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AIで画像をレイヤー分割「Qwen-Image-Layered」実力検証
Published 01/03/2026, 12:41:54 PM · Edited 02/25/2026, 11:51:25 AM

<記事内容の紹介>
・最新モデル「Qwen Image Layered」の導入方法と実力が分かる!
・レイヤー抽出ができると作品作りにどう生かせるかが分かる!
・プロバナナやPhotoshopとの実力比較や実践的使い分けが分かる!
・基本的にVRAM16GB~のユーザー向け。8~12GBではかなり厳しそう
・16GBあれば長辺1024px~1408pxサイズの画像を4~8分で分割可
明けましておめでとうございます、スタジオ真榊です。2026年1発目は、Qwen Image Edit2511に引き続きQwenシリーズの新顔、「Qwen-Image-Layered」の実力検証記事です。
Qwenシリーズには、text2imageモデルの「Qwen Image」や、画像編集モデルの「Qwen Image Edit」がありますが、今回扱うQwen Image Layeredはレイヤー分け特化モデル。このような感じで、入力した画像を任意のレイヤー数に分割することができます。(RGBAレイヤーに分解できるので、各レイヤーは透過pngとして出力されます)
Qwen Image Edit2511も重めでしたが、Layeredはさらに重量級のモデルですので、「ローカルでわざわざ動かすよりはオンラインでよそのVRAMを使わせてもらったほうがよいのでは?」と思うところですが、まずはやってみて、生成に掛かる時間やVRAM負担などの使用感を詳述しています。
その上で、この技術を普段の創作にどう活用できるかをあれこれ考察しました。レイヤー分割によって、キャラや背景のみの透過レイヤーが抽出できると、どのような表現ができるか、現状でNanoBananaProに頼むよりも優位性があるのか…といった内容を実践的に検証しています。【約1万8500字】
2026/02/25追記 Copainterが完全上位互換に
イラスト支援AIサービス「Copainter」がQwenImageLayeredベースと思われる「レイヤー分け機能」をリリースしました。自宅PCで無理にQwenImageLayeredを動かすよりも正確・迅速にレイヤー分割できる上位互換と感じました。画像を入力すると数分程度で、「線画・下塗り・影・ハイライト」の四つに分割したpsdファイルが出力されます。
出力されたpsdをクリスタで開くとこのような感じ。人物と背景を別々のフォルダにしてもらうかどうかは設定で選べます。
もちろん完璧な「魔法の杖」というわけではなく、例えば線画部分は黒一色で出力されるので、重ね合わせても元画像と同じにはなりません。こちらは元画像と出力された8レイヤーを重ねて表示したものとの比較。線画部分にエフェクトがかかった画像だと、出力レイヤーを統合しても元画像とは違った印象になります。
よって、あくまで画像生成によって擬似的にレイヤー分けを再現したものと考えるべきですが、それはそれとしてさまざまな活用方法がありそう。ハイライトだけを描き直したい、下塗りの色を部分的に変更したいなど、さまざまな需要に応えてくれそうなので、後日あれこれ検証してみたいと思います。
……というわけで、以下のQwenImageLayeredをローカル活用する記事はCopainterの下位互換となってしまいましたが、Copainterはチケット購入制の有償サービスですので、あくまでローカル完結したい方向けという位置付けになろうかと思います。フリープランでは毎月3枚チケット付与されますので、レイヤー分け機能(3枚消費)も1回だけ無料で試すことができます。
QwenImageLayered自体がまだ出たてのモデルということもあり、公式がCopainterのように使いやすくアップデートしてくれる可能性もあります。状況は流動的ですが、引き続き現状の最適解を探っていければと思っています。
目次
1.Qwen Image Layeredとは
2.Qwen Image Layeredをオンラインで試そう
<ステップと入力サイズの推奨値>
<プロンプト指示はおまけ程度?>
3.Qwen Image Layeredをローカル導入しよう
・先にモデルのDLを開始しておこう
・ComfyUIを導入【StabilityMatrix版の場合】
・ComfyUIを導入【ポータブル版の場合】
・ワークフロー導入
4.GGUF版で分割テスト
・ステップ数を増やすとどうなる?
・高速化LoRAを試す
・小括
5.fp8版で分割テスト
6.bf16版で分割テスト
7.レイヤー分割をどう創作に活かすか
・「背景削除」「前景消し」の最前線
8.NanoBananaProを使ったレイヤー分割
・色トレスについて
終わりに ~実力考察と今後~
1.Qwen Image Layeredとは
Qwen Image Layeredは、中国Alibabaがリリースした「RGBAレイヤー分割特化」のAIモデルです。1枚の平らな画像を最大10枚の透明なレイヤー(RGBA)に自動分解できるので、キャラクターから背景を切り離して編集したり、線画と塗りに分割して、塗りだけを変更したりすることが可能になります。
これまでも、1枚絵を入力すると輪郭などを検知して自動で切り抜けるAIモデルは存在しましたが、Qwen Image Layeredは重なって見えない部分を推論しながら分解できるのがポイント。例えば、室内で椅子に座っているキャラクターを参照させると、まず手前のキャラクターを透過背景で抽出した後、キャラの影に隠れている椅子、さらにそれに隠れている室内背景をインペイントによって補完し、「キャラだけ」「椅子だけ」「背景だけ」のレイヤーに分けることができます。
これまでは「背景だけ変えたい」「このキャラの配置だけ動かしたい」というときはインペイントやAI切り抜き(背景削除)に頼らざるを得なかったわけですが、正確なレイヤー分割が気軽にできるようになると、より選択肢が広がるはずです。bf16版、fp8版に加え、軽量なGGUF版も公開されているので、スタジオ真榊のRTX4080(VRAM16GB)環境でどこまで実用的に動くのか試していきたいと思います。
ちなみに、ライセンスはQwen Image edit2511と同じ、比較的寛容な「Apache 2.0」。商用利用やローカルでの自由な改変が認められています。
2.Qwen Image Layeredをオンラインで試そう
まずはローカル環境へ導入する前に、その実力をオンラインでテストしてみましょう。こちらのリンク先からQwen公式のデモを無料で試すことができます。いずれも一定の利用制限があり、特にHuggingfaceのデモは一瞬でフリー枠を使い果たすのでご注意ください。(modelscopeは比較的寛容)
HuggingFace
https://huggingface.co/spaces/Qwen/Qwen-Image-Layered
modelscope
https://modelscope.cn/studios/qwen/Qwen-Image-Layered/summary
ちなみに、有償の生成プラットフォーム「fal.ai」では既にQwen Image Layeredが導入されており、レイヤー1枚につき0.05 ドルで生成することができます。生成1回で0.05ドルではなく、4レイヤーに分割する場合1回0.2ドル消費する点にご注意ください。
こちらはHuggingFaceのデモページ。基本的には、左側の「Input Image」に参照画像を入力して、「Decompose(分割)!」をクリックするだけでOKです。
左下の「Advanced settings(詳細設定)」から、プロンプト指示やスケールとステップ、レイヤー数を指定することができます。デフォルト値は以下の通り。
<ステップと入力サイズの推奨値>
公式は「50ステップ、CFG4.0を推奨していますが、これにより生成時間が少なくとも 2 倍になります」と説明しており、これはかなりリッチな設定です。ローカルだと半分の25ステップが限界ですので、よそのVRAMを借りられるオンラインだけの設定と思っておいてください。
入力サイズは「640px推奨、1024 ピクセルも使用可能」とのことで、かなり控えめですね。「より大きなサイズは生成時間を大幅に増加させ、より多くの VRAM も消費することに注意してください」とされているので、ローカルでも入力画像は小さめにリサイズしてから参照させたほうがよさそうです。
<プロンプト指示はおまけ程度?>
Qwen Image Layeredのプロンプト指示は、プロバナナのように「この画像をこれとこれとこれの3つに分割して」といった指示ができるわけではなく、参照画像に描かれているものをモデルに明示するための補助機能的位置づけのようです。前景で隠れた部分にどんなものが描かれるかの手がかりにする程度なので、入力画像のどの部分がどのように分割されるかは「レイヤー枚数に応じた運任せ」ということになります。
例えば、プロンプトなしで生成したこちらの分割例(指定レイヤー数:2)では、ミナちゃんの背後に何があるかは周囲から類推して補完されています。元画像ではPCケースがおさまっているはずなのですが、後ろの棚と合体してよく分からないものになっていますね。こうしたことを避けるためにプロンプト指示を行うのですが、「こうやるときれいにPC本体が描けました」という例にたどり着けなかったので、プロンプト周りはあまりきちんと探れていません。基本的には空欄で良いと思います。
スケール4、ステップ数50、プロンプト未記入で生成してみると、手元環境では2分ほどで4レイヤーに分割することができました。(相当なVRAM容量を消費しているようで、無料ユーザーだとすぐにGPU制限されます)
分割されたレイヤーはpngで保存できるほか、PowerPoint形式(.pptxファイル)としても出力されます。
このように、プロンプト指示がないとモデルは自分で判断して前景を切り抜く動作をします。こちらが出力されたpng。
背景はちゃんと透過されています。ただ、向かって左の指先が背景と溶け合って消えてしまっていますね。また、背景だけの画像も出力されていません。Qwen公式のテスト画像(下図スクリーンショット)のように、境目がはっきりした画像は推論しやすいようですが、テストに使用したような前景と背景が光源によって自然になじんでいる画像だと、完璧には切り抜けないようです。
こちらはfal.aiで同じテストを試したもの。やはり似たような結果になっています。
こちらは別のシチュエーションのイラストで試したもの。4レイヤーを指示したところ、このようなレイヤー構成で分割されました。また、1856x2304pxのイラストを入力したのですが、出力されたサイズは576x704pxとかなり小さめ。フリーGPUの枠もすぐに使い切ってしまうので、このデモを創作に普段使いするのはさすがにしんどそうですね。
3.Qwen Image Layeredをローカル導入しよう
デモでは2分程度でレイヤー分割できましたが、ローカル環境ではどのような使用感なのか、さっそく試していきます。
「Qwen Image Layered」は最新環境のComfyUIを要求するため、2511のときのようにComfyUIかんたん導入セット「SimpleComfyUI」を流用するやり方では使えません。画像生成系webUIの統合導入アプリ「StabilityMatrix」か、スタンドアローンで動く「ポータブル版」で最新のComfyUIとComfyUI Managerを導入し、環境構築をきちんと施す必要があります。さらに、Qwen Image Edit 2511と同様、メインモデル、テキストエンコーダ、VAE、mmproj、そしてワークフローのダウンロードが必要です。
ComfyUIの導入方法と環境整備については、こちらの記事にまとめましたので、ぜひご参照ください。
・先にモデルのDLを開始しておこう
ここから導入の説明を始めますが、非常に重いメインモデルを先にDLし始めておくとスムーズに進められるので、VRAM16GBの方はこちらのリンク先からfp8版「qwen_image_layered_fp8mixed.safetensors」か、軽量なGGUF版「qwen-image-layered-Q4_K_M.gguf」あたりをDL開始しておきましょう。fp8版の方が重いですがはっきり高性能ですので、VRAM16GBあるならまずはこちらを試してみて、ダメならGGUF版でやってみるのが良いと思います。
より重量級の「qwen_image_layered_bf16.safetensors」(40.1GB)もなんとかVRAM16GBで動かせましたので、品質重視の方はこちらをどうぞ。VRAM8~12GBの方はQ3_K_S.ggufかQ3_K_M.ggufあたりが良いかと思いますが、実践報告がないのでもしかすると容量が足りないかもしれませんし、おそらく生成物も実用に耐えません。
イメージ的にはこのような感じ。
・ワークフロー導入
モデルをDLしている間に、Civitaiで公開されているこちらのふたつのワークフローを導入します。上が通常用、下がGGUF用です。リンク先からzipファイルをDL・解凍し、出てきたjsonファイルを「ComfyUI\user\default\workflows」フォルダに保存します。
ComfyUI上でこのワークフローをそれぞれ開くと、最初はこのようなエラーメッセージが出ます。「このワークフローに必要なノードがまだインストールされていないよ」という内容なので、ComfyUI Managerでミッシングノードを補填してください。やり方は「ComfyUIが理解らない!知識ナシで使い倒せる完全入門ガイド」も参照のこと。
これがComfyUI Managerの基本画面です。「Install Missing Custom Nodes」をクリックします。
するとこのように、さきほどMissing(存在しない)とされたノードが一覧表示されます。
表示されたリストをすべて「Install」ボタンからインストールします。同時DLはできないので、一つずつ押していきましょう。少し待って、赤い字で「Restart Required(要・再起動)」と出たら次のボタンを押す…を繰り返すイメージです。
もしバージョンを問われたら、基本的にlatest(最新)を選べばOK。
このように全て「Restart Required(要・再起動)」となったら準備はOK。左下の赤いRestartボタンでComfyUIを再起動します。本当に再起動していいか聞かれるので、「確認」をクリック。「Reconnecting」と赤字が出て、いったん接続が切れます。
ブラウザ画面上は変化ありませんが、黒いコマンドプロンプト画面(もしくはStabilityMatrix画面)で再起動作業が始まります。この間に必要なファイルがインストールされますので、しばらく放っておきます。
少し経つといったん接続が切れていたのが「再接続されました」と右上に表示され、「To apply the changes to the node pack's installation status, you need to refresh the browser. Would you like to refresh?(新しいノードを適用するにはブラウザを更新する必要があります。更新しますか?)」というメッセージが出るので、「確認」をクリック。
今度はエラーが起きず、ワークフローが無事表示されました。次に、必要なモデルを準備します。
・メインモデルを入手しよう
まずは一番重くて時間が掛かるメインモデル(既にDL開始しているでしょうか)。bf16とfp8版はこちらからDLできます。VRAM16GBで、本当にギリギリですがbf16版も動かせましたが、余裕が欲しい場合はfp8版でも良いと思います。(ただ、bf16のほうがはっきり高精度です)
より軽量なGGUF版はさきほど紹介したこちらからDLできます。ただ、かなり品質は落ちるイメージ。あとで生成例を掲載しますが、Qwen Image Edit 2511などのGGUF版と違って、実用性は怪しいです。
リンク先を開くと、ずらっと並ぶこれらが量子化済みモデル。「qwen-image-layered-Q〇...」となっている〇部分の数字が小さいほど軽量になる代わりに、精度が落ちます。今回はこちらの「qwen-image-layered-Q4_K_M.gguf」(13.1GB)をテスト使用します。
右側のDLボタンから適当な場所にダウンロードしておきましょう。インストール先は「ComfyUI\models\diffusion_models」です。
・ほかの必要モデルを入手しよう
Qwen Image Layeredをローカルで動かすには、メインモデルのほかに「テキストエンコーダ」と「VAE」が必要です。それぞれ下記リンク先からDLしましょう。
・テキストエンコーダ
ユーザーのテキスト指示をQwenモデルが理解できる形にしてくれるAI翻訳機。2511で使った「qwen_2.5_vl_7b_fp8_scaled.safetensors」を使い回せます。まだDLしていない場合は下記リンクから「qwen_2.5_vl_7b_fp8_scaled.safetensors」をDLしてください。保存先は「ComfyUI\models\text_encoders」。
・VAE
リンク先の「download↓」から、「qwen_image_layered_vae.safetensors」を「models/vae」フォルダにDLします。
以上、メインモデルとテキストエンコーダとVAEがmodels内の各フォルダに揃ったら、ComfyUI上でさきほどのワークフローを開きましょう。fp8を使う場合は「vslinx_Qwen-Image-Layered.json」、GGUF版なら「Rebels Qwen-Image-Layered」のほうです。
4.GGUF版で分割テスト
まずは軽量なGGUF版から試してみます。こちらがGGUF用の「Rebels Qwen-Image-Layered」ワークフローを開いたところ。さっそくレイヤー分割を試してみましょう。
まずは左上の「MODEL~」ノードで、さきほどそろえたモデルを選択します。上から、メインモデル(ggufしか表示されません)、VAE、テキストエンコーダの順。タイプとデバイスはそのままでOKです。右側の「画像を読み込む」ノードで分割したい画像を入力します。
こちらはサイズ指定とSeed値の設定ノード。「Resize Image?」をtrue(はい)にすると、出力画像がすぐ下で設定した長辺のサイズ(単位:pixel)になります。Seed値は「randomize」になっていれば、生成するたびに違う出力結果になります。すぐ下の「Split into how many layers?」でいくつのレイヤーに分割するか選べます。
「Kサンプラー」ノードでは、ステップやCFGスケール、いくつのレイヤーに分割するかなどを選択できます。高速化LoRAを使わない場合はステップ20-25、cfgスケール2.5推奨。ほかはデフォルト値でOKですが、好みで変更しても構いません。
テストに使用するのはこちらの画像。プロンプト欄は空欄のまま、リサイズモードONで長辺1024pxの画像を出力してみます。
RTX4080(16GB)環境では、5分ほどでこちらが出力されました。左上が入力画像で、続く3枚が出力結果です。
それぞれを見ていきます。GGUF版Q4モデル・25ステップだと、やや粗が目立ちますね。
キャラ部分を別のテクスチャに載せてみました。やはりちょっとだけ「元旦」の文字が透けてしまっています。
道中のVRAM負担はこんな感じで、本当にギリギリな感じです。とはいえ、もう少し品質を上げることはできないものでしょうか。
・ステップ数を増やすとどうなる?
この品質ではレイヤー分割とは言えないので、もう少し品質向上を図ります。公式の推奨値では50ステップが理想とのことなので、40ステップに増やすとどうなるか試しました。さきほど25ステップでは文字の痕跡が残ってしまいましたが、改善するでしょうか?
こちらが40ステップの生成結果です。VRAM16GB環境で7分半ほど掛かりました。
うーん、ステップ数が足りなかったわけではなさそうで、あまり25ステップと違いがわかりませんね。別のテクスチャと重ねてみると、やはり文字の痕跡が出てしまいました。やはり、GGUF版ではQwen Image Layered本来の実力が発揮できないようです。
・高速化LoRAを試す
ちなみに、生成ステップを8stepに短縮できる高速化LoRAも試してみました。「Layered」の高速化LoRAはあまり精度がよくなく、実用に耐えないという情報もありますが、実際のところどうなのでしょうか。
いろいろあって混乱しますが、今回使うのはこちらの「Qwen-Image-Lightning-8steps-V2.0.safetensors」(1.7GB)です。保存先はmodels/lorasフォルダ。
MODELSノードのすぐ下にある「LoRAローダーモデルのみ」ノードを「Ctrl+B」でオンにし、DLしてきたLoRAを強度1で読み込みます。
高速化LoRAを使用する場合、CFGスケールは必ず「1」にします。デフォルトの2.5のままだと、色が焼き付いたような変な生成結果になってしまうので要注意。ステップ数は5-8推奨なので、とりあえず8に。
1分ほどでこちらの画像が出力されました。
うーん、速度が早いのはよいのですが、この精度だと正直何にも使いようがありませんね。背景抽出のほうはよいのですが、前景はダメダメでした。他の入力画像でもこのような感じ。
・小括
ここまでの検証では、「創作補助にQwen Image Layeredを使うなら、GGUF版ではちょっと厳しい!」という結論になりました。ローカル画像生成ユーザーの多くはVRAM12-16GBあたりのグラフィックボードを使用していると想定しますと、GGUFモデル(Q4)で4~5分かけてこの精度では、作業が中断してしまって実用に耐えない、というのがその理由です。プロバナナに「キャラクターを消して」「背景を消して」と頼んだほうがずっと良いですね。
こちらはHuggingfaceのデモで同じ作業をした生成結果。量子化していない本来の実力では、きれいに前景・背景・文字を抜き出すことができるので、もう少し上のモデルで再挑戦してみることにします。しかし、VRAM16GBでちゃんと作業完遂できるのでしょうか?
5.fp8版で分割テスト
さきほどはGGUF版向けのワークフローだったので、今度はもう一つの通常版ワークフロー「vslinx_Qwen-Image-Layered」を使います。
こちらがワークフローを開いたところ。各ノードの構造や役割はほぼ同じなので、説明は不要ですね。起動時に不足ノードが検出された場合は、さきほどと同じComfyUI Managerを使ったやり方で補完しておきましょう。
左上にあるメインモデルのローダーで、さきほどのgguf版(Q4)ではなく「qwen_image_layered_fp8mixed.safetensors」の方を読み込みます。デフォルトで各ファイル名が入力されていますが、ファイル名や位置が違っているとエラーを起こすので、各ノードで必ず自分が配置したモデルを選び直しておきましょう。
こちらのノードでレイヤー数とリサイズの有無、Seed値を設定します。今回は3レイヤー分割、リサイズあり(長辺1024px)で生成を試してみます。
生成開始すると、このようにVRAM容量はいっぱいになり、大きく共有GPUメモリに作業が流れ込んでしまいましたが、生成時間が無闇に伸長してしまうことはなく、おおむね4分弱で生成完了しました。なんとかなった!
こちらが生成結果。左上が入力画像で、そのほかが生成画像です。GGUF版よりかなり精度が向上したように見えますね!
左下に文字と影が、右下にキャラクター部分がきれいに分割できています。背景には余計なものがなく、ライムグリーンのグラデーションがきれいに出ています。
もう一つ、こちらの画像でも試してみました。同じく、左上が入力画像、他が出力結果です。
左下の「令和八年~」がなぜか二つのレイヤーにまたがって表示されたり、右側の金色の馬のマークが途切れていたりと、完璧にはいきませんでしたが、とりあえずはGGUF版と変わらない速度で、正確性が増しているのは間違いないようです。
なお、このテストでは長辺1024pxで試したので4分程度で分割できましたが、長辺1408pxに変更してみると7分半ほどに生成時間が伸びました。さらに、リサイズモードをオフで生成しようとするとフリーズしてしまったので、おおむねこのあたりがVRAM16GBの限界なのではないかと思います。
こちらはfp8版を使い、長辺1408pxで左上の画像を3レイヤーに分割してもらったもの。7分半かかっただけあって、背景・前景(キャラ)・セリフがきれいに分割できました。
6.bf16版で分割テスト
最後に、約40GBある重量級、bf16版でもテストを行いました。長辺1408pxで3レイヤー分割指示です。ロードに結構時間がかかり、共有GPUメモリまでがっつり使い果たしましたが、作業自体は8分程度で完了しました。
こちらが分割結果。これがローカルで試せるフルパワーという感じですね。背景・文字・キャラがきれいに分割されており、余った影も文字のレイヤーにちゃんと配置されています。4レイヤー指示したらおそらくちゃんと影だけのレイヤーも作れた感じがします。
ただ、生成時間は8分37秒も掛かりました。創作中、ここぞというときに1発限りで使うなら、まあ耐えられなくもない時間とVRAM負担でしょうか。RTX4090や5090といった超高級グラボをお持ちの方ならぶんぶん振り回せるかもしれませんが、VRAM16GBだと本当にギリギリ一杯といった印象です。(他にVRAM消費するプログラムが走っていた場合、フリーズしてしまう場面もありました)
生成物のゴミチェックを行います。一見背景は完全に透過されているように見えますが、CLIPSTUDIOの「縁取り機能」を使って存在するピクセルの輪郭を赤くふちどってみると、目に見えないゴミピクセルが無数に存在することが分かりました。
ただ、普通に背景合成に使う分には問題ないレベルにみえますね。グリーンバック背景と合成してみても、目視でゴミが見えたりはしません。これはありがたい!
アップにするとこんな感じです。ふちの部分もかなりきれいに処理されていますね。
こちらは文字と影のレイヤー。わかりやすいようにグリーンの背景をつけていますが、「元旦」の下の影もきれいに抜いてくれているのがわかります。右下のもやのようなものは、キャラクターの足元に落ちた影を検出して抜いてくれたものです。見えない部分も推論していますが、3レイヤー重ねるとちゃんと自然に見えます。
こちらはグラデーション背景。これもきれいですね。目視ではゴミは見当たりません。
GIF画像にするとちょっと分かりにくいですがこんな感じ。きれいに分割できていると思います。
というわけで、RTX4080環境だと
・bf16(40.9GB):長辺1408pxでギリギリ一杯!最高品質
・fp8mixed(20.5GB):bf16に比べるとやや品質は落ちるものの、高品質
・Q4_K_M.gguf(13.1GB):実用レベルのレイヤー分割はできない
といった印象でした。bf16版も全然行けるじゃないか!と一瞬思いましたが、場面によっては容量過多でフリーズしてしまうこともあったので、本当にギリギリなようです。
7.レイヤー分割をどう創作に活かすか
ここからは、bf16版もしくはfp8版をローカルで使える環境だと仮定して、普段のイラストや漫画作りにどうこの機能を活かせるか、従来技術(NanoBananaProなど)と実力比較しながら検討してみます。
創作作業の中で一枚絵をレイヤー分割したいときはどのようなケースか、改めて考えてみましょう。例えば、
・「キャラクターだけをそのままに背景を変えたい」
・「背景だけはそのままにキャラクターだけを変更したい・位置を調整したい」
・「線画と塗りを分割して自由に編集したい」
・「邪魔なオブジェクトだけをピンポイントで削除したい」
・「不自然なAI文字を抽出して、自分で打ち直したい」
ーといった場面が多いのではないかと思います。あとは、絵描きさんだと「誤って統合してしまったレイヤーを再分割したい」とかでしょうか。個人的には、「惜しい画像」の修正に使いたい気持ちが大きいです。例えば、髪のハイライトがイメージと違うとか、目の塗りだけ線画に戻して自分で塗りたいとかですね。
ただ、最近はNanoBananaPro(プロバナナ)や各種インペイント機能、Photoshopの各種拡張機能も進化しており、「背景削除」や「前景消し」といった単純作業なら、わざわざComfyUIを起動してまでレイヤー分割しなくてもある程度できてしまう気もします。こちらは前回の特集で、Qwen Image Edit 2511に「背景を消して」と指示して白背景にしてもらったもの。画像編集ソフトで白い部分を透過すれば、かなりきれいな背景削除ができるはずです。
ここからは、Qwen Image Layered以外の方法でレイヤー分割に近いことがどれくらいできるのかを再確認し、Layeredをローカルで使う優位性はどこにあるかを考察してみます。
・「背景削除」「前景消し」の最前線
プロバナナやSeedream4.5のある現在、さきほど挙げたような需要はかなりの範囲がそれら画像編集モデルで達成できてしまいます。
例えばこちらの二次創作作品は、キャラクター部分だけをまずSDXLで生成し、背景部分をプロバナナで描き足してもらったのち、今度はプロバナナで「キャラを消して背景だけにして」と指示して、「キャラのみ」「背景のみ」の透過画像を得るーという工程で作っています。
こんな感じでキャラと背景がきれいに分割されていれば、CLIPSTUDIOを使って色味や光の具合、ボケ感やカスレなどを自分で加工しやすくなります。
ただキャンバス全体にのっぺりとこれが描かれてしまうと、どこを見ていいのかよく分からない「いかにもなAI絵」になってしまうので、前景・背景を分けて情報量や視線誘導を考える工程は作品作りに欠かせない作業です。さらにもう一歩進んで、線画と塗りの分割を行うこともありますが、こういった作業をQwen Image Layeredで一発分割してくれるとありがたいんですよね。
ただ、Qwen Image Layeredが与えられた画像をどう分割するかはかなり運任せです。必ず「背景・下塗り・線画・影・ハイライト」の5つに分割してもらうことはできないのでしょうか?
この点、既にそのような試みはスタートしていて、高品質なLoRAがあれば、このような分割が可能であることが報告されています。
この例では、入力画像をどう分割するかをLoRAで追加学習させてコントロールできるので、線画・塗り分割の「打率」が著しく向上することが見込めそうです。
こちらはキャラクターの顔だけを抽出するLoRAのテスト。アイデア次第で、通常の画像編集ソフトによる加工だと難しい作業も可能になりそうな感触がありますね。
今後、こうしたQwen Image Layered向けのLoRAが充実してくれば、絵を普段描かれる方にも活用しやすいレイヤー分割ができるようになってくるのではないかと思います。ただ、現状ではわざわざローカルでQwen Image Layeredを起動して8分かけて運任せのレイヤー分割を試みるよりは、FreepikでNanoBananaProに「背景を削除して!」「線画だけにして!」とぶん投げた方が打率が高いような気もします。
8.NanoBananaProを使ったレイヤー分割
ここからは、NanoBananaPro(プロバナナ)やRemBG、Photoshopといった従来の技術で、どこまでレイヤー分割がきれいにできるかを検証してみます。
例えばこちらの画像。ミナちゃんがPC画面に張り付いて、こちらの世界を覗いているようなイラストにしたいのですが、ミナちゃんの部分が明るすぎてイマイチそれらしくありません。背景をぼかし、ミナちゃんの部分だけを暗くしたいので、背景部分を削除してキャラクターだけにしてみます。
まずはStableDiffusion拡張機能のRemBG。ダメダメですね。
「Anime Remove Background」でのマスキング。これも全然ダメ。
こちらはPhotoshopに搭載されている「背景を削除」機能。比較的頑張ってくれてはいますが、指の間など細かな部分に背景が残ってしまっています。
今度はプロバナナにこのように指示してみます(いつものFreepikを使用)。
すると、このように背景を白く塗りつぶすことができました。透過まではされていませんが、現環境で一番きれいな背景削除ができるのはやはりプロバナナではないかと思います。
ただ、これを透過レイヤーにするのにはちょっとしたハードルがあります。元画像がアップスケールしていない生のSDXL生成画像のため、まず線画がかなり溶けていて汚いのもあるのですが…
このように白い部分を自動選択ツールで削除すると、右側の一本線の髪の毛など、細かい部分に選択範囲が侵食してしまって、一部削れてしまうのですね。
これを回避するためには、選択範囲を作ったあとに「選択範囲▶境界をぼかす」機能などを使って工夫するしかないのですが、今度は部分部分にフリンジ(白いふちどり)が残ってしまったりして、なかなか加減が難しいのが問題です。
もう一つ、AIによる画像編集には「ピクセルズレ」の問題もあります。
例えばこちらの画像を線画化してみるとします。方法は「Controlnet+線画LoRA」「プロバナナに頼む」「クリスタやPhotoshopで画像加工」などいくつも思いつきますが、ここでもプロバナナを試します。
このように指示するだけで…
こちらが生成できます。線画化も、現状ではNanoBananaProが一番打率が高く、正確にできる感触があります。
重ねると一見きれいに重なっているように見えるのですが、ここで問題が発生。元画像は1408x1024pxなのですが、プロバナナで2K生成すると、縮尺がどうしてもズレてしまうのですね。
生成された線画は2432x1760pxですので、そのまま縦1408pxに縮小しても5ピクセル分だけズレてしまいます。比率自体が変わってしまっているので、単純な拡縮では重なりません。
できるだけ自由変形ツールなどを使って重ねようとしましたが、セーラー服のライン部分を見るとまだズレていることがわかります。このようなピクセルレベルの「ズレ」が生じてしまうのが、AIによるイラスト制作補助が使いにくい理由の一つです。
・「輝度を透明度に変換」でクリアできる?
ちなみに、クリスタでは「輝度を透明度に変換」機能を使うことで、このように線画の白い部分を一発透過することができます。この機能を使えば、さきほどの白背景の透過をより綺麗に行うことができます。
やり方はごく簡単。まず、自動選択ツールを「領域拡縮+4~+10」程度にして、キャラクターの線画部分に食い込むように選択します。境界線が線画の外側ではなく、線の上を通っているのが分かるでしょうか。
この状態で「削除」ではなく「輝度を透明度に変換」すれば、このようにフリンジも残らず、線画も削らずに背景透過できるというわけ。この機能は、輝度が高い(白に近い)ほど透明になる機能ですので、RGBがいずれも255=真っ白な部分は完全に削除される仕組みです。
ただ、もともとの白部分は厳密にはAI出力された濃淡のある「白」なので、完全な透過ができるわけではありません。ふち取り機能を使ってピクセルがある部分の周囲を赤く囲ってみると、このように無数のゴミが検出され、完全透過ができていないことがわかります。
この状態だといわゆる「色トレス」ができないので、このあたりはフリンジの有無とどちらを取るかになるかなと思います。
脱線が長くなりましたが、こちらが「輝度を透明度に変換」で白背景を切り抜いたものです。現環境ではこのように、「NanoBananaProで白背景化▶白背景部分をCLIPSTUDIOで大きめに自動選択▶輝度を透明度に変換」でキャラを切り抜くのが個人的には一番ラクなやり方です。
切り抜いたキャラレイヤーを最初の画像と重ねて、色調補正。逆光補正をかけて、左上と右下に画面っぽいエフェクトを加算レイヤーで入れます。これで、画面に張り付いている感じが少し出せたかなと思います。
背景をpixivFANBOXみたいにしても面白いかもしれません。AIが出力した1枚絵のままだとこういう遊びの余地がないので、レイヤー分割はやはり非常に大事なシークエンスですね。
ということで、ピクセルズレとフリンジの問題はあっても、プロバナナは指示した通りのことが高打率で実現できるので、現状ではQwen Image Layeredを頼らなくてもなんとかなってしまうーという結論になりました。Qwen Image Layeredだと、長辺1408pxくらいまでならピクセルズレやフリンジを気にせず出力できるのははっきりした強みですが、いずれにしても目に見えないレベルのピクセルゴミはついてきてしまいますし、プロバナナは2K~4Kサイズの出力が可能ですので、「圧倒的利便性」というにはちょっと弱い気もします。
普段の創作でよく使うのは「背景抽出」「キャラ抽出」「線画化」の三つ。特に線画化はこうしたイラストを作りたいときに、色トレスができるので重宝しています。色トレスというのは、線画部分を真っ黒にするのではなく、周囲の色合いに合わせて柔らかくなじませたり、ビビッドな色合いにして目立たせたりできる技術。これについても、Qwen Image Layeredとプロバナナを比較してみます。
・色トレスについて
こちらは、プロバナナで作った白背景線画を「輝度を透明度に変換」ではなく単純な「自動選択▶削除」で透過背景にし、変換元と重ねて色を付けたところ。上にレイヤーを重ねて、「下のレイヤーでクリッピング」したあと、虹色のグラデーションをつけています。
細かく見ていくとズレはやはりあるのですが、この手法なら簡易的な色トレスができるので、普段の創作でも大いに使っています。光の演出などに良いですね。
ただ、線画部分を「除算」で合成すると、やはり微妙にピクセルズレしていることが分かります。(完全に重なっていたら、黒い線がすべて真っ白になるはず)
純粋な「塗り」だけのレイヤーを得ることはできないでしょうか。またもプロバナナを使って、このように線画部分を消してもらえるか試します。
こちらが生成結果。さすがプロバナナ、きれいにやってくれました。
さきほどの線画と重ねると、どちらも2Kサイズなのでピタリと合います。(下図はキャンバス中央から左側だけ線画を削除しています)
先ほど虹色にしたのと同じ要領で、線画の上にクリッピング機能を使って色を重ねることで、イラストを柔らかい雰囲気にしたり、瞳のデザインに一味加えたりすることができます。(こちらのように、黒目の輪郭部分を黒でなく瞳に合ったカラーにするのが個人的に好きな表現です)
一方、こうした作業をLayeredモデルでやってみると、線画と塗りの分割はめったにうまくいかず、背景とキャラを分割するだけになってしまいました。現状では偶然性がまだ高いので、プロバナナに頼んでしまったほうが短時間・低ストレス・省VRAMで実現できてしまうかなと思います。
例えばこちらは「午」の字の位置が不自然だったので、Qwen Image Layeredで消したケースです。
ところが、いちいちComfyUIを起動してレイヤー分割をしなくても、プロバナナで「右側の午の字を消してください。他は変更しないでください」と頼むだけで同じことができてしまうのですね。
今後、ユーザーが分割してほしい部位ごとに細かく一発分割できる高精度のLoRAが出回ってくると、Qwen Image Layeredでもプロバナナに比肩する生成結果が得られるようになってくるのではないかと思います。特に、髪・肌・瞳・衣装といった塗りを下塗り・影・ハイライト別で一発レイヤー分割できるようになれば、プロバナナへの圧倒的アドバンテージになるので、ぜひ進化を期待したいところですね。
終わりに ~実力考察と今後~
というわけで、「Qwen-Image-Layered」実力検証でした。モデルの方向性としては完璧に「私が欲しかったもの」ではあるのですが、一般ユーザーのVRAMで動かすには少々鈍重で、プロバナナの覇権を覆すには至っていない印象です。今後、もっと詳細な塗り・線画分割ができるようになったり、Freepikなどの有償プラットフォームで手軽に利用できるようになったりしてくると、創作に活かせる場面がもっと出てくるかなと感じました。
レイヤー分割モデルだけでなく、NanoBananaを始めとした画像編集系モデルはPhotoshopや画像編集ソフトと連携することで真価を発揮する、実にクリエイティブなツールだと感じています。なぜなら、t2iモデルなどと違って、モデル発の創作性を極力抑えて「余計なことをしない」ができるモデルだからです。「クリエイティビティがないことによってクリエイティブなツールになる」という、非常に皮肉な現象が起きています。
例えば背景削除や線画化といった工程は、創作性をあまり加えようがない「正解」のあるワークフローです。操作者のイメージにない生成結果が出ることは少ないので、最終成果物からヒトの創作性が損なわれにくくなるわけです。画像生成AIは勝手に動く魔法のペンのようなもので、ユーザーが作ろうとしたもの以上にすらすらと動いてしまうと、見た目は素晴らしくても誰のどんな創意を表現したものなのか分かりにくくなってしまうのが欠点。画像編集系モデルはその弱点をうまく回避しつつ、創作者本人の技術的未熟を上手にフォローしてくれる、良いツールになっていくものと思います。
おそらくQwen Image Editツールと同様に、Layeredモデルも今後どんどん新モデルが出て、ワークフロー・LoRA・高速化技術なども進歩していくでしょう。今後も折を見て、進化具合や使い勝手を特集していきたいと思います。
それでは今回はこのへんで。今年もスタジオ真榊をよろしくお願いいたします。
おまけ
こちらは、同じキャラクターイラストを題材にしてプロバナナに作ってもらった年賀状です。私がクリスタで作った上の年賀状と見比べて、どう感じますでしょうか?
さきほどの年賀状は私が頭の中でイメージした通りに作ったものですが、こちらは全く予期していない、いわばプロバナナの創意(もしくはデータセットの集合知)が表現されたものです。画面のにぎやかさや細部の豪華さは完全に負けてしまっていますが、コンビニで売られている既製品の年賀状を買ってきたようで、これは「私の年賀状」ではないと思うんですよね。
しかし、これを見てからもう一度作ったら、もっと面白いものが作れるような気もします。そのあたりに、AI創作の面白さとか、今後の発展性があるような…。2022年10月には自分がこんな風に考えるようになるとは(こんなものが生成できるようになるとは)想像もしていませんでしたが、果たして来年の年賀状はどんなものになっているんでしょうか。(オチなし)
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