますね。この写真そのものに合成するというよりは、この場所にいるミナちゃんを描いてもらったような生成結果になりました。

プロンプト指示が単純だったので、時刻やカラー、ライティングは変えてもよいだろうと判断されて「エモさ優先」になった感じがします。これを「空気が読めている」ととるか、「余計なお世話」ととるかはケースバイケースですが、こうした変更を望まない場合はプロンプトにその旨記入したほうがよさそうです。



次に、以前の記事で好評だった、こちらの写真を漫画調やイラスト調に替える実験をやってみます。


指示「白黒の漫画調にして。」



漫画調にして、と言われるとどうしても文字や集中線を入れたくなってしまうようですね(笑) 無印に比べると明暗のメリハリがより出ていて、より漫画背景として自然になっているように見えます。人によっては左のほうがいいという場合もあり、ここは好みかなと思います。よく見ると、看板の文字は明らかに品質が向上しているのが分かりますね。


指示「ザァンッ…の文字を消して」(無印は"集中線はいらないので消して")



指示「俯瞰にして」



これは興味深い結果が出ました。小さいサイズでは分かりにくいので、それぞれ大きくして見てみましょう。こちらが無印でー


こちらが「Pro」です。

よく見ると、道路標識が正確になっているのが分かるでしょうか?無印はなんとなく三叉路を描いたようですが、Proは直進する道路に対して左方向にT字路になっているのが再現されています。また、車の進行方向も左側通行の片側三車線で正確になっていますね。


今度は、さきほど線画化したものを入力してカラー化してみます。


指示「着色して、美しいアニメ調にして。青空、昼」



これは好みが分かれそうですね。無印版は陸橋が真っ白なので引き締まって見えますが、Proはよりリアルな感じ。ただ、看板のカラーはむしろ無印のほうが正解ですね。無印は信号のカラーが怪しいので一長一短という感じですが、Proは質感やカラーを指示すればちゃんと守れると思います。



検証8.任意のターゲットを編集

「無印」では歩道橋の写真を使って、任意のオブジェクトを消す「消しゴムマジック」をしてみましたが、おそらくProでも問題なくできるので、別のテーマで検証してみます。さきほど作った集合写真のうち、任意のキャラクターを消したり、ポーズや表情変更ができるかを試しました。


指示「左下のロングヘアで紫色の目の女性をカメラ目線にしてください。」

             ←入力画像 / 出力結果→

自然言語指示だけで見事にキャラクターを特定し、他の部分は動かさずに変更できていますね。


ところでこの画像、左右をしばらく見比べていたら、なんだかサイゼリヤで間違い探しをしているような不思議な感覚を覚えました。もしかして、NanoBananaで間違い探しも作れるのでは…?


ということで、さっそく次のような指示をしてみました。


指示「次の5つの変更を加え、他は一切変えないでください。

①左下のロングヘアで紫色の目の女性をカメラ目線にしてください。

②背景の風船を一つだけ減らしてください。

③右下の赤いプレゼントボックスを青くしてください。

④右上の赤い髪の女性のほほに張られているバンドエイドを消してください。

⑤背景に舞っている紙吹雪を一つだけ増やしてください。」

             ←入力画像 / 出力結果→


思ったよりかなり正確にできましたね!惜しかったのは、右下のキャラの口だけ。プロンプトで指示していないのに、勝手に変更されてしまっていました。


プレゼントボックスは青くなり、バンドエイドは消え、左上の赤い風船がひとつ減り、紙吹雪もちゃんと某所に1枚増えています。AIのやることなので、もしかしたら意図しない変更点が他にもあるかもしれませんが、このレベルで自然言語による画像修正ができるのは非常に画期的ですね。



検証9.スタンプ作成

今度は、ミナちゃんのLINEスタンプを一括作成できるかを試してみました。プロンプトは以下の通り。


指示:このキャラクターのコミカルなLINEスタンプを作ってください。3x4の12種類で、日本語で「おはよう」「マジか」「やば」「OK」「NG」「それな」「おつ」「残像だ」「サンキュー」「ガッデム」「おつかれ」「ナイス」のセリフつきです。「残像だ」は敵の背後に瞬間移動するイメージ。キャラクターの容姿は一貫性を保ってください。


特に表情は指定しなかったのですが、わかりやすいものを自分で考えて組み合わせてくれたようですね。ひとりひとりが細かくなるためか、「キャラクターの容姿は一貫性を保って」と書かないと、赤眼鏡が消える現象がありました。


調子に乗って、もっと指示を具体的にしてみました。


指示:このキャラクターのコミカルなLINEスタンプを作ってください。3x4の12種類で、日本語の文字つきです。キャラクターの容姿は一貫性を保ってください。種類は以下の通り。〇(どや顔)×(あーな顔)いいね(親指立ててウインク)えぐ(笑顔。目は開いている)おっ(腕組みして、何かに気づいた顔)またね(バイバイ)現場からは以上です(アホ顔、マイク)それな(アホ顔、指さし)尊(笑顔でとじ目、真っ白に燃え尽きる)よく頑張ったなずっと見ていたぞ(全身金色のオーラ。髪も金髪に)グラボより肉買った方がよくない?(アホ笑顔)LoRAにするんでしょ!(涙目で赤面して叫ぶ)

が、こちらはなぜか4x4の16種に増えてしまい、かつミスも増えてしまいました。このあたりはプロンプト精選とガチャ次第ですが、素直に6個ずつくらいにして数回に分けて生成したほうがよいものができると思います。「注文が増えるとクォリティが落ちる、注文が少ないと品質が向上するが間違いも増える」といった関係にあるようですね。



検証10.カメラ角度の変更

毎度おなじみカメラアングル変更です。前回Qwen-Image-Edit-2509でカメラアングル変更LoRAを使い、このような角度変更を行う実験をしました。

詳しくはこちらの記事を参照いただくとして、これがNanoBananaProだとどうなるか試してみます。ただ、時間が掛かると最速レビューにならないので、ちょっと駆け足です!


入力画像はいずれもこのリビングルームの画像です。



指示「俯瞰にして」


指示「下から見上げる構図にして」「煽り構図にして」(いずれも失敗)


指示「カメラアングルを左に45度回転」


指示「カメラアングルを右に45度回転」


屋外の画像ではうまくできましたが、室内で情報が足りないと、失敗を恐れてかあまり自由にカメラアングルを動かせない様子がみられました。入力画像や条件にもよると思います。



検証11.ポーズ指定

無印の検証では全然うまくいかなかったのがこちらのポーズ参照検証。Proではちゃんとできるか試しました。


ポーズマニアックスさんではこのように、さまざまなポーズを取った男女別の人体3Dモデルを閲覧・利用することができます。今回はこちらのバレエのポージングを参照することにしました。


指示はこのような感じです。


生成結果はこちら。



人体模型のポーズと見比べると、いずれも全然違っていますね。プロンプト指示が分かりづらかったのかもと考え、このように主語を逆転させてみますが…


やはりうまくいきませんでした。


ここまでのProの実力なら問題なくできそうなものですが、モデルが人体模型を見慣れていないせいかもしれません。そこで、Freepikのストック写真を使ってみます。


ところが、こちらもやはりうまくいきませんでした。ちゃんとバレエのポーズなのですが、参照画像と違う格好になります。うーん、ポーズ指定が難関だったのは意外ですね。


そこで、末尾に「完全に写真と同じポーズにしてください」と付け加えて再生成してみたところ、今度はうまくいきました!

なぜこうなるのかは少し不思議ですが、これもNanobananaなりに「より高品質にするためには、ポーズを完全再現するよりミナちゃんにふさわしいバレエの美しいポーズにしてあげたほうがいいな」と考えた結果なのかもしれません。ポーズを正確に模倣したいのであれば、このように「念押し」するとうまくいくようです。


検証12.インフォグラフィック作成

これは公式もおすすめしている、Gemini 3 Proの世界知を大いに活用した新用途。これまでは日本語レンダリングができなかったので夢のまた夢でしたが、Proではスライド資料のような文字主体の情報画像を生成することができるようになっています。

Xではいわゆる「霞が関パワポ」が出せるようになっていると話題になっていましたね。


とりあえず「賢木イオ(@studiomasakaki)についてのインフォグラフィックを作成してください」と雑に頼んでみると、出てきたのがこちら。

私に関する情報が全然なかったため、ハルシネーションの塊のようなものが出力されましたが、とりあえずデザインのやる気は十分なようです。(ちなみに、Gemini 3 Proの知識カットオフは2025年1月だそう。今回の特集記事を読ませてみたら、未来の日付が出てくる架空の未来記事だと思い込んでいました)


今度はこのような指示を試してみます。


指示:架空のファンタジー料理「スライムのシチュー」の作り方をインフォグラフィックにしてください。

ドラクエ風のスライムにもならず、なんというか海外MMOのような風合いの画像が出てきましたね。羊皮紙の風合いやアイテム名など、芸が細かい。


FANBOX記事に使えそうな、挿絵用途のインフォグラフィックも作れるか試してみます。


指示:StableDiffusionを例にした「画像生成AIの仕組み」を解説するインフォグラフィックを作成してください。背景は白。左から右へ流れる矢印を用いたフローチャートです。

これはもう、えぐい出来ですね。非常にざっくりとした指示でこれが出てきて、かつ自然言語による修正も可能となると、記事の挿入図としては革命的です。スタジオ真榊FANBOXでも、上手に使えばより記事の品質をアップできそうですね。ただ、内容もよく確かめず無闇にNanoBananaポンチ絵を入れてもむしろ理解度が薄まってしまうので、使いどころは要検討かも。


最後に、今お読みいただいている記事の冒頭「NanoBananaProとは?」の項目を記入して、このようなインフォグラフィックを作ってみました。


指示:次の記事「NanoBananaProとは」の文章をもとに、挿絵としてふさわしいインフォグラフィックを作成してください。背景は白。【Google DeepMindは2025年11月20日…(以下、記事をそのまま張り付け)】

「Pro」を銀色のバナナで象徴するなど、芸が細かいですね。全体によくまとまっていますし、画像翻訳の概念を「文」と「A」で表現したのには脱帽です。右下にクリックできない記事リンクが生じたのはご愛敬。



検証13.記事サムネイル作成

インフォグラフィックができるなら、もちろん記事サムネイルも作れるはずですね。こちらの入力画像と、ミナちゃんの全身図イラストを与えて次のように指示してみました。



指示:横長の記事のサムネイルを作ります。まず@img1 の左下のタイトルを次のように変更してください。位置はそのままです。1行目:NanoBanana2爆誕! 2行目:何が進化した?最速レビュー その上で、枠内に @img2 の女の子が興味しんしんで腕組みしているところを描き、余白部分にNanobanana2の解説記事にふさわしいものを描いて完成したサムネイルにしてください。


いやー、できてしまいましたね…。


特に驚いたのが、フォント再現の正確さ。普段のサムネイルでは、FANBOX特典で安く契約できるmojimoというサービスの有償フォント「 ニューロダンPro UB」を使っているのですが、その字体がほぼ完璧に再現できているように見えます。


<ちょっと脱線。少し前に、あるデザイナーさんが未購入の手描き風フォント素材のプレビュー画像をAIに読み込ませて、その字体で別の文字を再現するという手法をXで公開して炎上する事案がありました。声優さんの声の権利に関してもあれこれもめている最中ですが、通常は対価を支払わないと利用できないものがAIで簡単に模倣できるとなると、よく気を付けて身を守らないといけないなと感じます。>


さて、上のサムネイルはちょっとAI感が強くてイマイチなので、次のようにサムネイルをあれこれ付け加えて注文し直してみました。


指示:横長の記事のサムネイルを作ります。まず@img1 の左下のタイトルを次のように変更してください。位置はそのままです。1行目:「NanoBananaPro」で創作はどう変わる?2行目:進化ポイントを徹底検証 その上で、枠内の右側に @img2 の女の子が興味しんしんで腕組みしているところを描き、余白部分に残りのスクリーンショットを配置して、完成したサムネイルにしてください。


生成結果はこのような感じになりました。

デザインあるあるの「依頼者からの素人注文が多いと、その分最終成果物のセンスが落ちる現象」がみられるような気がします。それぞれ、NanoBananaは指示したことをかなり忠実に守ってくれているのですが、余白の使い方や正確性などがイマイチ。結局いちから組むのとさほど時間が変わらないのですが、こうやってAIが私の仕事に肉薄してくると嬉しいような怖いような…という感じがしますね。


このように、クリスタで文字を入れて使うか…と思ったのですが、


「いや、今回は全部NanoBanana産にしよう!」と思い直し、このように依頼しました。


というわけで、この記事のサムネイルが完成です。

タイトル文字のあしらいやミナちゃんの表情などなど、「私だったらこうはしないな」「ちょっとダサいな」と思う部分もあれこれあるのですが、今回はNanoBananaProに全部やってもらうことに意義があると考え、採用しました。


サムネイルは記事の顔。これまで一貫性を保ってきたサムネイルが突然AI風に変わるというのも味気ないので、今後も記事サムネイルは自分でいちから作ると思います。でも、サムネ背景の一部や修正などはNanoBananaにお願いする場面も増えるかもしれませんね。


検証14.破綻した手の修正

こちらは無印でも行った実験。このAIイラストのラフすぎて破綻している手の修正をNanoBananaProでできるか確かめました。ポイントとしては、このラフな線を全体に守りつつ、手だけをそれらしく修正できるか、ドアノブを持たせられるかが気になるところです。


指示:@img1 の手が破綻しています。きれいに描き直してください。ドアノブを握っています。


これは見事ですね。ラフな線を無理に直すことなく、ドアノブなども自然に描き足して絵として成立させてくれています。入力画像と見比べるとと、無印がわずかに色が明るく変容してしまっているのに対して、Proはそのままになっています。


以前無印で無理にドアノブを握らせようとすると、このようにイラスト全体が整形されてしまいましたが、「Pro」はピンポイントで上手に問題解決することができていますね。


一方、このような6本指になっているイラストの修正を試みましたが、こちらは上手にできませんでした。指示は「二人の肌の色が異なる女性同士が指を絡めていますが、指が6本になって破綻しています。正確に描き直してください」というもの。

どこをどうすればよいのか判断できなかったようで、入力画像がそのまま出力されてしまいました。

そこで、ある程度具体的な工程を提案してみます。


指示:二人の肌の色が異なる女性同士が指を絡めていますが、二人とも指が6本になって破綻しています。余計な指を一本ずつ消して、2人とも自然な五本指に描き直してください。

左の手の破綻は直せましたが、右の手はそのままになってしまいました。どうも画角などの条件によって画像認識が難しくなるようで、こういう場合はPhotoshop上で選択範囲を作って生成塗りつぶしをかけるか、むしろNanoBananaProに任せずインペイントしてしまったほうが早いかもしれません。


終わりに

というわけで、NanobananaPro最速レビューでした。できるだけ注目モデルが出たときは1両日中に公開するように決めているので、時間的にここまでの検証が限界でしたが、前回のNanobanana特集と同様、引き続きさまざまな利用用途や検証記事を出していきたいと思います。


さまざまな検証をやってみて全体に感じるのは、言葉足らずなプロンプトだと、NanoBananaProは自分の学んだ美観を優先して「気を利かせてくる」傾向にあるということです。海辺の写真にミナちゃんを合成したときも、エモさを優先してゴールデンアワーの時刻に変更してきた例がありました。変えてほしくない部分はしっかり分かりやすい言葉で明示してあげると、より再生成の手間が省けると思います。

一方で、スタンプの例のようにあまりガチガチに条件を縛るとミスが増えるので、漫画生成のときのように最低限守ってほしいセリフや展開だけを指示して、ある程度「たるみ」を持たせてあげると良いようです。


それにしても、無印の段階で驚くほかない高精度だったのに、わずか数か月で本当に物凄い進化を見せてきましたね。かなり前の特集で、2025年は動画生成の年になるでしょうという予想をしていましたが、実際WANやGrok、Sora2といった各種モデルの勃興によって「動画生成元年」とでも言うべき大革新の年になったものの、NanoBananaが与えたインパクトの前ではかすんでしまうレベルに感じます。


Xでは他にもいろいろな検証を行ってみましたが、びっくりしたのはこちらの生成例。下に掲載したマンションに催眠おじさんが訪ねてくる4コマのほうは、「文字まで生成できてすごいなあ」のレベルだったのですが、この迫真の催眠演出にはうならされました。


それぞれのプロンプトは以下の通り。


指示:@img1 の女性の漫画を生成してもらいます。1コマ目:マンション外観。文字なし。2コマ目:インターホンが「ピンポーン」と鳴り、リビングのソファに座っていた主婦キャラが気付く。吹き出し「はーい」。3コマ目:ドアを押し開ける主婦キャラ。吹き出し「どちらさまですか」4コマ目:ニヤニヤした宅配便の業者が現れる。セリフ「どうも…奥さん」太った不審な中年で、帽子を被っていて、目は影になっていて見えない。

キャラクターの一貫性を保つため、こちらの生成画像を新たな入力画像にして、次のように指示しました。ただし、スクリーンショット機能を使ってこのようにキャラクターを2枚の画像に分けています。


指示:漫画の続きです。1コマ目:@img2の男性がスマートフォンをこちらに見せます。画面には大きな目のマークが描かれており、渦巻のような禍々しい画面で、おどろおどろしい文字で「ターゲットにこの画面を見せてください」と書かれています。2コマ目: @img1 の女性のアップ。スマホに見入り、催眠にかかったように目を見開いて、呆然としています。

この生成結果を見た瞬間、AI漫画生成は次のステージに突入したなあという感慨を深く持ちました。私の中にこのあんなさんの表情や描写をできるセンスは全くなく、AIに描画技術だけでなく、センスにおいてもはるか上を行かれたような思いがしたものです。「私の想像をはるか超えてしまったAIの描写を作品としてお出ししても、果たして私の表現と言えるのだろうか?」という疑問も根強くあり、AIによる品質向上と自己由来の作品性の両立はこれからもっと難しい問題になってくるような気もしますね。


というわけで、最速レビューにしては午前2時を回ってしまいましたが、今回はこのへんで。スタジオ真榊でした。



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