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「GPT Image2」徹底検証!ノイズ除去法からLoRA学習まで
Published 05/01/2026, 08:58:44 PM · Edited 05/20/2026, 01:18:07 PM

<記事内容の要約>
・キャラ・アイテム・背景の一貫性を保ちながら、10枚同時生成で大量のバリエーションを作れる「GPT Image2」の検証記事
・粒状ノイズや色むら、編集を重ねたときの劣化、漫画の読み順ミスなどの弱点と解決法を掘り下げ
・立ち絵、衣装差分、アイテム案、背景、イベントCG、LoRA用データセット、スタンプ、漫画、間違い探しまで、13種の活用法を紹介
2026/05/02更新:「検証2.粒状ノイズや色むらの修正方法」に、「ADetailerを強めに掛けるには」を追記しました。
こんばんは、スタジオ真榊です。今回は、2026年4月に公開されたOpenAIの最新画像生成モデル「ChatGPT Images 2.0」(以下、GPT Image2)の徹底検証記事をお届けします。
結論から言えば、GPT Image2の使い勝手の良さは現行最強の画像編集モデルだった「NanoBananaPro」を超え、過去最高を更新したと感じています。注目すべきポイントは、「GPT-5.5由来の問題解決力・伴走力の高さ」と「一貫性を保持し、バリエーションを持った10枚同時生成を連発できること」の二つ。
一方で、汚く見える粒状ノイズや色むら、画像編集を重ねると起きる劣化、漫画の読み順ミスなど、創作で無視できない不具合も報告されています。今回の記事では、既存技術を組み合わせた回避方法についても検証しました。
キャラクターの一貫性保持は、漫画やゲームといった物語作りに必須です。これまでさまざまなモデルを使って「同キャラ別カット」を作ったり、それをLoRAにしてSDXLで再現できるようにしてきましたが、GPT Image2の登場で、ようやくその戦いも終わりに近づいているのを感じます。今回の記事では、一貫性保持の実力検証とノイズ除去の詳しいやり方、それを使ったLoRA学習なども一気通貫で見ていきたいと思います。【約2万2000文字】
目次
GPT Image2とは
<どこで生成できる?>
<GPT Image2の弱点>
GPT Image2の使い方
<画像とライブラリ>
<エディタ機能>
<生成コストと利用制限について>
GPT Image2のプロンプト
<GPT Image2の生成指示>
検証1.破綻した手を直す
検証2.粒状ノイズや色むらの修正方法
<SDXLリペイント>
<ADetailerを強めに掛けるには>New!
<実践>
検証3.アイテムのデザイン提案
<アイテムのバリエーション提案>
検証4.キャラクターの立ち絵バリエーション
<衣装バリエーション>
検証5.キャラクターの8方向推論
検証6.背景の提案と回転
検証7.一貫性のある舞台設定作り
検証8.キャラクターと背景の合成
<背景の情報量調節>
<過去作品を参照させるとどうなる?>
検証9.キャラLoRA用のバリエーション作り
<OpenAIの規約を確認>
<GPT Image2を使ったLoRA学習のやり方>
検証10.漫画生成検証
検証11.スタンプ生成
検証12.間違い探し検証
<NanoBananaProによる差分>
<GPT Image2による差分>
検証13.インフォグラフィック作成
終わりに
GPT Image2とは
2026年4月21日、OpenAIが公開した新画像生成モデルが「GPT Image 2」です。API上のモデル名は「gpt-image-2」で、これまでChatGPT上で使えた「GPT Image1.5」の次世代モデルという位置付けです。
第一印象はNanoBananaProと同じで、「自然言語指示の画像編集、特にインフォグラフィック生成が得意な最先端モデル」という感触だったのですが、一緒に作業を進めていくにつれて、これは「ユーザーの目的を理解しながら作業してくれる、視覚制作アシスタント」であると感じるようになりました。
「このキャラの手だけ直して」「この絵柄で別表情を作って」「このキャラ設定資料をもとに8方向の立ち絵を作って」「このイラストに魔法エフェクトを追加して」といった指示に強く、NanoBananaPro以上に空気を読んでくれることがあります。キャラクターの一貫性保持力は、完璧とはいかないまでもNanoBananaProより高めです。
漫画生成については記事後半で詳しく検証しますが、欧米風に左上から右下へ読む横書きセリフ漫画の印象が強いのか、NanoBananaProよりもコマ割り(読み順)を失敗しがち。演出もやや過剰で、ちゃんと指示しないと「スベりがち」と感じます。
<どこで生成できる?>
外部プラットフォームで利用することもできますが、結論から言うと、GPT Image2はやはりChatGPT(GPT-5.5)上で生成するのが最も強力でコスパもよいです。無料会員でも利用できますが、ある程度利用すると制限に掛かってしまうので、基本は有償会員向けです。
既にAPI利用も可能になっているので、Magnific(旧Freepikが改名)上でも既に「GPT2」として利用可能です。ただし、クレジットを消費しないUnlimitedモードでの利用は不可。解像度は1K、2K、4Kから、画質設定はlow、medium、highから選ぶことができ、それぞれクレジット消費量や生成時間が変わります。(ChatGPT上で生成を依頼した場合も、内部的にどのサイズ・画質で出力すべきかその都度判断されているようです)
上記設定での生成結果はこのような感じ。Medium-2Kサイズでこれ1枚に400クレジット消費します。
GPT Image2を使うのであれば、貴重なクレジットを消費して外部プラットフォームで生成するよりも、ChatGPT-5.5に頼む方が最も簡便かつ、生成結果の満足度も高いように思います。API利用の場合ももちろん高品質な生成をしてくれますが、ChatGPT-5.5上であれば、それまでの継続した文脈を踏まえて、今必要な作業は何かを「察して」動いてくれますし、その後も壁打ちしながらどんどん修正してもらうことができるからです。
<GPT Image2の弱点>
これまで触った中で感じた既知の問題としては、以下のようなものがあります。
・画像に粒状のノイズが生じる
・同じ画像の編集・修正を繰り返すたびに品質が劣化する
・1p漫画のコマ順を正確に生成するのが苦手
・透明背景の出力が安定しない
・GPT-5.5で作業中、指示していないのに画像生成を始めることがある
今後修正されるかどうかはわかりませんが、これらはプロンプト指示ではなかなか解決が難しいモデル由来の問題です。粒状ノイズがどんなものかについてはこちらのツリーや返信を見ていただくのが早いですね。
詳しくは記事後段で見ていきますが、ユーザー側が既存技術と組み合わせることで回避できるものもあれば、現時点では解決が難しいものもあることを留意しておきましょう。
GPT Image2の使い方
ここからはGPT Image2の使い方を見ていきます。ChatGPT上で利用する場合は、自然文で率直にやりたいことを伝えればOK。画像サイズは「16:9」や「3:4」などと指示します(横が先、縦が後)。複数枚の同時生成が可能で、10枚いっぺんに生成を指示してもちゃんと受け付けてくれます。
<連続生成のやり方>
…というほどのものではないのですが、単純にプロンプトのどこかに「10枚連続生成」や「n=10」などと指示するだけでできます。
うまくできない場合は、下図のように「モデルを選択▶Thinking」が選択されているか確認して下さい。GPT-5.5でも「Instant」モデルだとキャンバスを10分割した画像が1枚だけ生成されやすいようです。
例えば「このキャラクターのバリエーション画像を10枚生成してください。さまざまな表情、ポーズをしています。いずれも白背景で、アートスタイルは参照画像を踏襲してください」と指示するとこうなります。
生成時間は指示内容にもよりますがせいせい数分程度で、NanoBananaやSDXLに比べて大変スムーズです。
生成結果を並べるとこんな感じ。ちゃんと意図を汲んで、一つ一つ表情もポーズも違うバリエーションを生成してくれています。今回は「さまざまな表情、ポーズをしています」というあいまい指示でしたが、「怒り、びっくり、微笑」「腕組み、座り、寝る」「全身、バストアップ、太ももから上」などと具体的に指示しても、正確に答えることができます。
生成画像をクリックすると、このような画面が表示されます。
右上にはこのようなボタンがあります。「選択する」を選ぶと、後述する「エディタ機能」が起動します。矢印のダウンロードボタンをクリックすると、同時生成した画像を一気に連続DLできて大変便利。zipでまとめてくれるわけではなく、10個分次々にダウンロード先を選ぶ画面が出るので、エンターキーを10回連打すればOK。(ブラウザ許可が必要な場合があります)
「アスペクト比」ボタンも大変画期的な機能です。これは、いま生成した画像を、内容はそのままに別のアスペクト比(ヨコタテの長さ)で再生成してくれるというもの。例えば、縦長の3:4で作った画像を16:9の横長に変更するといったことが簡単に可能になります。
特にこれが威力を発揮するのは、インフォグラフィック。このように、内容はそのままでしっかりアスペクト比を調整してくれます。
<画像とライブラリ>
過去生成した画像は、画面左サイドメニューから「画像」を選ぶと一覧できます。「ライブラリ」には、これまでに自分がアップロードした参照資料が並びます。
こちらは「画像」タブ。これまでに生成した画像がずらっと並びます。この画面から複数画像を選択して一括ダウンロードができた時期もありましたが、記事執筆現在はひとつひとつクリックで開いてダウンロードする仕様になっています。
ユーザーがアップロードした参照画像や各種ファイルは「ライブラリ」画面で一覧できます。こちらはアイコンの右上からチェックを入れて「ダウンロードする」を押すと複数枚の一括ダウンロードができます。
<エディタ機能>
生成画像を開いて、右上の「選択する」ボタンを押すと、インペイントに似た画面を開くことができます。このように胸元を塗りつぶして、「柔道着の胸元が開きすぎているので、きちんとしてください。向かって右(キャラクターの左胸)に"鬼怒川"と縦に名前を書いてください」と指示すると…
このように、指示通りに修正してもらえます。
ただし、これはSDXLのインペイントのように指定範囲を切り取って再生成し、元通りはめ込む機能ではないので、キャンバス全体の変容やわずかなズレが避けられません。GIF比較すると分かりやすいのですが、全体をimg2imgしているようで、よく見るともやもやした「色むら」のようなものも増加してしまっています。(指が分かりやすい)
エディタ機能は現在表示されたりされなかったりして安定しませんが、後述するやり方で色むらの除去を行う必要があります。(このあたりはOpenAI側の修正を期待)
<生成コストと利用制限について>
ここまで大量生成・大量DLがスムーズにできるとなると、気になるのがお値段と利用制限ですね。私は月20ドル(記事執筆時点で3,200円前後)の「Plus」プランに加入していますが、今のところ一度も制限に掛かっていません。GPT Image2公開以来、毎日大量に10枚同時生成を繰り返しており、ゲーム作りなどでCodex(チャッピー任せでコーディングできる超機能)も使い倒していますので、あくまでも現時点ではかなり太っ腹にサービスしてくれているようです。
GPT Image2だけでなく、GPT-5.5、CODEXの汎用性・利便性の高さからすると、しばらくは解約が考えられませんね。ただ、ここまで高性能なモデルで10枚連続生成を乱発できるサービスを月額20ドルで世界に解放し続けてくれるとはちょっと思えないので、今後ユーザーごとのトークン使用量や生成枚数に制限がかかったり、性能がこっそりナーフされたりすることはあり得ると思っています。
GPT Image2のプロンプト
ここまでは利用法の概要でしたが、ここからは具体的にどうプロンプト指示すると効果的かを見ていきます。まず、OpenAIはGPT-5.5の「プロンプトガイダンス」を公開しているので、ざっと目を通しておきましょう。
ひと言でまとめると、GPT-5.5への指示は、作業プロセスを一つ一つ長文で指示するのではなく、もっと抽象的でいいので、短く「ユーザーは何を達成したいか」を指示する方が良い、という内容になっています。
要するに、「あなたはプロの〇〇です。最初にこれをします、次にこれをします」と作業手順を指示するのではなく、「私は今からこれをしたい。理想はこんな感じ。これをしたらダメ。生成時はこれ(画像やテキスト)を参照する。最終的な出力物はこうなる」と言った感じで、クライアントとしての希望を伝えるほうがよいということです。ロボットに作業指示するのではなく、アシスタントに「理想を伝えて仕様書を渡す」感じを意識しましょう。
<GPT Image2の生成指示>
一方、GPT Image2を使った画像生成指示については、こちらにまとめられています。
大変有用な内容なのでリンク先の原文をぜひ読んでほしいのですが、簡単にまとめると、「画像の目的、主題、シチュ、背景、画風(アートスタイル・ビジュアルスタイル)などを指示する。構図やライティング、禁止事項があれば、それも加える」というのが画像生成プロンプトの基本。「美しいライティング」とか「エモいエフェクト」のような曖昧な表現でもいい感じになりますが、具体的にイメージがあるなら「左側の窓から入る柔らかな自然光」のように指定すると確実性が上がります。
たとえば、「このキャラクターが〇〇している画像を生成して。ゲーム立ち絵用。太ももから上。無表情。フラットなセルシェーディング。線は細すぎず、影は少なめ。後からLoRA学習に使うので、背景、文字、装飾、エフェクトは入れない」
というように書くのがよさそう。以下のようなテンプレートを使用する手もあります。
用途:
キャラクターLoRA学習用の立ち絵素材。
入力画像:
このキャラクターのデザインを基準にする。
変更すること:
表情と角度だけを変える。正面、斜め前、横、斜め後ろ、後ろ姿を作る。
維持すること:
顔立ち、髪型、髪色、服装、体型、年齢感、絵柄、塗り、線画の太さを維持する。
禁止:
背景、文字、ロゴ、複雑な小物、別キャラ、余計な装飾を追加しない。
出力:
白背景。太ももから上。フラットなアニメ塗り。ゲーム立ち絵風。
「禁止:」や「以下は禁止事項です」などと書くと、NegativePrompt的な指示をすることができます。普段SDXLで「text」とか「bad hand」とかをネガティブに入れていると思いますが、それと同じでやってほしくないもの、失敗条件をここに書き込むと精度が向上します。「実写調は避けてください」「過度なディティール描写やノイズ感を加えないでください」「〇〇のみを変更し、それ以外はすべて完全に同じに保ってください」などと指示できます。
このように、「何を変えてよいか」「何を変えてはいけないか」を分けて書くのがポイント。インペイントのように画像の一部だけを変えたい場合は、さきほどの「エディタ」機能を使うと精度が向上します。
もちろん既存画像を編集させる指示も得意です。「このキャラクターをフォトリアルな画像に変換して」とか「商品だけを抽出して白背景にして」「○○を消して」「看板に指定した文字を入れて」などの定番指示もスムーズにできます。
おおむねGPT Image2の利用法が紹介できたので、ここからは「Plus」プランで実際にいろいろな画像生成指示を試し、特にAIイラスト・漫画用途でどのような活用法ができるかをまとめていきます。破綻した手を直せるかや、どうしても出てしまう粒状ノイズや色むらを修正する方法、定番の漫画生成やスタンプ生成などの精度、使い勝手をあれこれ試しました。
検証1.破綻した手を直す
まずはこちら、GPT Image2でtxt2img生成した百合イラストの手を修正できるか試してみます。友達の髪を結い直すイラストなのですが、右の子の手が三本になってしまっていますね。
指示はこのような感じ。先ほど紹介した「画像」一覧からでも編集指示は可能です。
指示:この画像を編集してください。変更してよいのは右の女の子の手だけです。左の子の髪を結っている両手が3本になっているので、自然な5本指の手2本に修正してください。顔、髪、服、体、背景、構図、色、線画、塗り、表情は一切変更しないでください。元画像のアニメ塗りと線の太さを維持してください。
このように、一発で手だけを修正することができました。
ただ、本当に手だけを修正しているのか気になりますので、GIFで比較してみます。
元画像が1122x1402pxだったのに対し、修正後の画像は1638x2048pxで生成されており、微妙に位置もずれていました。これは、GPT-5.5が2Kサイズでの生成を内部で選択したということのようです。描かれている内容はほとんど同じで、右の女の子の手以外はおおむねそのままにできていますが、修正前後いずれも、GPT Image2独特の「色むら」が出てしまっていますね。
こちらは、同じプロンプトの末尾に「画像サイズの変更は不可です。入力画像と同じ1122x1402pxのままで出力してください」と加えた場合のGIF比較です。確かに1122x1402pxで出力されましたが、やはりズレは生じています。SDXLのインペイントやADetailerのようなハメコミ合成式ではないため、プロンプト指示で避けるのは困難です。
どうしてもズレてほしくない場合は、修正前の画像を入力して「何もしないでください」と指示すると、修正後と同じだけズレた画像を入手できるという裏技があります。プラットフォームやモデルによってうまくいかないこともありますが、アイデア程度に覚えておくとよいでしょう。
検証2.粒状ノイズや色むらの修正方法
いまの百合イラストもそうですが、GPT Image2の生成画像では空中にほこりが舞っているような「粒状ノイズ」や、塗り部分が汚れているように見えるもやもやした「色むら」がどうしても発生します。体感ですが、リアルタッチに近い画像ほど粒状ノイズが出やすく、フラットなアニメ塗りの場合は色むらが生じやすい印象があります。
特に、チャット内で同じ画像の編集を繰り返すと悪化していくことが多く、ウェブ上では「別のチャット画面で始めると改善した」という報告もあります。
▲粒状ノイズの例
禁止事項として「デノイズ強め」「つぶつぶが残らないようにして」「粒状ノイズなし」「汚れたテクスチャを重ねない」「アニメ調のセルシェーディング」「滑らかなフラット塗り」「紙の質感やフィルムグレインを入れない」などと指示するのもある程度は効果がありますが、今のところ完璧とは言えません。現時点でこれを解決するには、SDXLでリペイント(再生成)する方法があります。
<SDXLリペイント>
リペイントというのは、似たタッチのSDXLモデルを使ってimg2imgすることで、画像の内容はそのままに、色むらやノイズだけを除去する試み。ついでに画風や顔立ちを戻すこともできます。いろいろな設定で試してみましたが、img2imgとADetailerをControlnet「Anytest」と併用して掛けることで、GPT Image2由来の正確性を保ちながら、悪化した塗りや質感だけを戻すやり方が現状ではきれいに仕上がると思います。
こちらのイラストをご覧ください。フラットなアニメ塗りにしたいところを、GPT Image2独特の色むらが出てしまっています。特に、髪の毛やデニムなど、色の濃いところが目立ちますね。
このイラストはWAI-illustrious-SDXLが得意なアニメ調のタッチなので、WAIのv16を使ってimg2imgを行います。(最新版はv17で、Civitai redにあります)
まずは、img2img画面で上の画像を読み込ませます。プロンプトは「見たまんま」を入力すればOK。普段生成しているキャラなら普段の召喚プロンプト+表情などでよいですし、面倒ならWD1.4Taggerを使ってタグ抽出してしまってもOKです。今回の場合はオリジナルキャラなので、以下のようにしました。
PP:1girl,anna_kinugawa,parted bangs,hair behind ear,long hair,black hair,asymmetrical bangs,mature female,simple background,masterpiece,best quality,amazing quality, standing, white background, simple background, sleeves past wrists, bra strap, white shirt,black denim,long pants,v-shaped eyebrows, constricted pupils, surprised, solo,eyelashes, purple eyes(+LoRA起動ワード)
img2img設定はこんな感じ。出力される画像の品質を上げたいので、画像サイズ(スケール)を1.5倍に。ノイズ除去強度は、画風をどれくらいSDXLに寄せたいかで決めます。低くなるほど最小限の修正になり、1に近づくほど、塗りや陰、色使いなどがSDXLモデル本来の画風に近づき、プロンプトの影響も強まります。
ノイズ除去強度はあとで比較実験しますが、GPTで生成した画像の内容を維持したい場合は「0.2」、画風をSDXL画風に大きく寄せたい場合は「0.5-0.7」くらいが良いでしょう。
Controlnet画面はこのように設定します。CNモデルは、線画を強力に守りつつ、塗りや質感を変更できる「Anytest-v3」の50000-fp16版を使用。「Pixel Perfect」にチェックを入れたほかは全てデフォルト設定のままです。(線画ごと動いて構わない、つまりGPT絵をがっつりSDXL絵に変えたいのであればCNはオフでよいです)
ControlnetとAnytestの使い方はこちらの記事を参照のこと。簡単に言うと、Anytest v3は線画を忠実に守りつつ、それ以外をプロンプト通りに変容できるモデル。v4はより変容可能な範囲を広げたものです。
さらに、ADetailerをこのような感じに設定します。強度は0.2~0.4程度とします。こうすることでGPT画風になっている顔立ちをSDXL画風に戻すことができます。GPT画風のままでノイズ感を除去したい場合は、後述する<ADetailerを強めに掛けるには>の項目をご覧ください。
上の設定は「顔周辺を1024x1024pxで切り抜いて、20ステップ掛けてきれいにしてから、再び元の位置にハメコミ合成してね」という内容です。顔立ちを普段のSDXL画風に強力に寄せたい場合は「Inpaint denoising strength」をもっと強めてもOKですが、マスク範囲内外がきれいにつながらなくなる恐れが強いので、その場合はこちらの記事で紹介したワークフロー「SAM3Detailer」を使ったほうがきれいにできるでしょう。(四角形ではなく顔部分だけをきれいに切り抜いて再合成できるため)
<ADetailerを強めに掛けるには>New!
ADetailerを強めに掛けるほど細部はきれいになりますが、モデル本来の顔立ちに寄ってしまいます。そうしたい場合はそれでいいのですが、「せっかくGPTでイメージ通りの顔立ちになったので、その顔立ちのままノイズ除去したい」ということもよくあります。
その場合は、Controlnet(Anytest)をADetailerで使用する方法があります。ただ、本家ADetailerではAnytestを読み込めないほか、CNの参照する画像がキャンバス全体になってしまう仕様のため、うまくいきません。無理矢理やると、顔面部分に全身が入れ子状に描かれてしまいます。
そこで、Anytestを利用できるADetailerのフォーク版をCodexで作りました。詳しくはリポジトリの説明に書いてありますが、プロンプト追記機能も併せて実装しているので、GPT画像のリペイント用途に使いやすいかと思います。
<実践>
というわけで、以上のように設定してimg2imgしてみましょう(フォーク版ADetailerは未使用)。するとGPT Image2の描画内容はほぼそのままに、塗りの低劣さだけを取り除くことができました。
絵柄の変容度はノイズ除去強度によって変化しますので、瞳や肌の色などカラーの変容も避けたい場合は、もっとノイズ除去強度を下げればOKです。こちらのXYZ比較は、上記の設定でimg2imgのノイズ除去強度だけを0.1~1.0の間で変化させたものです。まず、0.1の時点でモヤモヤした色むらはほぼ消えていることがわかります。
0.9から、左上に驚きを示す黄色いエフェクトが追加されました。これは、プロンプトの「surprised」の影響が強まり、Anytestの輪郭保持を上回ったためです。肌などの色合いも、強度が強まるほどWAI Illustrious SDXLらしい彩度とコントラストが強めな感じになっていますね。(鬼怒川さんLoRAの肌色学習の影響もありそう)
最適なノイズ除去強度は、GPT Image2の画風を残したいのか、それとも普段のモデルやLoRAの影響を強めたいのかで決まります。顔立ちやタッチなどをぐっと普段のモデルに戻したい場合は、Controlnetを使わずに、単純に低強度でimg2imgする手もありますが、せっかくGPT Image2でイメージ通りに推論してもらった指や表情が変容してしまう恐れもあるので、さじ加減は自分で判断する必要があります。
検証3.アイテムのデザイン提案
10枚連続生成できるGPT Image2にとって、大得意なのがデザイン提案です。現在オリジナルのノベルゲームを制作中なのですが、大変助かっているのがアイテムのデザインをあれこれ提案してもらえること。ゲーム中に登場する「催眠スマホ」のデザインを決めたいとしたら、このように指示します。
うち1枚が気に入ったので採用。このように、新たにその画像を参照させて、素材化します。
このように、デザインの一貫性をきちんと保持したまま、大量にバリエーションを作ることができます。背景を透過すればゲーム画面にもそのままpngとして出せますし、イベントCGにレイヤーとして重ねてもOK。
前述した通り、GPT Image2は安定して透過素材にすることができない(白グレーの市松模様を生成してしまう)ので、こちらの「Photoroom」を使って背景削除するのが現状では高品質です。
1枚ずつの処理なら無料で、競合モデルの中でも非常にきれいに背景を抜くことができると感じます。ゲーム開発などで大量に素材処理が必要な場合は、月1500円支払って「Pro」プランを契約すれば、大量の画像を一括処理・一括DLできるようになります。
【※例によってPR案件などではありません、念のため。もし上位互換をご存じの方がいればぜひご紹介ください!】
さて、上の素材は縦長キャンバスで生成されていますが、このままゲーム画面の中央付近に出そうとすると、手首の右側が切れてしまいます。そういうときは「アスペクト比」機能でゲーム画面と同じ16:9比率に変更してもらうこともできて便利です。
<アイテムのバリエーション提案>
「アイテム入手画面を足したいな」「でもどんなアイテムを設定するかはある程度適当に提案してもらいたいな」というときは、このように指示することもできます。
このチャットルームはゲーム開発について壁打ちしてきた部屋ですので、GPT-5.5はゲーム中のどういう場面でどういうアイテムを拾うことになっているかをちゃんと理解していますし、ゲームのUIが紫色を中心にしていることも分かっているので、このように空気を読んだ生成結果を出してくれます。
GPT Image2の強さは、やはりこの「伴走感」です。NanoBananaProに漫画等の生成では遅れを取ることもありますが、一緒に作業をしながら「ちょっとこういう画像が必要なんだけど」と頼むと、ユーザーの事情をちゃんと分かった上で最適な提案をお出ししてくれる、頼れるアシスタント。オリジナル漫画のキャラデザや脚本などの壁打ち中に「こういうコマが必要なんだけど」と頼むような場面で、非常に役立ってくれそうです。
検証4.キャラクターの立ち絵バリエーション
アイテムだけでなく、キャラクターのバリエーション生成もかなり自由にできるようになっています。最も分かりやすいのはこのように、バストアップや顔の画像を数枚参照させて、白背景の立ち絵画像をバリエーション生成してもらうやり方です。全身でもcowboy shot(太ももから上)でも、かなりの精度・速度で10枚のバリエーションを量産できます。
指示:このキャラクターの白背景の立ち絵画像を10枚連続生成してください。さまざまな画角、表情、ポーズが必要です。服装は白いロンTに黒いジーンズ。アートスタイルや塗り、線画のテイストは参照画像を踏襲すること。特に目のデザインが重要です。別人に見えないように維持しつつ、表情豊かに描いてください。太ももから上です。
<衣装バリエーション>
同キャラの衣装バリエーションを生成することもできます。例によって、自分で細かく衣装を指示することもできますし、もっと抽象的に、自分が求めているのはどういう画像群かを意識して伝えると、さきほどアイテムで試したようにさまざまなバリエーションを提案してもらうこともできます。
もちろん、提案してもらった衣装を採用し、その衣装の立ち絵バリエーションを作ってもらうことも可能です。
検証5.キャラクターの8方向推論
これまでQwenImageEditなどで行ってきた、キャラクターや部屋の8方向推論も非常に得意です。キャラクターの画像を参照させて、以下のように指示するだけです。
生成結果を並べるとこんな感じ。真後ろからのカットだけ少し不自然になっていますが、おおむね一貫性は問題ありません。
これは「タンクトップの肩部分を描かなくては」というバイアスが影響していると思われるので、このようにやり直せばOKです。
検証6.背景の提案と回転
イラストやゲームに使う背景の生成も正確に生成することができます。これまでは、いったん実写の画像を生成してからアニメ調に変換するなどのやり方で意味的破綻を回避する必要がありましたが、一発生成でかなり自然な背景を生成することが可能です。
指示:このキャラクターが住む夫婦の寝室を描いてください。ベッドはダブルサイズで、枕が二つ並んでいます。ベランダに続く掃き出し窓は閉まっています。リビングへのドアも閉まっています。クローゼットのドアや家具、姿見などがあります。ゲームの背景に使うので、アニメ調にしてください。日本の普通のマンションといった雰囲気にすること。人物は描かない。さまざまな提案を10枚連続生成してください。
生成結果を並べたのがこちらです。どれも大きく破綻しておらず、そのままゲームに採用できそうに見えます。細かなおかしさはよく見れば見つかると思いますが、それもGPT Image2で修正できそうですね。
右下の1枚を「カーテンを閉めて昼のまま室内を暗くして。ベッドのヘッドボードにティッシュを置いて」と指示したもの。
さらに「時間を夜にします。室内を乱雑にします。ベッドの布団をはいで、カーテンの前の床に雑に置いてください。シーツは寝起きで乱れています。床にティッシュ箱が落ちています。ベッドの上や床の上に、丸めたティッシュを10個ばらまいてください。電気が付いているので画面は暗くなりすぎないように」としたもの。
こうした差分は得意中の得意。ただ、同じ画像の編集を重ねていくとどうしても劣化コピーしたように細部がガビガビになっていくので、他のモデルで整えるか、修正を待ちましょう。
この部屋も8方向推論できるか試しましたが、ある程度は動かせるものの、ぐるっと回りこむようなことはできず、家具の位置がよくみるとおかしくなってしまうようでした。オブジェクトの回転は非常に得意なようですが、空間まるごとの回転(映っていない部分の推論)はやはり最新モデルでもまだ難易度が高いようです。
検証7.一貫性のある舞台設定作り
背景生成をもう少し発展させて、作品の舞台を間取りから作れるか試します。以前こちらの特集で試した、間取りから背景を推論する方法です。
ゲームに使う夫婦用マンションの室内背景を作りたいので、まずはこのように指示します。
次に、この間取りを踏まえた背景生成をしてもらいます。指示は以下の通り。
指示:画面を四分割し、こちらの間取りを参考に、それぞれ以下のアニメ背景を生成してください。カメラは全てアイレベル、水平です。「玄関ドアを背に、西に向けて廊下を通してリビングを見るカット」「リビングの入り口から、西南方向へ室内を一望するカット」「リビングのソファをテレビ側から大きく捉えたカット」「寝室のベッドを大きくとらえたカット。北西方向」。文字は不要です。フォトリアルになりすぎないように、ゲームの背景として自然なタッチにしてください。
一見「おおっ!」となるのですが、よくよく見比べると家具の向きやソファデザインなどが矛盾しており、間取りの通りにはなっていません。ただ、各部屋のデザインの提案としてこれはこれで役に立ちそうです。
「ゲーム背景風の」というと、フォトリアルAAAゲームを連想してしまうようなので、末尾を「フラットな塗りのセルシェーディング」とすると、以下のようになりました。これでもちょっと過剰かも。
こちらはマンションではなく、ラブホテルの背景を生成したもの。
指示:画面を四分割し、それぞれ以下のアニメ背景を生成してください。日本のラブホテルを写したドラマの背景素材です。人物は写さないこと。カメラは全て成人男性のアイレベルの高さ、かつ水平です。「ラブホテルの玄関」「ラブホテルの室内。大きなベッド、枕が二つ」「ラブホテル室内、ソファを捉えたカット」「シャワールーム」それぞれのカットで、家具の配置や間取りが矛盾してはいけません。文字は不可。フラットな塗りのセルシェーディング。
このように、背景美術はそのままだとやや装飾過多な感じで出てくるようです。これはNanoBananaProなども同じで、無機物だけのイラストだとデフォルメが利かせにくいということなのかもしれません。(もう少しシンプルなアニメ調に寄せるやり方は、次項で見ていきます)
検証8.キャラクターと背景の合成
背景とキャラクター画像が揃ったので、次はキャラと背景の自然な合成ができるかを試します。ゲームの立ち絵のように単純に透過画像として重ねるのではなく、カメラワークやライティングを自由に決めてもらい、「この部屋の中にこのキャラクターがいて、こういう演技をしている」という生成指示をします。
指示:10枚連続生成。1枚目のキャラクターが2枚目の部屋のベッドに座って、こちらをにらんでいる画像を生成してください。キャラクターはデニムに裸足です。ゲームのイベントCGです。画角やライティングのバリエーションを出してください。
生成結果を並べるとこんな感じ。部屋の一貫性はかなり正確に取れており、質感やライティングもかなり自然に合成できていますが、ベッドとキャラクターの縮尺を合わせるのは難しかったようです。それでも、これができるのは本当にすごいですね!
また、最後の一枚をみると顕著ですが、「キャラクターは裸足」と余計な指示をしたせいで「必ず裸足を映り込ませなくてはならない」と誤認しているようです。そこで、次のように重ねて指示しました。
「ベッドとキャラクターの大きさが不自然にならないようにしてください。横になった時に足が飛び出さないよう縮尺を考えてください。必ずしも裸足が映り込むカットにせず、キャラクターの魅力が伝わるカメラワークにしてください」
すると、ガビガビが進むものの、構図は多少改善しました。ただ、鬼怒川さんのプロポーションが良すぎてこれでもベッドから足が飛び出しそうですね。そもそも、読み込ませた背景画像のベッドが小さすぎた(枕が二つなだけでシングルサイズに見える)のが問題だったと思います。
<エロゲー制作ができる>
ここまでの「立ち絵」「背景」「素材」の量産とそれらを「ミキシング」できる技術を使えば、背景と立ち絵とイベントCGで進行する古き良きノベルゲームが作れてしまいます。ただし、性的な画像の生成や、そうした画像に一貫した背景を付ける作業はChatGPTに断られてしまうので、ひと工夫する必要があります。(こちらの記事にまとめてあります)
<背景の情報量調節>
GPT Image2でキャラクターのいない背景を生成するとかなり情報量が過剰になりがちなので、プロンプトで調整できるか試しました。
指示:再生成して。背景はテレビアニメの室内背景程度に簡素化。皺、木目、影、反射、小物の描き込みを減らす。ベッドの布団は大きな面で塗り、細かい皺は最小限。影は二段階程度のセルシェーディング。家具の木目は控えめで、線も少なめ。背景はキャラクターを引き立てるための薄い情報量にする。高精細な背景美術、写実的なライティング、複雑な陰影、細密な布の皺、過剰なテクスチャは禁止
かなり情報量が落ちましたが、これだとなんだか未完成というか…作画崩壊っぽいですね。GPT-5.5に聞いて、どういうプロンプトがいいかいくつか提案させました。
指示:再生成して。キャラクター中心のゲームイベントCG。寝室の背景は、普通のテレビアニメの室内背景よりやや丁寧、ただし描き込みすぎない。ベッド、枕、ヘッドボード、カーテン、壁、収納など、部屋の構造は分かるように描く。背景は簡素すぎる記号的表現にはせず、適度な生活感と立体感を残す。布団やシーツの皺は大きめの流れを数本入れる程度に抑え、細かい皺は増やさない。家具の木目はうっすら感じる程度で、細密にはしない。影はシンプルな二段階から三段階程度のセルシェーディング。背景はキャラクターを引き立てるため、情報量は中程度に保つ。高精細すぎる背景美術、写実的ライティング、複雑すぎる陰影、細密な布皺、過剰なテクスチャは禁止。
これはなかなかよさそう。しかし、このプロンプトだとこの画像にしか使えないので、次のような汎用プロンプトを考えました。
指示:背景は中程度の情報量で整理されたアニメ調。構造と立体感は残し、質感と細部は抑える。普通のテレビアニメよりやや丁寧だが、描き込みすぎない。影は二段階から三段階のセルシェーディング。背景は主役を引き立てるため、のっぺりしすぎず、主張しすぎず、適度な生活感を持たせる。
このように、出力画像の情報量はプロンプトで調整が利くようです。どうしてもノイズ感は出てしまうのでSDXLなど他モデルでのリペイントが必要ですが、この構図が出せるだけでも本当に便利ですね。自分の普段のイラストにテイストを寄せたい場合は、GPT-5.5にそれを見せて、「この画風をChatGPT上で画像生成するなら、どんな汎用プロンプトで指示すればいい?」などと尋ねてみるのが良いと思います。
<過去作品を参照させるとどうなる?>
ちなみに、私が普段投稿している二次創作イラストを参照させて画風プロンプトを尋ねたところ、「明るい少女漫画風のアニメイラスト。柔らかくラフな手描き線、細い色トレス線、淡い水彩風のにじみ、ハイキーで白飛び気味の光、暖色のグロー、頬の赤み、楽しそうな表情を重視。塗りは厚塗りではなく、軽いアニメ塗りと透明感のあるブラシ塗りの中間。影は少なめで、色はパステル寄り。背景は白や淡いグラデーション程度で、描き込みすぎない」というプロンプトを案内されたので、そのプロンプトで過去イラストを再生成させたのがこちらです。
おお、なんだか私の好きな感じだ!
ちなみに題材は、こちらのイラストを読み込ませて再生成させました。もはや違う絵ですね。
でも確かに白飛び気味のライティングは大好きですし、よく言語化されています。でもこれだと、技術的には近くてもテイストがあまり近くないので、最近の作品を見せて、「1枚目のイラストを、2枚目のイラストのアートスタイルで再生成して」としてみました。
これはこれで面白い結果になりました。
朝日のイラストから夜のイラストにカラーなどを移植しているのでちょっと不自然ですが、アートスタイルの参照はエフェクトなどにも使えそうですね。人によって自分の普段のスタイルがあると思うので、ChatGPTに的確に伝えられる「自分プロンプト」と参照画像を両方用意しておくと、一貫性のある画像を安定生成できるはずです。
検証9.キャラLoRA用のバリエーション作り
既に紹介した通り、キャラクター立ち絵の表情・ポーズ・衣装・画角バリエーションを容易に量産できるので、LoRAのデータセット作りも格段にラクになりました。バリエーションの作り方は既に紹介した通り。できれば、cowboyshotの8方向を基本に、バストアップや顔のアップを多めに入れ、表情や衣装もバリエーションをつけたいところです。
「GPT Image2で高品質なキャラバリエーションを生成できるのに、なぜわざわざSDXL用のキャラLoRAを…?」と思う人は清純です。答えは当然、「GPT上ではNSFW生成ができないから」。全年齢向けの場面や立ち絵などと矛盾しないようにHシーンを生成するためにも、SDXL用キャラLoRAは必須です。もちろん、SDXLなら色むらも出ませんし、ChatGPT側で作った表情バリエーション・服装バリエーションをSDXLに逆輸入することもできます。
<OpenAIの規約を確認>
出力物でLoRAを学習するときは、必ずモデルやサービスの規約を確認する必要があります。OpenAIの規約はこちら。
禁止事項として「お客様は、違法行為、有害行為、又は悪用する行為のために当社の本サービスを利用することはできません」とした上で、例として「アウトプットを使用して、OpenAIと競合するモデルを開発すること(Use Output to develop models that compete with OpenAI.)」となっています。LoRA学習についてこのほかに関係しそうな言及がないため、そのまま受け止めれば、モデル学習全般ではなくOpenAIと競合するモデル学習が禁止されていると読めます。
私用のオリジナルキャラLoRAを作るために、ChatGPTでキャラの表情差分や角度差分を作って、それを非公開で自分の制作環境に使う、というケースならただちに「OpenAIの競合モデル開発」には該当しないと考えますが、法的トラブルに「絶対」はないので、必ず個々人で規約を確認するようにしてください。
<GPT Image2を使ったLoRA学習のやり方>
まずはこのように10枚連続生成で作ったものを一つのフォルダにまとめ、15~30枚程度チェリーピックします。これらを全部学習させるより、表情やイメージをよく捉えているものを厳選したほうがよいLoRAになるためです。髪型や衣装に一貫性を持たせたいので、細部が異なるものは除きます。(例えばタンクトップの肩紐の色や太さなども違いがないかチェックします)
キャラクターLoRAの作り方についてはこちらで紹介した通りですので、詳細は省きますが、「anna_kinugawa」のトリガーワードを作り、「black hair」などを削除して学習させます。鬼怒川さんの容姿だけでなく、画風も学習してほしいので、dim64/alpha32と強めにし、TE込みで学習させました。
データセットに使用したイラストは以下の通り。
最初に作った「v1」では、GPT Image2で生成したそのままだと色むらがひどかったので、先ほど紹介したSDXLリペイントを掛けてから学習させました。一つ一つプロンプトを打ち直して掛けるのは大変なので、img2img画面にある「バッチ」タブから、全て同じプロンプト・生成設定で一括i2iします。下図のようにすると、入力ディレクトリにある画像全てを同じ設定でi2iし、出力ディレクトリに置いてくれます。入力ディレクトリの末尾に「2」などと入れれば、別フォルダにしてくれて便利です。
学習設定は以下の通り。WAI v16をベースモデルとし、dim64/alpha32、AdamWを学習率0.0001で5440ステップ学習させました。
こちらはできたLoRAだけをWAI v16に適用して、SDXLで生成したものです。画風LoRAなどは未使用。NSFW利用できるかが気になったので、表情や服装、髪型などをプロンプトで変更してテストしました。
ほかにもあれこれNSFW生成を試しましたが、おおむね、プロンプト指示通りに自由に生成できるLoRAができたと思います。空手着などのデザインも統一したい場合は、こちらをもとにさらにGPTでバリエーション生成し、データセットに加えるとよいでしょう。
<データセットは色むらがあってもOKかも>
ただ、上の4枚をGPTで出せた鬼怒川さんのこのシャープな顔つきと見比べると、やはりマイルドになっている(WAIのマスピ寄りになっている)と感じないでしょうか。特に瞳のデザインが継承しきれていない気がします。
これは、色むら除去のためにWAIでi2iしたときに、顔立ちが変容してしまったのが原因です。そこで、v2では色むらを気にせずに、GPTで出したままの画像をそのまま学習させてみました。こちらが生成結果。
危惧していた色むらはほぼ出ず、きちんと生成できています。LoRAデータセットをGPT Image2で用意する際は、色むらを気にしてリペイントするより、そのまま学習したほうが良いようですね。
このLoRAを「リペイント」の際に使ってみると、顔立ちの変容を抑制しつつ、色むらを除去することができました。(GIF比較)
簡単にLoRAが作れるようになったことで、「SDXLで生成できないものはChatGPTで」「ChatGPTで生成できないもの(NSFWなど)はLoRAを作ってSDXLで」という強力な分業体制が構築できるようになりました。いまやっているゲーム作りで言えば、
・キャラデザインはいつものSDXLで
・立ち絵バリエーションや背景、イベント絵(背景へのキャラ合成)はChatGPTで
・ChatGPTで作った素材(キャラ、イベント絵)をもとにLoRA作成
・NSFWなシーンや立ち絵はLoRAで
という工程で、それぞれの持ち味を活かした作品作りが進められそうです。
検証10.漫画生成検証
ここまではイラストやゲームの活用法を見てきましたが、次に気になるのはやはり、漫画生成ですね。いつもと同じプロンプトで、NanoBananaProと比較してみます。
こちらが生成結果の比較です。
まず綾香さんの容姿がだいぶ変容してしまっているのと、デフォルトではほぼ確実に横書き日本語になる特徴が出ています。これはタテ3コマなのでそこまで違和感はありませんが、やはり左上から右下へ読み進める順を意識して描かれており、不自然に感じます。
もう少しコマ数の多い、別のネタでやってみましょう。こちらも左がNanoBananaPro、右がGPT Image2です。今度は「コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かってください」と入れましたが、GPTはコマ順を間違えてしまっています。
使用したプロンプトは以下。
指示:この女の子のコミカルな1ページのカラー漫画を作って下さい。セリフも日本語の吹き出しで自然に入れてください。コマの読み順は日本式に、右上から左下に向かってください。「ナノバナナなんたら言うのがやばいらしい!私もAI美人にしてもらお!」 「えっこれ私!?」(赤眼鏡をかけたブサイクがPC画面に映る)「これだからメリケンのプロダクトは-!」「えーとボンキュッボンのムチムチで…」カチャカチャ…「もうやだー!」(オチ。画面にムキムキのボディビルダーの体に顔だけこの女の子のキャラクターが出る。パチンコ画面の金色激アツ文字で「フルアーマームチムチミナちゃん」と書かれている)
今度は、より曖昧な指示でギャグ漫画を作れるかのチェックです。
指示:@img1 のキャラクターを使って、コミカルな白黒の日常4コマ漫画を作ってください。一番上にタイトルをつけます。お題は「遅刻」です。SNSで万バズしそうなキレのいいギャグにしてください。
なんだこれ…。AIのセンスは相変わらずよく分かりませんが、どんなネタになるかはガチャな部分もありそうですね。
GPT Image2が素晴らしいのは、こういうときに10パターンのバリエーションをすぐに提案してくれるところ。次のように指示を変更しました。
指示:@img1 のキャラクターを使って、コミカルな白黒の日常4コマ漫画を作ってください。10枚連続で生成し、さまざまなバリエーションを提案してください。一番上にタイトルをつけます。お題は「遅刻」です。SNSで万バズしそうなキレのいいギャグにしてください。セリフは日本語の縦書きで、各コマは日本式に右上から左下に向かって読みます。禁止事項:欧米のコミックのように、セリフを横書きにしたり、左上から右下に読む順にしないでください。コマの順序を間違えないでください。コマに読み順の数字を振らないで下さい。
すると、タテ4コマではなくこうした形の4コマに。ネタ内容も「時間を間違える」「夏休みだった」「先生も遅刻してセーフ」などのバリエーションを出してくれました。
ただし、どれも面白いかというと、「うーん」な感じですね…(笑)。生成結果はこちらから見られると思いますので、ご興味があれば。
GPTはコマ順のミスが多いことを考えると、ここはNanoBananaProに軍配が上がりそうです。ただ、さきほど背景の描き込み量をプロンプトで制御できたように、うまくそのあたりを操作する方法もあるかもしれません。まだまだ漫画生成は検証が追いついていないので、また個別記事で掘り下げたいと思います。
検証11.スタンプ生成
こちらも恒例、ミナちゃんのLINEスタンプを一括作成できるかを試してみました。プロンプトは以下の通り。
指示:このキャラクターのコミカルなLINEスタンプを作ってください。3x4の12種類で、日本語で「おはよう」「マジか」「やば」「OK」「NG」「それな」「おつ」「残像だ」「サンキュー」「ガッデム」「おつかれ」「ナイス」のセリフつきです。「残像だ」は敵の背後に瞬間移動するイメージ。キャラクターの容姿は一貫性を保ってください。
まずはこちらがNanoBananaPro。
こちらがGPT Image2です。こういうインフォグラフィック感の強い作業はGPTの圧勝ですね。
こちらも、このように指示して10パターン提案してもらうことができます。
ただ、中身をいくつか紹介するとこのような感じで、なんとかバリエーションを出そうとして無理が見えるのもありました。最終製品として使うより、プロンプト改善の案出しに使うのが良さそうですね。
検証12.間違い探し検証
これも恒例。入力画像の一部を指示通りに変化させ、間違い探しができる差分を作れるか?という実験です。
<NanoBananaProによる差分>
左が入力画像で、右が「Pro」による差分です。
①カメラ目線:成功
②背景の風船を一つ減らす:左上の黄風船が消せている
③右下の赤いプレゼントボックスを青く:成功したが、すぐそばの風船も青くなった
④バンドエイドを消す:成功
⑤紙吹雪を一つだけ増やす:失敗。微妙に変化しているが、別の紙吹雪になった
<GPT Image2による差分>
こちらも左が元画像で、右がGPT Image2による差分です。
①カメラ目線:成功。ただし間違い探しというにはあからさますぎ。
②背景の風船を一つ減らす:失敗。左上の風船が消せたが、二つ消えた。
③右下の赤いプレゼントボックスを青く:成功。
④バンドエイドを消す:成功
⑤紙吹雪を一つだけ増やす:成功。左上に緑の紙吹雪が一枚だけちゃんと増えている
おおむねProと比肩しているか、GPTのほうが少し上回っているように感じます。ただし、NanoBananaProがAPI利用なのに対して、GPT Image2はGPT-5.5を通して生成してもらっているので、複雑な作業をうまくこなせるのはその影響も大きいと思われます。今回は風船が二つ消えてしまうミスがありましたが、もう少し厳密にプロンプト指示をして禁止事項を盛り込めば回避できるかもしれません。
ちなみに、ChatGPTは自分で作った間違い探しをちゃんと解けるのか気になったので、「画像生成です。左右の絵の違いを見つけて、その部分に赤い丸をつけてください」と指示してみると、こうなりました。
意外にもほとんど間違いだらけ、お手つきだらけの結果となりました。ちょっとしたピクセルの違いを誤検出してしまうのは理解できますが、あからさまに違っているところを指摘できないのは不思議ですね。
検証13.インフォグラフィック作成
これはもう皆様SNSで大量に見ていてうんざりしていると思うので、おまけ程度に。ここまで創作についての活用法を見てきましたが、GPT Image2は本来、かなりインフォグラフィック作成を目的にチューンされたモデルなのだと思います。例えばこのようなごくシンプルな指示でも、破綻のないインフォグラフィックをすぐに出すことができます。
指示:架空のファンタジー料理「スライムのシチュー」の作り方をインフォグラフィックにしてください。
こちらがNanoBananaProの生成結果で…
こちらがGPT Image2です。
GPT-5.5由来の問題解決力の高さが奏功し、GPT Image2のインフォグラフィックは情報のまとまりや整合性、フォントの自然さも大きく上回っています。ただ、ポスターなどにする分にはいいのですが、スマホで見るにはやや情報過多なんですよね。背景画像を作ったときと同様に、情報量の整理を指示する必要があります。
そこで、2万2000文字ある今回の特集をまるまる読み込ませて、次のように指示しました。
指示:記事が完成しました。この記事の途中に掲載できるインフォグラフィックを10枚連続生成してください。それぞれ目次内の別の章を選び、その章に書かれている内容にふさわしい図にすること。画像は16:9の横長です。ただし、あくまで挿絵ですので、情報量が過多にならないようにすること。キャラクターを入れる場合は添付画像の女の子を使用してください。
出てきたのはこのような内容。AI丸出しのインフォグラフィックはむしろ記事の品質を下げるので実際は使用しませんでしたが、かなり実用レベルになってきていると感じます。ただ、やはり色むらが気になるので、今後のアップデートを期待したいところですね。
<記事サムネイル>
一方、記事のサムネイルは非常に良好でした。タイトル文字だけを人間が決めて、あとは余計な情報を入れないように指示すれば、さきほどのような情報量過多の状態にはなりません。
こちらのように、キャラクター容姿と記事タイトル、アスペクト比を指示して、n=10(10枚連続)生成するだけです。
こちらが生成結果を繋げたもの。よく記事内容の要素を踏まえつつ、余計なことはせずに見やすいタイトルになっているかと思います。
<作品タイトルもお任せ>
ご覧のように文字のレンダリングやフォントデザインが得意なので、このようにイメージを伝えるだけで、それっぽい作品タイトルのデザインもしっかりやってくれます。
もちろんアスペクト比の調整も可能です。このままだと白背景ですので、さきほど紹介したPhotoroomで透過させます。
あとはCodexに任せれば、あっという間にタイトル画像が出来上がり。これは背景と一枚絵にしているのではなく、マンション前の背景画像の上に透過したタイトル画像を重ねて表示しているだけなので、いつでも差し替えたり、位置を調整したりできます。
ゲームはまだ開発中ですが、ChatGPT(Codex)任せでここまで自在にゲーム作りができるとは驚きました。まだ試行錯誤中ですが、完成したらまた詳しく記事にしたいと思っています。
終わりに
というわけで、GPT Image2の各種活用法まとめでした。無印のNanoBananaが出たのが2025年夏。続いて秋に「Pro」が出て、GeminiとNanoBananaの天下かと思いましたが、それから半年もしないうちにOpenAIがここまでのモデルを出してくるとは驚きでした。GPT Image1.5はNanoBananaシリーズとは勝負にならない出来だったのに…。
今回の検証結果で分かるように、GPT Image2の強さの大半は、ChatGPT-5.5のプロンプト応答力に根ざしたもののように見えます。今回試した検証はいずれもごく単純なプロンプトでやりたいことをストレートに伝えているだけですが、かなりこちらがイメージしたものに近い生成結果を出してくれました。しかも10枚連続で…!
NanoBananaProは大変高性能ですが、1枚ごとの生成が重い「高級品」という印象がありました。その点、月額3,200円前後のChatGPTで10枚同時生成を気軽に回せるのは、制作現場ではかなり心強いです。分からないことは率直にGPT-5.5に聞けば伴走してくれますし、いきなり完成品を生成するのではなく、段階を踏んでプロダクトを編み上げていくのにぴったりなモデルだと思います。
なお、GPT-5.5にアップデートされた関係で、「プロンプト大辞典 on GPT」の動作にも影響が出ていました。取り急ぎ、5.5に合わせて内容を組み替えたβ版を仮公開していますので、ぜひ試してみてください。(もし不具合があれば、お手数ですがコメント欄などで報告していただけると、正式版を作る上で大変参考になります)
出たてのモデルですので、まだまだ効果的な活用法は隠れていそう。漫画などにどう使えるかも試しながら、折を見て特集したいと思います。
それでは今回はこのへんで。スタジオ真榊でした。
追記:今回の検証が何かの役に立ちましたら、こちらのRPや感想もぜひお願いします~!
Attachments (115)

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