
ああ、ついにこういう漫画の描き方的なやつをわざわざ書くようなお年頃になってしまった。自分用だから別にいいけど。
私がやってる漫画の描き方を分解すると次のようになる。
①ネーム
台詞・コマ割り・最低限の感情などがわかるとこまで描く。ここで公開してるのは割とよそ行き用に描き込んでいる。
②下書き
私はレイヤーごとに感覚がとぎれとぎれになるのが苦手なので、上のネームのレイヤーをわざわざ複製して邪魔な部分を消してから下書きを描いている。
③ペン入れ
耳はなくなった。ベタ部分はトーンを貼ってから描き込んでいるところも多い。
④トーン
このあとに⑤影、⑥ホワイト…など続くがそれはここでは割愛する。
で、何を自分用にまとめたいかと言うと。
作業中に何をどういう順番でやるかという手順だ。
たとえば1Pごとに上記の④番、トーン貼りまで済ませるとする。
集中力が連続しており、キャラに対して意識が向きっぱなしなので精度は良い。
はじめのうちは。
1Pごとにこれをやっていると、疲労の蓄積がとても早い。逐一作業の道具を切り替えねばならず、そのたびに脳内でドライバを切り替えないといけないので、達成感はあるが4Pめくらいでへとへとになっていく。へとへとになると作業が雑になり熱意が下がる。精度も下がってゆく。これではいけませんね。
同じドライバを用いた作業は連続でやるほうが良い。下書きなら下書き、ペン入れならペン入れ、トーンならトーンで継続したほうが極端な疲労は減る。
しかしこれはこれで問題がある。一つは飽きがきてダレること。
もう一つは微調整をどこまでするかが不明瞭になること。
たとえば上記のペン入れレイヤー、これは完成した後の形で、トーンを貼る直前を再現するとおおよそこのような状態になる。
要するに、ベタとか毛の書き込みとか服のシワとかは、この段階ではやってませんよということだ。
これにそのままトーンを乗せるとこうなる。
ちょっとメリハリが足りない。
だが、こういうのはトーンを貼ったあとにわかることで、貼る前から完璧な微調整はできない。
しかしあまりに「置き」の調整がないと、ペン入れ作業自体を「いい加減にやる工程」と脳が思ってしまい、どんどん線がふにゃけていく。そもそも考えることを減らすために作業工程をまとめているのに、微調整を都度考えるのは本末転倒である。
このジレンマをどうすればよいかというのがこの備忘録の趣旨である。
ひとまず現段階でルールにすべきだと思っているのは、「意図と構造を描け」とすることだ。
再びペン入れのレイヤーに戻る。
これから公開する予定の漫画のキャラなので詳細はさておき、このキャラクターには3つの意図がある。
①忍者である
②獣である
③脅威である
①の「忍者である」を満たすためには、「忍ぶ」「隠す」という意思表示がなくてはならない。
つまり、「この衣装は隠れている部分を作るためにある」ことを示すための影は構造として必要になる。
そして②の「獣である」を満たすためには、毛むくじゃらのけだものであること、非人間的な顔の凹凸があることを示さねばならない。
③の「脅威である」は少し小難しい。
脅威であるとは、「安全」と「非安全」の別があり、「非安全」が「安全」の領域に踏み込んでいることだ。
絵の上で「安全」とはなにか? わかりやすく、情報量が少なく、刺激が乏しい領域だ。そして、脅威を表したいならその領域にわかりにくく、情報量が多く、刺激のあるものを配置すればいい。
つまり、ここだ。
いちばん書き込みが少なく白いマズル部分に細かく描き込まれた鼻とちらりと見える牙があり、表情を複雑にしている。
…というふうに意図と構造をしっかり把握してペン入れすると必要な判断リソースが減り、疲労が少ないんじゃないかなあ、というメモ書き。
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