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【R-18】コンセプトLoRA学習が理解る!「乳首LoRA」から「即堕ち2コマ再現」まで

Published 11/04/2025, 09:57:20 PM · Edited 02/17/2026, 01:22:43 PM

【R-18】コンセプトLoRA学習が理解る!「乳首LoRA」から「即堕ち2コマ再現」まで



2026/02/16更新:コラム「ぶっかけ増量LoRA試作(配布あり)」を追加しました。

2026/02/17更新:コラム「ぶっかけ増量LoRA試作(配布あり)」に配布LoRA(v2)を追加しました。



こんばんは、スタジオ真榊です。今回は、キャラLoRA、画風LoRAに続く3つめのLoRAジャンル「コンセプトLoRA」の学習について掘り下げた記事です。


画像ペアから差分を抽出する「CoppyLoRA法」と、従来の「データセット法」の二つを使って違うコンセプトのLoRA(※R-18用途)を作ってみることで、適切な学習手法や効果、失敗しやすいポイントなどを検証しました。今回もコンセプトLoRAに適した学習プリセットを配布しています。(※記事中には多数のNSFW画像が掲載されていますので、記事をお読みになる際は周囲に十分ご注意してご覧ください)


LoRA学習の始め方や関連機能の基本操作については、こちらの「ローカル学習入門」にまとめてあります。今回は既にこちらの記事で基礎的なキャラLoRAが作れるようになった方向けに、コンセプトLoRAの作り方や画像の集め方、学習時の設定などについて検証していますので、初心者の場合はこちらを先にご覧ください。


目次

コンセプトLoRAとは?

  ・「CoppyLoRA法」と「データセット法」

今回作る二つのLoRA

ドスケベ乳首LoRAの作り方

  ・理想の乳首の作り方

  ・「ベース1girlちゃん」を作る

  ・インペイントで「ペア」を作る

  ・良いペアかは「差の絶対値」で確かめる

  ・CoppyLoRAwebUIで学習しよう

  ・「BaseModel」指定は慎重に

完成したLoRAで生成テスト

  ・ヒトから見た差とAIから見た差

  ・予想外の悪影響を抑制するには?

  ・「やりすぎ」もコツのうち?

<コラム:ぶっかけ増量LoRA試作>(配布あり)

即堕ち2コマPenisAweLoRAの作り方

  ・コンセプトLoRAのデータセット

  ・コンセプトが共通する画像を収集しよう

  ・コンセプトは「ばらけさせすぎ」注意

  ・画像群を自分で用意する

コンセプトLoRAのタギング

コンセプトLoRAの学習設定

生成テスト

データセットを水増しするには

  ・adetailerを使う際の注意

  ・tachi-eの学習

改良版の学習と生成テスト

終わりに



コンセプトLoRAとは?

コンセプトLoRAは、シチュエーションやポーズ、画角、構図、画質などの「共通概念」をタグとして追加学習するLoRAの総称です。CivitaiのModel一覧でも、CHARACTER(キャラLoRA)、STYLE(画風LoRA)に続く三つ目のジャンルとして紹介されており、書き込み量調整LoRAや年齢調整LoRA、オホ顔LoRA、整列LoRA、太眉LoRAなど、さまざまな概念を再現・調整・操作可能にするモデルが多数共有されています。


コンセプトLoRAの中でも使いやすく、またよく知られているのは、月須和・那々さんの「FLAT LoRA」や「Bold LoRA」でしょう。


前者はベースモデルの書き込み量を減らしてフラットな塗りにするLoRA、後者は線の太さを強めるLoRAですが、強度をマイナス適用することで、書き込み量を逆に増やしたり、線を細くしたりもできる、スライダーのような「調整LoRA」となっています。操作したい概念以外への影響が極めて軽微で、線の太さと塗りのフラットさだけをピンポイントで操作できるのが非常に優れているポイントですね。

   ▲Bold LoRAを強度別に適用した例。ほとんど被写体を変容させない


ほかにもアイデアとベースモデルとの相性次第で、キャラの年齢や身長、胸の大きさ、化粧の濃さなど、あらゆる概念をプラスマイナス調整できるLoRAが学習できます。ただ、調整LoRAはあくまで幅広い「コンセプトLoRA」の中の一つにすぎません。ほかにも特定の表情やポーズを再現するもの、Hシーンを含むシチュエーションを再現するものなどなど、非常に多彩なコンセプトLoRAが流通しています。


・「CoppyLoRA法」と「データセット法」

コンセプトLoRAを学習させる場合は、どんな効果のLoRAを学習させたいかによって、大きく分けて二通りの学習方法があると言えます。一つ目が「CoppyLoRA法」、もう一つが従来の「データセット法」です。


コンセプトLoRAのうち、特にスライダーのように使う調整LoRAの学習には、狙った部分だけを自由に調整できて、それ以外の部分は極力変容させない「ピンポイント性」が重要になります。そういう学習に向いているのが、二つの画像ペアの差分を自動抽出してLoRAを作れる、とりにく(@tori29umai)さんの「CoppyLoRA webUI」です。


CoppyLoRAwebUIを使うと、LoRAにしたい概念をピンポイントで差分にした「画像ペア」を用意するだけで、狙った概念を自由に調整可能なLoRAを簡単に作れます。例えば、こちらの上段のベース画像と下段のお手本画像は、描かれている被写体は全く同じで、「画風だけ」が異なるように調整しています。(下段の"お手本"を先に作り、リアル系モデルでi2iして「破壊」することで上段のペアを作っています)


このペアから差分を抽出して学習させると、下図のように、線のタッチやカラー感、瞳や髪のハイライトの描き方を含めた「画風」だけを抽出したLoRAができるわけです。どんなキャラクターを生成する場合もこのような変化を加えるため、少し応用力には欠けますが、予想外の副作用が生じにくい「侵襲性の低さ」と「学習の気軽さ」がCoppyLoRAのメリットです。


これを応用すれば、カラーと白黒画像の差分を取って「モノクロ化LoRA」を作ったり、胸だけインペイントで大きくしたペアで「巨乳化LoRA」を作ったりと、さまざまな調整LoRAを悪影響を抑えながら作ることができます。こうしたペアは基本、image2imageやインペイントを使ってお手本を加工することで準備することが多いです。

      ▲この2枚の差分を取れば、モノクロ2値化LoRAになる



大変便利なCoppyLoRAですが、この方法であらゆるコンセプトLoRAを作れるかというと、そうはいきません。例えばCivitaiにあるこちらの「向かい合い整列LoRA」を、一組のペアから差分を抽出して作るのはさすがに難しそうですね。

こうした複雑なシチュエーションが組み合わさるコンセプトLoRAの学習には、多数の画像データセットを用意し、共通する概念を適切なタギングで抽出する、従来のLoRA学習のほうが向いています。


上の「向かい合い整列LoRA」を学習するなら、サンプル画像にあるような左右に複数のキャラクターが向かい合っている画像をできるだけバリエーション多く用意することで、覚えさせたい概念を学習できるわけですね。ただ、データセットの偏りやタギングミスがあると、画風や顔立ち、カラーなどにすぐ悪影響が出てしまうので、CoppyLoRA法に比べて設定がやや難しい学習法と言えます。


今回の記事では、いま紹介した「CoppyLoRA法」と従来の「データセット法」の二つのやり方で、別々のコンセプトLoRAを作ってみたいと思います。いずれも18禁の内容ですので、以下ご理解頂いた上でお読みください。






<ここからR-18画像が多数掲載されます。お読みになる際は周囲にご注意ください>






今回作る二つのLoRA

せっかくならCivitaiにないものを作りたいので、いずれもNSFWな内容のオリジナルLoRAを作っていきます。まずCoppyLoRA法で作るのは、適用すると乳首を好みのデザインに変更する「ドスケベ乳首LoRA」。


データセット法で作るのは、適用するとどんなキャラでもこちらのシチュエーション画像が1枚絵として出力できる「即堕ち2コマPenisAweLoRA」です。右側に不審そうな表情の着衣立ち絵、左側に男性器で目が隠れた全裸画像という構図の画像が高確率で生成できるものを目指します。


それぞれ、適用前と適用後で他の要素(画風など)が変容しないよう、できるだけ悪影響の少ないLoRAにするにはどのような設定や学習方法がよいのか、以下順番に検証していきます。



ドスケベ乳首LoRAの作り方

さて、まずはCoppyLoRA法で「ドスケベ乳首LoRA」を作るやり方から入っていきましょう。こちらは私の通常のモデルで「1girl,nipples,completely nude」を生成したものです。特に乳輪の大きさなどを他のタグで指示しないと、基本的にはこのような大人しめ(?)の乳首になります。


「理想の乳首」というのはまあ、皆様あれこれあろうかと思いますが…。例えば左がベースモデルの乳首だとして、理想では右のような感じで生成してほしい場合、この差分をCoppyLoRAで取れば「理想の乳首LoRA」が得られそうですね。では、このペアはどのように作ったのでしょうか。


・理想の乳首の作り方

もう一度おさらいですが、CoppyLoRAは「2枚の画像ペアから異なる部分だけをピンポイント抽出できる学習方法」です。2枚の画像が全く同じなら何の効果も出ませんし、「蚊取り線香の写真とライオンのイラスト」のように共通点がなさすぎる2枚だと、差分が発散してしまってどのような効果のLoRAになるかコントロール不能になってしまいます。今回は乳首描写にだけ変化を及ぼしたいので、ピンポイントで乳首周辺のデザインだけが異なるペアを用意する必要があります。


「ほとんど同じでここだけはっきり違う」画像差分を作りたいので、ここはインペイントの出番ですね。(※インペイントのやり方は非常に多岐にわたるので、詳しくはこちらの記事をご参照ください)


NovelAIのインペイントでももちろん可能。このような感じでベースの1枚を読み込んで、任意のプロンプトでインペイントするだけです。

が、ここではベースモデルの画風をできるだけ大事にしたいので、ローカル生成のControlnet(Noobai Inpaint)を使ったやり方で作ってみたいと思います。


・「ベース1girlちゃん」を作る

まずはペアのうち、ベースとなる方の1girl画像を用意するところからです。やり方は画風LoRAを作るときと同じで、ごくスタンダードな「1girl」をベースモデルで用意するだけですが、その際気を付けたいポイントは次の三つ。


①覚えさせたい要素が大きく映っている

②ベースモデルの素の画風である

③余計な要素を覚えさせにくい被写体である


今回作るのは乳首LoRAですので、全身が映るヒキの絵ではなく、できるだけ乳首周辺が大きく映ったアップの絵がほしいところ。ただ、首から上が見切れているLoRAだと、これが何なのかAIが理解できず、予期しない影響のあるLoRAになってしまうことがあります。また、ベースモデルとかけ離れた画風の画像ペアだと、適切な差分を抽出することが難しくなりますので、上の3つが揃ったベース画像をまず用意するところから始めましょう。


今回は、「1girl,solo,nsfw,nipples,white background, simple background,expressionless,looking at viewer,green eyes,blonde hair,bob cut,braided bangs, completely nude, upper body,breasts」というプロンプトでこちらの画像を生成しました。

黒髪黒目だとカラー感がなさすぎて色合いに影響するLoRAになってしまう可能性があったので、できるだけ普段のモデルの色合いであることが分かるよう、カラフルなキャラクターデザインを採用しました。表情も無表情にし、服も覚えてほしくなかったので全裸にしています。視線ももっともスタンダードなカメラ目線にしています。


・インペイントで「ペア」を作る

これを入力画像として、「乳首周辺だけが好みの画風になったペア」をNoobai Inpaintで用意しましょう。txt2img画面で行うと、インペイント部分以外の色合いなども微妙に変化してしまうので、ここはimg2img画面のインペイントタブで行います。(※このあたりはさきほどの「インペイントが理解る!」特集後段にある「インペイント実践編 ①キャラクター差分」の章で詳しく解説しています)


「img2img」タブから「Generation▶Inpaint」欄を選び、さきほど生成したupper body画像を読み込ませたら、このようにインペイント範囲を決めます。「S」キーでキャンバスを最大化し、ブラシサイズを大きくすると塗りやすいです。

最初は左右の乳首だけを丸く塗りつぶしてみたのですが、その状態でインペイントすると乳首のデザインだけが妙に浮いて見えてしまうことがわかり、おっぱい全体との調和を図るため、このような左右が繋がったエリアをインペイント範囲としました。


ただ、おっぱい全体をブラジャーのように広く覆ってインペイントしてしまうと、今度は胸の形状やサイズ自体を派手に変更するLoRAになってしまう恐れがありますので、ここはおっぱいのアウトラインが変更されないよう、できるだけ狭くインペイントしています。ただ、向かって右側はやや乳首をpuffy(ふっくら)気味にしたかったので、少しだけアウトラインを超えるインペイント範囲にしました。このあたりは、「何は変化させて、何を変化させないLoRAにしたいのか」をよく考えて、慎重に行う必要があります。


生成設定はこのような感じ。ノイズ除去強度は必ず最大の「1」にしないと、インペイント前の残滓が残ってきれいにできません。サイズやCFGスケールはベース画像と同じ。「マスクの範囲をインペイント」でマスクされたコンテンツは「元の画像」とし、マスク領域のみをインペイントします。

インペイント範囲がくっきりしてしまう場合は、「マスクのぼかし」の値を上げましょう。


Controlnet設定のほうもごく単純。プリプロセッサはInpaint noobai、モデルはnoobaiinpaintingを選び、ウエイトは「1」、すべてのステップに掛けるだけです。A1111版SDwebUIにはNoobaiインペイント用のプリプロセッサがありませんので、webUIはreForgeやForgeClassicなどを使いましょう。


で、この範囲をプロンプトに従って描き替えてもらうわけですが、どんなプロンプト指示だと「理想の乳首」にインペイントしてもらえるかが問題ですね。large nipplesやpuffy nipplesなどの関連タグを強度を調整して適用したり、はたまた「realistic」を使ってリアル調にしてみたり、複数のクリエイター名のタグを組みあわせて理想に近づけたり、あれこれ試して、理想を追求してみました。(※乳首をどう描くかは表現ではなくアイデアの範囲だと思いますが、クリエイター名のタグを使う場合は必ず複数人を混ぜて、誰かの絵そのままな表現にならないよう気を付けています。法律的な対策というより、気分的なものです)


最終的に、このような感じでさきほどのインペイント結果を得ました。今回の乳首LoRAのテーマは「裸にしてもごく健康的なベースモデルのタッチをもう少しいかがわしい方向へ寄せたい」というものだったので、乳首だけでなく胸の谷間の描写やテカリ(ハイライト)描写も少し加えてあります。


CoppyLoRA学習用のペアを作る際に一番重要なのは、「見た目」ではなく「データ」レベルでペア同士を似せる必要があるということです。ペア画像はベース1girlちゃん画像と同解像度・同アスペクト比にするのはもちろんのこと、人間の目では視認不可能なほどわずかな色合い・位置の違いであってもデータ上は「差分」として検出されますので、ドット単位でできるだけ一致させるようにしましょう。


・良いペアかは「差の絶対値」で確かめる

二つのペアがきちんと一致しているかどうかを確かめたいときは、画像編集ソフトで2枚をレイヤーとして重ねてみて、上のレイヤーの合成モードを「差の絶対値」にしてみましょう。こうすると、完全一致している部分は真っ黒になり、差がある所は明るくなるので、狙っていない部分に「差分」が生じているとすぐ分かります。これは微妙に2枚が斜めズレしているケースです。


こちらは、さきほど作った金髪1girlちゃんのペアを同じ方法で重ねたものです。乳首やおっぱいの谷間といった「意図して変えた範囲」以外は完全に真っ黒になっているので、余分な学習を避けられる「よいペア」ということができます。



・CoppyLoRAwebUIで学習しよう

ペアさえできれば、もうあとは学習するだけ。インストールがまだの方はとりにく(@tori29umai)さんのこちらのnoteの解説に従って、CoppyLora webUI V2をローカル環境に導入していきましょう。(FANBOX支援者向けの限定公開です)


CoppyLoRAの導入・使い方はこちらの記事で詳しく紹介していますので、こちらもご参照ください。


入力方法はごく単純。一番上のタブから「Detail Train」モード(2枚の画像ペアから差分抽出するモード)を選択し、上段にベース画像、下段にインペイント後のペア画像を入れて、キャプションに上下同じプロンプトを指示するだけです。ここには、読み込ませた画像に何を描かれているかをできるだけシンプルに入力しましょう。


右側のAnalyzeTagsボタンをクリックすると、読み込ませた画像のタグを自動抽出することができます。このままでも良いですが、「nude」と「completely nude」が重複しているので、どちらかに統一したほうがよいかもしれません。いずれにしても、キャプションは上下同文にするのが基本です。


ちなみに、「キャラLoRAが理解る!」では、データセット法で画風LoRAを作る際は「1girlも含めてほとんどキャプションを削除してしまう」という方法を紹介しましたが、CoppyLoRA法ではやらないほうがよさそうです。試しに上のペアを「1girl,nipples,completely」というシンプルなタグのみで差分学習させて比較実験したのですが、乳首以外への予期しない影響(ポーズ変更や新たなオブジェクトの追加など)がわずかに増加したように感じました。


余計なことをせず、「この入力画像には何が描かれているか」を端的に説明しているキャプションにしておけば間違いないと思います。



・「BaseModel」指定は慎重に

左上の「BaseModel」欄には学習時にベースモデルとなるcheckpointを指定するのですが、ここは「ベース1girlちゃん」を生成したモデルを指定することをおすすめします。私はprodigyで作った画風LoRAをillustrious系モデルにマージしたオリジナルモデル「decompmix_pro_v1」をこのところ使用しており、この金髪1girlちゃんもそのモデルで生成したので、そのモデルをベースモデルに指定します。


Base Modelの画風と異なるペアを使うとうまく差分が抽出できず、良いLoRAができませんので、普段決まった画風LoRAを適用して画像生成している方は、SuperMergerを使うなどして学習ベース用の自分モデルを作っておくとよいでしょう。(※CoppyLoRAではない従来のデータセット法でも、「いつもの画風のモデル」をベースモデルにすれば余計な画風の差分が生じない=学習させないで済みます)


あとは「LoRA Name」に適当な名前を入れて「Train」するだけ。今回のLoRA名は「real_nipples_v1」としました。


黒いコマンドプロンプト画面でこのように学習が始まりました。内部的には、まず上段・下段で入力した画像をそれぞれ過学習させて、何をプロンプト指示されてもいっさいその画像しか生成できない「コピー機LoRA」を二つ作り、その二つの「差分」を自動抽出して、目的のCoppyLoRAが作られる、という手順で工程が進みます。


RTX4080環境ですと、20分ほどで学習終了しました。自動でLoRAフォルダに保存はされないので、先ほどの「Train」ボタンの下にできたテキストリンクからDLするか、CoppyLoRAのインストールフォルダ内にある「output」フォルダ内にもLoRAが出力されていますので、そちらから普段のLoRAフォルダへ移動させておきましょう。


完成したLoRAで生成テスト

できたLoRAを適用するとどうなるか、さっそくテストしてみます。こちらは、最初のベース1girlちゃんを生成したときの設定。こちらの画像をLoRA適用状態で生成すると、理想の乳首に変更されて生成できるはずですね。


上の生成例とSeed値やプロンプトなどの設定は全く同じで、LoRAを強度1で適用した結果がこちらです。

ばっちり成功しましたね。乳首や谷間、おっぱいのハイライトは期待した通りになり、しかも適用前と比べてほかの部分はほぼそのままになっているように見えます。


ちなみにこちらは、学習時のキャプションを「1girl,nipples,completely nude」に簡略化して学習させたもの(v1)。きちんとキャプション付けして学習させた上の生成例(v2)と見比べると、胸以外の部分をかなり変容させてしまっていることが分かります。CoppyLoRA学習のキャプションはできるだけ正確にしたほうがよいようですね。


強度を変えるとどうなるかが気になるので、XYZ Plotで比較してみました。下に行くほどLoRA効果が弱まり、最下段では未適用の状態になります。


乳首以外への影響は全くない、とはいえないものの、ほとんど軽微ですね。乳房の形状(特に谷間の描写)やハイライトは期待通りになっています。ただ、どんな状況でも胸の谷間を常にこのように変容させるLoRAとなると、ちょっと使いづらさが出てしまったかもしれません。


もう一つ別の実験。年齢や髪色がランダム化されるこちらのプロンプトで、同Seed値でLoRAをオン/オフするとどうなるか比較しました。


PP:<lora:real_nipples_v2:1>1girl,solo,nsfw,nipples,white background, simple background, looking at viewer,upper body,breasts (+髪色・髪型・表情・年齢などをwildcardでランダム化)

左の4枚がLoRA適用前で、適用したのが右の4枚です。乳首のデザインだけでなく、わずかに表情やポーズに影響したり、ボディ全体のテカリに差が生じたりしているのが分かるかと思います。


・ヒトから見た差とAIから見た差

さきほどこちらのペアを用意したとき、私としてはハイライトや谷間の描写にも少しだけエッセンスを加えた程度のつもりだったのですが、AIはその差分が乳首周辺だけの変化なのか、それとも画像全体の変化がそこだけに代表して現れているのか、区別することができなかったようです。よって、乳首周辺だけに影響する純粋な「乳首LoRA」ではなく、乳首+谷間+ボディハイライトに効果が波及するCoppyLoRAが「差分」として現れてきたのですね。

従来のデータセット法と違ってたった2枚しか手がかりがないので、CoppyLoRA法ではこのように「差分が少し勘違いして学習される」ケースが起こりがちです。与えたペアからどのような差分をAIが計算してくれるかは、やってみないとなんともいえません。ただ、今回作ったLoRAであれこれ生成してみた感じでは、さほど強い悪影響もなく、期待した通りのボディが生成できるようになったように思うので、これはこれで結果オーライでしょうか。


ちなみに、女性だけでなく男性キャラの生成時にもちゃんと効果がありました。こちらは「1boy,male focus,nipples,muscular」の生成テスト。上段2枚が乳首LoRA適用後、下段2枚が適用前です。



・予想外の悪影響を抑制するには?

乳首以外への影響をもっと抑えて、よりプリミティブな乳首LoRAにしたい場合、2枚のペアをCLIPSTUDIOなどの画像編集ソフトで開き、レイヤーを重ね合わせて、余計な学習を呼び起こした部分を消しゴムしてしまいましょう。

          ▲〇の部分をやわらかい消しゴムで消す


このような感じで乳首以外のハイライトを消せば、乳首と胸の谷間にだけ影響するLoRAになりますし、


谷間の描写さえも消してしまえば、よりピンポイントに乳首だけに影響するLoRAにできます。

このあたりは目的とベースモデル次第ですが、我々ユーザーが期待する差分がいったい何なのか、AIにとって読み取りやすいペアにしてあげるのが大事です。


ちなみに、CoppyLoRAは調整・スライダー系になることが多いので、マイナス適用すると学習した差分とは「逆」の概念を表現することができます。こちらはさきほどの乳首LoRAを-1強度で適用したもの。乳輪や乳頭をはっきりリアルに、濃いめに描くLoRAだったので、その「逆」が計算され、このように薄くシンプルな乳首になりました。

「この世の全ては数字で表現できる」と分かっていても、アートが計算でできてしまうのはなんだか不思議な感覚ですね。



・「やりすぎ」もコツのうち?

プラスマイナス適用できるスライダー系調整LoRAを作るときのコツとして、「ちょっとやりすぎるくらいがちょうど良い」というものがあります。例えば線を太く/細く調整するLoRAを作りたい場合は、理想の太さより「ちょっと太すぎる」と感じるくらいの画像をペアにしたほうがよいLoRAができる、ということです。


極端なペアのほうがAIにとって差分が読み取りやすく、効果がはっきりする線画の太さ調整スライダーになる…というのも理由の一つですが、このような「やりすぎペア」で差分を取ると、0.5や-0.7など薄めの強度がちょうどいいLoRAになります。すると、予期せず混入してしまった学習させたくない要素のほうは「薄掛け」によって弱まってくれるというわけ。強度1が理想の太さになるより、0.6~0.75くらいでちょうどよくなるよう、「ちょっとやりすぎる」ペアを作るのがコツです。


「濃く作って薄めたほうが雑味が消える」というと、なんだか醤油造りみたいですね。ただ、ペア同士で細部が違ってしまうと、余計ダメなLoRAになってしまうので注意しましょう。

▲駄目な「やりすぎ」の例。背景や髪の位置などが加工前と異なってしまっている


また、画風やデザイン系のLoRAを作る場合は「やりすぎ」がうまくできないこともありますので、あくまでケースバイケースです。例えば、今回は「強度1」で適用するとちょうどいい理想の乳首になるLoRAを作りましたが、もっと「やりすぎ」て、リアルすぎ・エロすぎな乳首で差分を取るとなると、そもそもどんな画像をペアにすればいいのか分かりにくいですね。


一応アイデアとしては、いま作った乳首LoRAを「強度2」で適用してインペイントしたやりすぎ画像と、未適用の状態の1girlちゃんの差分を取ることで、「強度0.5がちょうどよくなる乳首LoRA」を作ることはできなくもありません。ただ、この荒技だと予想外の差分が生じてしまって、うまくいかないことも多い印象。スライダー系ではないコンセプトLoRAを作る場合は、あくまで「強度1が理想」になるペアで作るのが安全かなと思います。


コラム:ぶっかけ増量LoRA試作(配布あり)

ちょっとしたオマケ。NSFW系のCoppyLoRAは人体操作だけではなく、このような2枚で差分を取ればぶっかけ増量LoRAを作ることができます。どちらもベッド上で金髪少女が顔射されている画像ですが、精液の描画をリアルにしつつ、量を増加させています。


同様のLoRAはCivitaiにもあるのですが、あちらは通常のデータセット学習法で作られているので、構図などに少なからず影響があります。CoppyLoRAで作れば、このように構図を変更せず、狙った要素だけを変容することができます。


ペアの作り方はいろいろあろうかと思いますが、今回は先に通常量のぶっかけ画像を単純なプロンプト指示(1girl,closed eyes,blonde hair,short hair,completely nude, penis,ejaculation)で生成した後、その画像をAnytest v4を使ってimg2imgして「増量版」を作るやり方を選択しました。


逆に、「増量版」を先に作って、QwenImageEdit2511で「通常版」に変更するやり方も試しましたが、こちらも問題なくできました。bf16版を使って「Remove all semen」(精液を全部消して)と指示しただけです。

QwenImageEditを使った画像編集のやり方はこちらの記事を参照のこと。御覧のように、R-18画像の編集でも拒否されないので、大変重宝します。



タグはWD1.4Taggerを使って抽出しました。「1girl, penis,cum, nipples, blonde hair, 1boy, hetero, closed eyes, breasts, ejaculation, pillow, facial, on back, lying, uncensored, blush, short hair, small breasts, nude, solo focus, projectile cum, pov, sweat, closed mouth, collarbone, erection, paizuri, navel, bangs, on bed, bed sheet, veins, veiny penis, completely nude, upper body, medium hair, boy on top, bed, cum on hair, from above, cum on body, spread legs」で、上下段とも同じです。


画面全体の色合いや男性部分などに違いが出てしまうと、それら全てが「副作用」として学習されてしまうので、学習前に2枚をCLIPSTUDIOで重ねて手作業で消しゴムをかけ、できるだけ精液以外の差分が少なくなるよう修正しています。

上段に比べて下段はやや体にやや赤みが出てしまっていますが、精液のリアル感を残したかったので、あまり手を加えずそのまま学習しました。その差分の影響で、適用強度を増すと体がやや赤くなる副作用が出てしまいましたが、この程度ならまあ許容範囲内かなと思います。


Wai illustrious SDXL v16をベースモデルとしたLoRAですので、ご興味があれば使ってみてください。「facial」や「cum on 〇〇」などのタグと併用すると上記のような効果が出るはずです。


<色合いの変化を低減したV2>

こちらは、さきほどQIE2511で作ったペア画像で作った「V2」です。Anytestで作った「V1」に比べ、キャラクター部分がほぼ同じ色味になっているので、肌が赤くなる副作用を防げます。

「Remove all semen」指示で全く精液の映っていない画像を使うとキャプションと矛盾が出るため、2枚を重ねて一部だけ消しゴムを掛けることで、少しだけ精液が掛かっているベース画像を用意しました。


こちらがV2を適用したXYZ比較画像。

肌が赤くなる副作用がなくなった分、精液の質感に違いが出ているのが分かるでしょうか。こちらも配布しますので、好みで使い分けてみてください。



即堕ち2コマPenisAweLoRAの作り方

というわけで、CoppyLoRA法を使えば、調整系のコンセプトLoRAは問題なく作ることができました。AIから見て差分が分かりやすいペアさえ作れれば、他にもさまざまなLoRAを作れるはずですね。では、2枚のペアからは差分が学習できないような難しいコンセプトLoRAの場合、どのように学習すべきでしょうか?


今回はこのような、横長の画面を2分割して、片方にエロ絵、片方に立ち絵がくる「即堕ち2コマLoRA」を例に考えてみたいと思います。


ただの即堕ち2コマであれば、「instant loss」「2koma」「multiple views」などのタグを頑張って組み合わせればLoRAなしでも生成はできますし(プロンプト大辞典の<実践例3:即堕ち2コマ>参照)、そうしたinstant loss効果のあるLoRAはCivitaiでも見つかります。ただ、生成時の「打率」(思った通りの画像になる成功率)はかなり低くなりますし、キャラの見た目やポーズ指示が複雑になるほど不安定になってしまうはず。その上、今回はただの即堕ち2コマではなく、左側は毎回このような「penis awe+penis over eyes+no eyes」なポーズが立ち絵とペアで出てくる高性能なLoRAを作りたいわけです。


どんなキャラクターを指示しても、このような左右2コマ構図になるLoRAを作るには、CoppyLoRAではうまくいきません。よって、数枚から数十枚の画像を用意して共通する概念を覚えさせる、従来の「データセット法」を用いることになります。


・コンセプトLoRAのデータセット

このような難しいコンセプトLoRAを作るには、どういったデータセットをどれくらいの量準備すればよいか考えてみましょう。またもおさらいですが、キャラLoRAを作る入門記事では、データセット作りには次のようなコツがあるということを紹介しました。


<キャラLoRAのデータセットルール>

①追加学習させたい被写体・概念が大きく鮮明・共通に描かれていて、

②学習させたくない「余計な概念」が映り込んでおらず、

③角度や表情、性別などさまざまなバリエーションがある画像を、

④できるだけたくさん集めること。

⑤迷ったら量より質!(最重要)


ただ、このルールをコンセプトLoRAにそのまま適用するわけにはいきません。今回追加学習させたいのは被写体そのものの細部や一貫性ではなく、「即堕ち2コマ」を作り出す構図やポーズといった、ふんわりとした共通概念(=コンセプト)だからです。キャラLoRAのように被写体の容姿を細部まで覚えてもらってしまうと、むしろ使用時に邪魔になってしまいます。


よって、抜き出したい「コンセプトという差分」がAIにはっきり分かるようにするには、「再現したい構図やポーズはしっかりと共通しているが、再現したくないキャラクターデザインなどはばらけている」画像群を準備する必要があります。ばらけている部分は強く学習されないので、プロンプト指示によってコントロールできるようになります。


コンセプトLoRA版のデータセット収集ルールを考えてみると、以下のようになるでしょうか。


<コンセプトLoRAのデータセットルール>

①追加学習させたいコンセプト(構図やシチュエーションなど)がしっかりと分かりやすく共通していて、

②学習させたくない要素(プロンプトで変更したい要素)はバラバラな画像を、

③「量より質重視」で集める。

④画風はバラけさせるか、ベースモデルと一致させること!


今回の即堕ち2コマLoRAの場合、「どの画像もだいたい同じ位置に人物が同じポーズで位置しているが、キャラクターの容姿はバラバラ」になっていればよいわけですね。


さきほど乳首LoRAを作ったときと同様、ベースモデルと同じ画風のデータセットで作るか、もしくは画風がすべてバラバラのデータセットを用意しないと、画風に強く影響が出るLoRAになってしまうことも理解しておきましょう。ミスして「コンセプト+画風LoRA」になってしまった場合、その画像を生成したモデルに適用すると、画風調整が2重掛けになって画風が壊れてしまいます。(画風LoRAはベースモデルの画風に対してややツリ目にしたりフラットにしたりする効果の集合体なので、効果が2重になると画風がおかしくなる)


さきほどは2枚のペアだけで差分を考えればよかったので単純でしたが、データセット法ではより俯瞰して、共通点と差分を明確化した画像群を用意しなくてはならないということですね。大体の理屈が分かったら、さっそくトライしてみましょう。


・コンセプトが共通する画像を収集しよう

コンセプトLoRA用のデータセット画像の集め方は二通りあります。ウェブ上に公開されている同じコンセプトのイラストを手当たり次第に集めるか、自分で生成する(or描く)かです。どちらの場合でも、念頭においておきたいのはやはり「何を覚えてほしくて、何は覚えてほしくないか」=「どこを固定して、どこを変容的にするか」ということです。


例えば、手でこのような「キツネ」のポーズをするポーズLoRAを作るとしたら、生成時にfrom sideでもfull bodyでもfrom behindでもきちんとキツネの手をできるLoRAにしたいところですね。

それなのに、すべてupper body+正面からの1girl画像でデータセットを構築してしまうと、「キツネの手LoRA」ではなく「1girl+upperbody+from front+キツネの手LoRA」になってしまいますね。応答力・応用力のあるLoRAにするためには、データセット画像群に覚えさせたい概念が単に共通しているだけでなく、from sideやfrom behind、full bodyなど、できるだけ状況のばらけた画像群を用意する必要があるわけです。



・「即堕ち2コマPenisAweシチュ」のデータセットは?

では、今回作る「即堕ち2コマPenisAweシチュ」のデータセットは、何を共通させて、何をばらけさせるべきでしょうか。

このLoRAを適用したら生じてほしい効果を箇条書きにしてみると、以下のようになると思います。


①画面右は必ず服を着た女性のcowboy shot+室内背景。表情は眉をしかめて怒っているか、不安そうな表情をしている(できたら背景や表情はプロンプトで変更可能にしたい)

②画面左は全裸の女性のsquatting+見下ろし(from above)画角+床(floor)背景。左側に全裸男性の下半身が映り込んでおり、目は男性器で隠れている。

③左右の女性は同一人物だが、どのような容姿・表情で手はどうしているか等は、その都度プロンプトで変更できるようにしたい(cupping handsをdouble vなどに変更できるLoRAにしたい)

④二つの画像の境目は、白い境界線で隔たれているとよい。


上の例では左側にだけ「?」マークが浮かんでいますが、これを再現したい場合は、データセットのどの画像にもそのマークを入れるべきですし、プロンプトで入れたり外したりできるようにしたい場合は、?マークのある画像とない画像で構成すればよいということになります。(その場合、右側の立ち絵に?が浮かんでしまうことがあるのは覚悟しておきましょう)

基本的にこの構図は横型のキャンバスではないと再現不可能だと思うので、画像群はすべて横長のキャンバスで用意することになります。


・コンセプトは「ばらけさせすぎ」注意

さて、左側のHシーンで着ている衣装を毎回同じにしたい場合、衣装がすべて一致した画像群を用意すればよいですし、逆にその都度プロンプトで指示したい場合はデータセットも衣装をばらけさせる必要があります。ただ、あまり服も髪もポーズもコントロール可能にしようとしてばらけさせすぎると、AIがコンセプトを理解できなくなる恐れが強まります。


例えば、こちらの9枚でコンセプトLoRAを作ったとします。いずれも、左側のHシーンは「全裸+赤い首輪」ですし、右側は着衣です。これらの共通概念を上手に学習できたら、高確率で「右側は着衣・左側は全裸+首輪」にしてくれる(したがる)コンセプトLoRAに仕上がるはずです。

これがもし右側の立ち絵も全裸だったり、左右とも着衣状態だったりとコンセプトがばらけているデータセットだったら、LoRAを適用したときにどうしたらいいかAIが迷ってしまいます。「completely nude」「clothed female」という注文をしても、右左どちらを全裸にしてどちらを着衣にすればよいのか分からなくなるわけですね。細かい部分までプロンプトで変更可能なLoRAは使い勝手がよいのですが、あまり応用力を高めようと欲張りすぎると、かえって使いづらくなってしまいます。


・画像群を自分で用意する

では、さっそく求めるLoRAの学習に必要な画像を集めていきましょう。さきほど書いたような①~④の条件が揃った画像群はさすがにウェブ上に存在しないと思いますので、今回のデータセットは自分で作る必要があります。


容姿を細部まで再現可能にしたいキャラLoRAの場合、正確にそのキャラの特徴をとらえたバリエーション豊かな画像をできれば15枚程度ほしいところですが、コンセプトLoRAの場合は覚えさせたい部分が強烈に一致していて、変えたい部分がバラバラの画像であれば、数枚程度で構いません。キャラLoRAのように細部を覚えてもらう必要はなく、ふんわりと「右に着衣女性のtachi-e、左に同一人物の全裸squatting、背景あり、全裸男性の下半身、目はpenis over eyesで見えない」あたりの特徴が一致していればよいわけです。


枚数が少なすぎてよくない出来のLoRAができるかもしれませんが、その場合はできたLoRAでさらに大量生成し、データセットを充実させてやり直せばOK。そうなると、手作業で3~5枚程度、同じシチュエーションの画像をキャラ別で用意すればよいことになります。左右のキャラは明らかに同一人物である必要がありますし、共通させたいポーズは共通させ、変更したい部分はばらばらにしたいところです。


そうした5枚を用意するには、どうするのが手っ取り早いでしょうか?



答えは、「Clipstudioでまず左右のコマ割りを作って、そこに1枚ずつ生成した有名版権キャラの立ち絵とエロ絵を配置する」です。

さすがにLoRAなしで1枚絵としてこのシチュエーションを一発生成するのは至難の業ですが、自分で2枚の画像を合成するだけなら話は別。左のHシーンだけの画像なら「1girl,cowboy shot, seductive,nsfw,cum on tongue,looking at viewer, squatting, floor,tongue out,uvula,cupping hands,penis on face,veiny penis,penis awe,no_eyes,covering_eyes,1boy,standing,solo focus,male pubic hair, stray pubic hair, bar censor」あたりのプロンプトで問題なく出すことができますので、あとは同じキャラの不機嫌そうな、もしくは不安そうな立ち絵をtachi-eをglaring、scaredタグで出して、画像編集ソフトで左右に並べればよいわけです。


被写体を有名版権キャラにしたのは、ベースモデルがきちんとキャラクターデザインを覚えているので、立ち絵とエロ絵を別々に生成しても簡単に一貫性を保てるから。細かいエロ要素(stray pubic hairなど)も共通させればLoRAのコンセプトとして学習されるので、覚えてほしい要素はデータセット全体で共通させましょう。逆に、手に関するポーズ(腕組みをしている、精液を手で受けている、ダブルピース等)をプロンプトでコントロールしたい場合は、データセット内でポーズが偏らないようばらけさせることになります。


コンセプトLoRAのタギング

コンセプトLoRAのデータセットは3~5枚程度からなんとかなるようです。揃うべきところが揃って、ばらけるべき部分がばらけた画像群が準備できたら、さっそくタギングして学習しましょう。タギングの基本は「ローカル学習入門」を参照のこと。


コンセプトLoRAのタギングの基本は、「トリガーワードを作るが、重複タグ以外は基本削除しない」です。なぜなら、どこまでをコンセプトとしてトリガーワードに含めるかを最初に定めてしまうと、あとから細かい変更ができないガチガチのシチュエーションLoRAになってしまうから。「2koma」や「instant loss」といった生成時に絶対使うタグは削除してもよいですが、生成時も結局使うのなら、削除してもしなくてもどっちでもよいのですね。


例えば、さきほどの5枚はすべてcupping hands(手をお皿にする)になっているのですが、だからといってcupping handsを削除してトリガーワードに集約してしまうと、「左のポーズをダブルピースに変えようか」と思っても言うことをきかないLoRAになってしまいます。今回はあくまで右に立ち絵、左にメカクレエロ絵というコンセプトを「ふわっと」覚えてくれればよいので、「sokuochi」というトリガーワードを冒頭に追加するくらいで、特に検出タグの整理は行いませんでした。


そうなると、この画像につくのはこのようなタグになります。(5枚のうちオリジナルキャラの1枚)

厳密にはcollarとred collar、denimとjeansなど重複タグがあるので消したほうがいいのですが、容姿を再現したいキャラLoRAと違ってそれらのタグに分割して覚えられてしまっても特に問題がないので、そこまで神経質になる必要はないと考えました。



コンセプトLoRAの学習設定

画像5枚と対応するテキスト5つからなるデータセットができたので、学習を開始します。今回はこちらに用意したコンセプトLoRA用プリセットを使用して、Kohya LoRA param GUIで学習します。画風LoRA用・キャラLoRA用と同梱されていますので、解凍して読み込んでみてください。



いつも通りオプティマイザはprodigy(よってLRは1固定)。次元数とアルファは「dim8/alpha4」とあまり細部を覚えない数値にし、バッチサイズ2でU-netのみ学習しています。共通する構図をふんわり覚えてほしいだけなので、batch1相当で1000ステップのみ。5枚×20リピート×10epoch=1000stepという計算ですが、これでも多すぎるはずなので、ちょうどいい焼き加減のエポックを拾いたいと思います。

ベースモデルは、データセットの画像を生成したマイモデルを使います。データセットとベースモデルの画風の違いを最小限にすることで、画風変化がLoRAに刻まれるのを防ぎたい考えです。


学習は10分半で終わりました。順調にavr lossが下がっているので、うまくいっていそうですね。



生成テスト

さっそく生成してみましょう。LoRA強度はとりあえず1。キャラの服装やポーズなど、あえて共通させずバラバラにした要素は、きちんと指示してあげる必要があります。ここでは「mature female」「crossed arms」「suit」「glaring」としました。


PP:<lora:sokuochi_v1:1> 1girl, sokuochi, 2koma,instant loss,tachi-e,cowboy shot,open mouth, penis, penis on face, penis over eyes, completely nude, suit,stray pubic hair, testicles, tongue, tongue out,crossed arms, mature female,squatting,uvula,bar censor, cum, cum in mouth, cum on hands, cum on tongue, floor, cupping hands, glaring, hetero, looking at viewer, male pubic hair,stray pubic hair, 1boy


どうやらコンセプトを覚えることには成功したようですね。右上は「penis on face」の効果が強すぎて左右とも竿役が登場してしまいましたが、おおむね「右に着衣立ち絵・左に全裸メカクレHシーン」という構図が再現できています。


ただ、少し気になるのは、顔立ちの画風が普段の自分モデルと少し違うように見えること。ベースモデルと一致させたものの、5枚の版権キャラ画像に共通する画風とベースモデルの画風の差異が抽出されて、ベースモデルとの差異が薄く画風LoRAにもなってしまっていることが想像されます。そこで、適用度をどれくらい下げられるかXYZ plotでチェックしましょう。


例によって、下に行くほどLoRA効果が弱まり、最下段では未適用の状態になります。


最低0.5くらいの強度がないと「右に立ち絵・左にHシーン」というコンセプトが反映されないようですね。また、右の立ち絵画像にも「tongue」や「tongue out」の影響が出てしまっているのも少し気になります。


今度はプロンプトから「tongue」と「tongue out」を抜いて生成してみます。5枚すべての画像が左のみ舌を出している構図になっていますので、タグなしでも再現できるはず。LoRA強度は0.75。(ついでに髪型と髪色・目の色もwildcardでランダマイズしています)

おおむね良い感じではないかと思います。


では、「プロンプトで操作したい部分」を入れ替えられるかどうか試してみます。tsurime,mature female,suit,angry,crossed armsとしていた部分を「school uniform,tareme,scared,holding own arm, double v」に入れ替えました。


PP:1girl, sokuochi, (2koma,instant loss,tachi-e:1.3),white border,outside border, cowboy shot,open mouth, penis, penis on face, penis over eyes, completely nude, pleated skirt,stray pubic hair, testicles, school uniform,tareme,scared,holding own arm, double v,squatting,uvula,bar censor, cum, cum in mouth, cum on tongue, floor, hetero, looking at viewer, male pubic hair,stray pubic hair, 1boy


左下はうまくいきましたが、やや安定感に欠けるようです。「cupping hands」をNPに入れ、「hands up」を追加するとこうなりました。

このプロンプト指示なら、どの画像にもcupping handsではないポーズを取らせることができました。右上の一枚は立ち絵のほうも口がおかしくなってしまっていますが、打率的には許容範囲かなと思います。


データセットを水増しするには

5枚のデータセットでも割とうまくいくコンセプトLoRAが作れましたが、もう少し打率や応答性をよくしたい場合は、このLoRAを使ってデータセットを水増しします。


水増しデータを作るときに大事なのは、引き続き「ばらけさせたいところがはっきりばらけていて、覚えさせたいコンセプトはしっかり共通している」という部分。さきほどはすべてcupping handsの画像で作ったので、強くcupping handsになる傾向のLoRAになりましたが、ここをコントロール可能にしたい場合、別ポーズの画像を等分になるくらい混ぜ込む必要があります。


例えば、このようなランダムプロンプトで「別パターン」を量産してみます。


PP:<lora:sokuochi_v1:0.8>, 1girl, sokuochi, 2koma,instant loss,spread legs,standing,cowboy shot,open mouth, clothed female,floor,tachi-e,penis over eyes,no eyes,uvula,veiny penis,completely nude,{school uniform|casual wear|black suit|playboy bunny| __cosplay__},{crossed arms|hand on hip},stray pubic hair, testicles,squatting,bar censor, cum, {|double_v },{angry|glaring|scared|bad mood|disgust}, hetero, looking at viewer, male pubic hair,stray pubic hair,indoors, 1boy,masterpiece,best quality,amazing quality, jaggy lines,white border,__eyes-color__,__haircolor__,__hairstyle__ ,{mature female| },{tsurime|tareme}

太字にした部分はdynamic promptやwildcard機能を使って、ばらけさせたい要素だけをランダム化させたもの。キャラクター容姿(髪型・髪色・目の色・年齢)と表情、服装、左右それぞれのポーズなどがランダム生成されます。これで大量生成して、良くできたものをチェリーピックし、さきほどと同じ方法でタグ付け・学習させれば、キャラ・表情・ポーズはばらけて、シチュエーションは固定されたLoRAができそうです。


・adetailerを使う際の注意

立ち絵の顔部分はかなり小さい範囲に描画されますので、adetailerも掛けたいところです。ただ、そのまま適用するとプロンプト内にある「cum」や「stray pubic hair」に反応して立ち絵の顔周辺が書き換えられてしまうので、adetailer用のプロンプトは1girl+クォリティタグくらいのシンプルなものにしました。(adetailerは空欄だと本生成のプロンプトを流用する仕組みですが、ここに記入することで個別プロンプトを利かせることができます)

右コマだけ拾わせたい場合は、Mask only the top kを「1」として、「confidence」を選択すれば、検出範囲を1画像につき検出閾値が一番高い1つまでにできます。こうすれば、目が隠れていない右側だけがadetailer対象になるはずです。



これで生成するとこのような画像が大量生成できます。もちろん100%の打率ではありませんが、チェリーピックすれば求めているcupping hands以外のバリエーションが用意できそうですね。



・tachi-eの学習

もう一つ、隠し味的にプロンプト応答度を高めるためにできるのが、tachi-eタグの学習です。右側の立ち絵はともかくこういうもの!という学習をさせてしまうことで、画面の右側を正解率を上げてしまうわけです。


やり方は簡単で、「sokuochi」フォルダと同階層に「tachi-e」フォルダを用意して、そこに適当な立ち絵を放り込んでおくだけです。それぞれの枚数を勘案してリピート数を決めましょう。


タグ付けは普通にタガーで行い、トリガーワードとして「tachi-e」を入れておきます。こうすることで、ユーザーが求めている「tachi-e」はこういうものなんだ、ということをLoRAに焼き込めますので、sokuochiシチュエーションの右側を生成するときに反映されるというわけです。ただ、sokuochiフォルダに比べてリピート数をかなり少なくしておかないと、ただのtachi-eLoRAになってしまうので注意しましょう。


今回用意したのはsokuochiフォルダ43枚、tachi-eフォルダ15枚となりました。sokuochiフォルダがあくまで学習のメインですので、tachi-eフォルダはその10分の1くらいの頻度で学習してほしいところ。よって、フォルダ名は「3_sokuochi」「1_tachi-e」としました。1epochあたりsokuochiフォルダは3repeat×43枚=129回学習、tachi-eフォルダは15枚を1回ずつ学習という感じです。


改良版の学習と生成テスト

改良版のsokuochiデータセットはこのような感じ(43枚中の一部です)。double vやcupping handsなど、ポーズはできるだけばらけさせ、キャラクターも別々にしました。


さきほどは5枚を1000ステップ回しましたが、データセットの水増しによって枚数が増えたので、8epochで1batchあたり約2000stepになるよう調整しています。


タグ付けはこんな感じで、sokuochiとtachi-eを先頭にしてトリガーワードにしました。学習時はシャッフル機能で、2つめ以降のタグの順番はランダマイズされます。



20分ほどで学習終了。


こちらが生成結果です。さきほどのランダムプロンプトと同じものを使っていますが、枚数を増やしたのとtachi-eを覚えさせた効果によって、チェリーピックしなくとも安定性が各段に上がっています。


PP:<lora:sokuochi_v2:0.8>, 1girl, sokuochi, 2koma,instant loss,spread legs,standing,cowboy shot,open mouth, clothed female,floor,tachi-e,penis over eyes,no eyes,uvula,veiny penis,completely nude,{school uniform|casual wear|black suit|playboy bunny| __cosplay__},{crossed arms|hand on hip},stray pubic hair, testicles,squatting,bar censor, cum, {cupping hands|double_v|}, {angry|glaring|scared|bad mood|disgust}, hetero, looking at viewer, male pubic hair,stray pubic hair,indoors, 1boy,masterpiece,best quality,amazing quality, jaggy lines,white border,__eyes-color__,__haircolor__,__hairstyle__ ,{mature female| },{tsurime|tareme}





終わりに

というわけで、大変シュミが出てしまった特集でしたが、「コンセプトLoRA学習が理解る!」でした。ずいぶん長く掛かりましたが、これで「キャラLoRA」「画風LoRA」「コンセプトLoRA」それぞれの特集が完成しました。


1年前の記事と見比べると、当時とだいぶ考え方や流儀が変わっているなと感じます。LoRA学習については本当に手探りで効果を確かめないと分からないことが多々あり、間違ったことをお伝えしてしまっているのではないかと不安になることも。特にCivitaiで公開されている良質なLoRAのmetadataを見ていると、自分と全く違う考え方で学習されているものもあり、まだまだ知らないことだらけだなと痛感します。


DMで読者さんとやりとりしたり、頂いているコメントを見たりしていると、皆さん似たポイントで「なんでこうなるんだ!?」とつまづいているのを感じるので、引き続き成功例をお伝えするよりも「こういうことをやるとこういう失敗が起こりました」ということに重点を置いて記事を書いていくべきだなとつくづく感じました。


LoRA学習についてはまだまだ書きたいことがたくさんあります。たとえば画風・キャラ・コンセプトLoRA以外にも、背景LoRAや衣装LoRA、小物LoRA、HプレイLoRAなどがありますし、1作品に登場する複数キャラを同時学習して絡ませられるLoRAなどもまだ検証がうまくいっていません(AnimagineXLでは割と簡単にできて記事にもしたのですが、illustriousXLベースだと混じりがちです)。


今回配布した学習プリセットは比較的安定しているProdigyで統一していますが、もっと検証して画風・キャラ・コンセプトそれぞれに最適なオプティマイザや設定を見つけたいところ。引き続き、自分の趣味や性癖に正直に画像生成と学習を楽しんでいきたいと思います。


それでは今回はこのへんで。スタジオ真榊でした。




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